見出し画像

批評家タイプのリーダーはときにうまくいかない

良い映画評論家は必ずしも良い映画監督にはなれる訳ではないと言われます。フランソワ・トリュフォーのように映画評論家からキャリアをスタートさせ、その後映画監督に転身しカンヌ国際映画祭で監督賞を受賞するという例外はありますが、やはり普通は他人の作品を批評するのは上手でも、自分ではなかなか良い作品をつくるのは難しいものです。

有名な映画評論家であった水野晴朗氏が監督した映画「シベリア超特急」は一部のマニアから熱狂的な支持を得ていますが興行成績としては失敗しました。(面白い面白くないという価値観を超越して大変味わい深い作品ではありますね。)

こういうのを「眼高手低(がんこうしゅてい)」というそうです。作品を見る眼は肥えているが作品をつくる能力が低いという意味だとか。

ビジネスにおいても同じようなことが言えると思います。私自身はどちらかというと批評や分析が得意なのですが、行動力や創造力が弱い。マーケットのトレンドやいま起きていることを分析し、そこから未来を予測することはできます。自社の既存ビジネスのどこがダメなのかを分析して批評することもできます。でもだからといって自分で会社に変革を起こすとか新しいビジネスを始めるというのはいまいち苦手。

画像1

実はいま会社で新しいビジネスの立ち上げを責任者として任されているのですが思うように成果が上がっていません。自分は批評家タイプなので現状分析はできても、じゃあ次に何をするか?ということがなかなか決められない。だからメンバーたちが何をしたら良いか分からずチームがまとまらないからパフォーマンスも下がってしまうと。

すでに流れが決まっている既存のビジネスを進める場合には批評家タイプが良いと思います。現状分析から現場の課題を抽出し改善につなげることができるからです。でも新しいビジネスをつくるというクリエイティブな局面ではわからないことも多いなかでビジネスを進めなければならず、あまり批評ばかりしていられない。どこかで見切りをつけて動き出さないとなりません。

最近チームが停滞していてなかなかプロジェクトが思うように進まない原因はリーダーである私の態度にあります。分析・批評の手はいったん止めて、次のアクションを決めメンバーたちに具体的に示したいと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?