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昭和時代の下宿で行われた新歓コンパ その1

注意:パワハラな世界を書いています。昭和50年後半当時の話です。

当時私がいた下宿には30名ほどの学生が住んでおりました。

4月に入学し、一ヶ月が過ぎようとする頃に行われるのが新歓コンパ。

当然ながら新入生は欠席することが許されません。
1週間前に新歓コンパの会費徴収が行われます。
2年生までは参加費払ったんだっけ?よく覚えてないけどね。

いかに世間知らずな学生であっても、新歓コンパが純粋な歓迎行事とは
思いませんね。噂の段階では有るけど、どうやら日本酒5合の
イッキ飲みをさせられるようだ、という話が1年生の間で駆け回ります。

昔言われていたことで、今も通用するのかわかりませんが、
4年神様、3年貴族、2年平民、1年奴隷。
この図式は下宿でも適用されますが、そんなに殺伐とした雰囲気では
なかったね。

この下宿では以前に料理を出していた時期があったらしく、
簡素では有りましたが、キッチンとこじんまりとしたスペースが
有りました。

夕方6時から新歓コンパが始まるのですが、酒の一気飲みに備えて、
あるAくんが牛乳を飲んでおりました。牛乳が胃壁をカバーして
酔いにくくする効果があるとかなんとか。
(後に効果が実証されるのでお楽しみに。)

予定よりも早めに食堂に行きました。
もうすでにテーブルにはオードブル、寿司、ビール瓶が並んでいます。
流石に30名は入りきれません。1年生だけでも半分を占めています。
入りきれなかった先輩たちは、後にわかることですが2年生なのです。
風呂トイレが共同の安い下宿には、4年も居残る人は少数。
4年生ともなれば、学校の近くである必要性も薄れますので、
もっと交通の便が良いところに変わったりしますね。

定刻の6時になりました。

まずは大家さんのご挨拶。今年はおとなしくね…と言ってたのが
印象的でした。w
そして4年生の挨拶があり、乾杯の発声で宴が始まります。
先輩自らが、1年生に酌をしてくれます。
そして耳元で「しっかり食べろよ~。そうじゃないと吐かれへんから」
なんて優しくささやく先輩もいて…。

食事も無くなり、スナック菓子やらおつまみのたぐいが並びます。

司会役の先輩が、「ではこの下宿恒例のイベントを行いたいと思います。」の声を発するなり、裏に置かれた一升瓶が何本も運び込まれます。

そして4年生がうやうやしく大きな杯を出してきました。

つづく

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