異動≒転職?大学職員のポジションチェンジは大変!?
こんにちは、Xeon777です。
今日は仕事内容のお話をします。
一言で 「大学職員」 と言っても、何をする仕事なのか正確にイメージできている人は、実際に中で働いている人以外では少ないかもしれません。
ご自身が大学生の時に見ていた事務職員の姿から、なんとなく想像するしかないですよね。
そうすると、おそらくは教務の窓口や図書館にいる人、奨学金の相談に行った時に対応してくれた人・・・あたりに限られてくるのではないでしょうか。
もちろんこれらも大学職員の仕事ですが、実際は学生さんから見えない仕事の方が圧倒的に多いです。
大学職員業務の実際
さて、思いつくところを、ざっと並べてみましょう。
教務(履修や成績関連)、学務(在籍・休退学等)、就学支援(奨学金等)、留学支援、資格取得支援、生活相談、課外活動(部活等)支援、健康管理(心身とも)、図書館、情報環境整備、研究支援(教員の)、企業対応、卒業生組織、募金事務、学内統計、入試、広報、マスコミ対応、食堂運営、スポーツ関連、内部監査、物品調達、契約、施設・設備、経理(学費等)、財務(大学全体の財政)、人事、福利厚生(教職員の)、警備・管理 ・・・・・・
まだまだありますね。企画なんてのもありますが、これは大学によってやる内容が異なりますが、新しい学部を作る(設置と言います)仕事を担当していたりします。
また大学にも、理事長や学長といった役員がいますので、秘書業務もあります。
最近は教職員や学生と大学との間にトラブルが起きることも多く、法務なんて仕事もあったりします。
どうでしょう?この中で、学生時代に直接会ったり、関わったりした内容がありましたでしょうか?
企業などでもよく 「ステークホルダー(利害関係者)」という言葉を使いますが、大学はステークホルダーが非常に広い範囲に、多く存在する組織と言われます。
ステークホルダーの数だけ、やらなければならない事が多い、すなわち担当領域が広い、と言えそうです。
そしてここまでに挙げた全てが、大学職員になった以上は担当する可能性のある仕事です。
志と現実のギャップ
特に新卒で大学職員志望の方から多く聴く言葉が、
「学生の成長を支援したい」
「経済困窮で困っている学生さんの学びを支えたい」
といったものです。きっとご自身も在学中に心温まる経験をされて、それに惹かれたのでしょう。その動機自体はとても純粋で、大切なものです。
ですが、現実としてはほとんどの(というか99%の)大学職員採用は 「総合職」 としての採用であり、「ずっと教務」 とか 「ずっと奨学金担当」 ということは有りえません。
最初から希望どおりの部署に入ることもまれですし、入ったとしても数年で必ず人事異動が巡ってきます。
志をどこに置くかが問題
この時、タイトルに書いたとおりですが、「異動すると転職」と言える程に仕事内容がガラッと変わるのが、この業界の一番たいへんなところかもしれません。
極端な例ですが、大学の図書館というのは非常に専門的で、例えば経理から異動になったりすると、それまでに得た知識はほとんど役に立たず、一から覚え直しの事が大量にあるという状態です。
こういう覚え直し、学び直しを前向きに受け止められるかどうか。これも大学職員になる上での適正として、重要な点だと思います。
特にメンタル的なことで言うと、
「新卒採用から新人研修が終わり、最初の配属で希望どおりの部署にならなかった。」
「希望通り、教務で働き始めたけれども3年後にバックオフィスへ異動した。」
こういったケースで、急激にモチベーションダウンする方を多く見てきました。可能な限りケアするよう心がけてきましたが、最後は本人が大切なことに気づけるかどうかなので、周囲にできることは限られています。
私個人の考え方ではありますが、「結局は全てが、学生さんに繋がっている仕事」と考えることは大切だと思います。
学生さんと直接会う機会があるかどうか、で判断してはいけません。例えば経理なら
「学生さんから、ご両親から預かった大切な学費だ。間違いなく扱おう。
大切に使おう。学生さんの学びを充実させる何かに使えば、学生さんの
笑顔につながる」
と思えるかどうか。こういう思考をすると、あみだくじのように線を辿っていけば、どこかで学生さんに繋がるんです。私はそういう考え方を大切にして、この20数年やってきました。
実際、私の大学職員キャリアの8割くらいは、学生さんと 「会わない」 仕事です。それでも、自分がどういう仕事をするか、というモチベーションの源泉には「この仕事で学生さんを笑顔にできるか」という問いが常にあります。
長くなってきたのでこの辺にしましょう。次回から、例に挙げたそれぞれの業務について、もう少し踏み込んでみます。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?