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手塚治虫と猫だまり。

『ランダムに選んだ過去の写真からインスピレーションを受けた小咄、コラム、戯言などを書き留める写真で二言三言。』

時代の移り変わりと供に徐々に侵食されつつは或るモノの、いまだ昭和の残滓が色濃く残る雑司ヶ谷という町が好きである。
多分に文字フェチであることから『雑司ヶ谷』という町の名前から想像される脳内の景色と相まって、この町には毎週のように朝ン歩に出かけている。

最初は南池袋から猫だまりを見つけて徘徊するウチに雑司が谷に辿り着くルートを開拓したのだが、いつの間にか雑司ヶ谷がメインとなるお散歩コースとなっている。
というのも、この雑司ヶ谷という町は街ぐるみで地域猫のお世話をしているのである。
なので、他の地域に比べて地域猫の定着率も高く、どういうワケだが世代交代をしながら猫だまりを継承しつつ安心して暮らしているのだ。

この写真にある裏路地も当初は猫だまりを見つけているウチに散歩コースに参入させたところなのであるが、猫さんの生存確認をしに毎週立ち寄っていたところ、ある日友人からこの正面のアパートには手塚治虫が暮らしていたんだよ?と教えられ、改めて確認すると国の登録有形文化財のプレートと供に並木ハウスと門に掲げられている。

調べてみると手塚治虫はトキワ荘を出た後、結婚までの3年間をこの並木ハウスで暮らしていたとのことで、驚くことにこの昭和28年築の登録有形文化財には今も賃貸で入居者が絶たないとのこと。
文化財の中で日々生活するってどういう感じなんだろうか?


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