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食と人生~介護の現場から~

早いもので今年のカレンダーも残り1枚となった。
忘年会なども増えてくることだろう。

先日、私の職場でも食事会の話が出た。
和食、フレンチ、イタリアン、中華……
おいしいものを想像するだけでお腹が空く。

あれもいいね、これもいいねと会話も弾む。
皆さん色々なお店を知っている。

ずっと地元に住んでいるけど、
なにも知らない私(笑)

私よりもずっと年上の人たちが楽しそうに
「あのお店いいよ~」と話している姿を見て、
なんだか未来は明るいなと感じた。

食を楽しみながら歳を重ねていけば、
人生は豊かになるのかな?

食を楽しむことは、人生を楽しむことだと
気づかされた。

それと同時に、思ったこと。

今目の前にいる経管栄養のお年寄り達。

経管栄養となり、食事ができない人にとって
生きる楽しみって何だろうか。

テレビに映る料理を見て、
周りの人が食事をしている姿を見て、
苦しいのではないか。

寝たきりになり(寝かされきり)、
関節は拘縮し、身体は浮腫み、
あふれる痰に溺れていく。
自力で痰は出しきれず、吸引をされる。

そのようなお年寄りの姿を
この10年間で何人も見てきた。

延命する意味も考えた。
かわいそうだと何度も思った。

でも、自分の家族がそうなったら……?
自分がそうなったら……?

いずれ自分にもやってくる選択が
まだわからない。
心のどこかで、自分は大丈夫と
思っているのだろう。

経管栄養の人について思うことは
これまでもたくさんあったけど、
正解はわからない。

それでも、本人や家族が
経管栄養を選択し、生きることを決めたのなら
それを手伝うことが自分の役目だと思うと
気持ちが少しスッキリした。

大切な人とおいしいものを食べられる
幸せを噛みしめながら生きていきたい。




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