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鈍足

幼稚園から小学校卒業までサッカーを習っていた。
習っていたというよりは、父親がサッカーを教える立場で、
そこに連れて行かれたと言う所が正しい。
幼稚園時代はお遊戯のようなものだから、それなりに楽しかったが、
小学校も3年生を過ぎると、情熱の差が実力の差となって来る。
ヤル気もなく続けたって、上手になるわけがない。
小学校卒業と同時に辞めた、というか最後は殆ど行ってなかったけどね。

さて、こういう運動歴が有るのに鈍足でした。

小学校の6年生のとき、グラウンド一周を走る事となった。
どういう経緯でそうなったかはわからないが、
女子の足の速いSちゃんと一緒に走ることになった。
もう走り出したときから彼女の背中しか見えない。
最後のカーブを曲がる頃にはすでにSちゃんは走り終えていた。
鈍足と自分でわかってても、この出来事は屈辱的だったなぁ。

中学に入り、体育の授業で体力測定をすることとなった。
50メートル走ではタイムを測るのだが、小学校の時に
10秒ギリギリだったように記憶している。
さて、計測が始まりタイムを聞いて自分が一番驚いた。
タイムは7秒7。衝撃すぎて今でも覚えてる。w
驚くことはまだ続く。
陸上部以外で足の速い生徒を選抜し、それに選ばれた。
近隣の中学から選抜して走らせる競技に行くことになった。
市営の陸上競技場で並んでいると、小学校時代に足の速かったM君が
いた。相手も私を見て驚いてる。そりゃそうだ、女子に抜かれるような
鈍足のイメージしか無いんだから。私もこの場所にいることに驚いてる。

7人くらいで一斉に走る。同じグループにM君もいた。
走り終えて後ろを振り向くと、その子はまだ走っていた。
走り終えてスタジアムのベンチに戻る時に、肩を叩かれた。
振り向くと、6年の時に私をぶっちぎったSちゃんだった。
「めっちゃ速いやんか!どんな練習したの?」


なんにもしてないっちゅうねん。

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