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私が不幸になるのはどう考えてもレコメンド機能が悪い

小さい頃からインターネットに触れてきた私ですが、ここ数年で一気にネットに居心地の悪さを感じることが増えたように思います。

かつて目的のWebページにたどり着くには、検索サイトを使ったり、ブックマークから選んだりする必要がありました。
それは見たくない情報は自分から見に行かなければ目に触れないということでもありました。

レコメンド機能とは

しかし情報に辿り着くまでの導線は変わりました。

ニュースはスマホのホーム画面をフリックするとGoogleアシスタントがおすすめの記事を表示してくれます。
面白い動画が観たければYouTubeを開けば、おすすめの動画が表示されます。
最新の話題を知りたければ、Twitterを開けばフォローしている誰かが共有したニュースや動画が流れてきます。
もちろんTwitterのフォローは自分で対象のアカウントを探さないといけませんが、それもTwitter側からおすすめを教えてくれます。

「欲しい情報に辿り着く方法がわからない」「検索するにもどういうキーワードで検索すればいいかわからない」という問題を、サービス側から個人に合ったコンテンツを紹介するレコメンド機能で解決しようとするようになりました。

レコメンド機能による情報の押し売り

しかしそれは必ずしも私が欲している情報だとは限りません。

たしかに私は無職なので転職活動について調べることはあります。
しかし中年男が「このタイミングでの転職活動は辞めたほうがいい」と語っている動画なんて観ても不快なだけです。

私はたしかにシステムエンジニアとして経歴を積んでいます。
しかしチャラチャラしたガキが「今求められているスキルは~」とか語っている動画なんて観てもなんの役にも立ちません。

私はたしかに政治に関心があります。
しかし売れないお笑い芸人が政治問題について叫んでいる動画なんかこれっぽっちも興味はありません。

私はたしかにお金が欲しいです。
しかし胡散臭い情報商材の記事を読むほど馬鹿ではありません。

私はたしかに某事務所に所属するVTuberが好きなので動画をよく観ます。
そんな私に批判的な内容の動画をおすすめして、私が喜ぶと思いますか?

レコメンド機能の精度を高めるための無賃労働

これらは誰かの役には立っている情報なのかもしれません。
また将来の私が観れば役立つことがある情報なのかもしれません。
しかし少なくとも今の私にとっては不快なゴミです。

レコメンド機能は大抵「このようなコンテンツを今後おすすめしない」のような選択ができるようになっていて、使用しながら精度を高める仕組みになっています。

ただそれって精度を高めるために一度は不快な情報を視界に入れろと言っているわけです。
レコメンド機能の精度を高めるためとはいえ、吐き気がするほど不快な情報まで一度は見ないといけないのか。

たまに技術に不幸にされているのではないかと思うことがあります。

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