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映画『メトロポリス』(2001)観たよ。

BSでやるらしい。
いかにもBSって感じのいいところを突いてるアニメばかりだ。

しかし、『パプリカ』と『GHOST IN THE SHELL』はアニメ詳しいオタクならそこそこ知名度があるし、『オネアミスの翼』は庵野秀明の効果とか岡田斗司夫の動画で話題になるから結構知っている人も多いかも。

この中で言えば比較的マイナーな部類にある『メトロポリス』だが、僕はこの映画がすごい好きだ。
久しぶりに観たが、改めて色あせない傑作だと思う。
ちなみに配信サイトだとdアニメストアで配信されていたので僕はそれで観たが、高画質推奨なので出来ることならblu-rayをオススメする。


『アストロボーイ・鉄腕アトム』(2003)と同時期にアニメ化した手塚治虫原作の2001年のアニメ映画で、監督は『銀河鉄道999』のりんたろう、脚本は『AKIRA』の大友克洋と面白くならない訳がないビッグネームが務めている。

上に貼ったYoutubeのプレビューを観てもらえばわかると思うが、何と言っても、とにかく映像が凄い。映像が凄すぎる。
今見てもとんでもない作画と背景美術と3DCGの量と質だ。
映像でいえば間違いなく日本アニメの最高峰の一つと言えるだろう。
要所でかかる音楽もジャズもとてもオシャレだ。
終盤の全てが崩壊する悲しいシーンに敢えて流れる穏やかなジャズが生み出す対位法(エヴァでクラシックを流すアレみたいなの)の演出が見事過ぎる。

ストーリーも手塚治虫らしくて素晴らしい。
悪の組織に追われる世界のカギを握った少女と、その少女を守る少年という言ってしまえば滅茶苦茶王道な冒険活劇ものだが、そこに手塚治虫と大友克洋という要素が加わるとAIの人権問題とか、政治腐敗とか、経済的格差問題とか、ヒューマニズムとか、親子愛とか、2021年に問題になっている全部が描かれている。しかも原作漫画は1949年だ。
実際、手塚治虫も20世紀初頭のSF小説に影響されている作家だから、フィリップ k ディック的な世界観でそういうものを描いているが、それを漫画という文化に持ち込んだ手塚治虫はやはり神様なんだろう。


僕はこういう「ジャパニメーション」(最近言わなくなったな)的なアニメが源流のあって、こういうのが一番好きなんだと改めて思った。例えば手塚治虫であり、高畑勲・宮崎駿であり、大友克洋であり、押井守であり。そういう人たちが源流にあるアニメばかりずっと見ていたいなあと思ってしまう。

でもこの本格派保守みたいな考えはいずれは必ず衰退する。
なぜならその人たちはいずれ死んで継承者がいなくなるから。
だから細々と心の中で崇拝する対象としてコレクションの一番の良いところを神棚にして円盤をしっかり仕舞って置いておこうと思った。



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