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明石町、居留地通りのマリア像。

『ランダムに選んだ過去の写真からインスピレーションを受けた小咄、コラム、戯言などを書き留める写真で二言三言。』

こんなことを書くと熱心な信者には怒られるかもしれないが、無神論者・無宗教の私としては、磔のキリスト像を観ても特になにも信心深くもならないが、手を差し伸べるマリア像を見かけるとついつい手を合わしてしまいたくなる。

男は基本マザコンと言われるが、これも母に対する憧憬、包まれたいという子宮回帰的な願望なのであろうか?

そんなことを突然思い出したのも、ここ数年毎年私はこのマリア像を見かけるのである。
というのも、以前は会社の健康診断となると一般健康診断程度しか受診してこなかったのだが、福利厚生のポイントも毎年使い切れなくなり、そのポイントで人間ドックを受診するようになったのである。

人間ドック受診にあたり、特に外せないのは胃カメラで麻酔を受け付けてくれるところ。この胃カメラほど拷問に値するモノはない。できれば検査項目から外してもらいたいくらい嫌いな検査だが、そういうワケにもいかないので、であれば麻酔をして知らない間に終わっていて欲しいのである。

というワケで私は毎年誕生日前の1月になると明石町の聖路加国際病院の聖路加予防医療センターで人間ドックを受診しているのである。
この聖路加予防医療センターがある聖路加タワーに続く道は居留地通りと呼ばれており、その名の通りこの辺りは以前は外国人の居留地だったところである。
外国人が暮らすところとなると当然教会も必要となってくるわけで、今となっては数少ない居留地時代の名残として、ここにはいまでもカトリック築地教会が存在する。
その敷地の通りに面したところにこのマリア像が建てられており、毎年この慈愛に満ちたご尊顔を拝謁するとついつい手を合わせてから、身体のどこにも異常は見当たりませんように!と願掛けしてから人間ドックに向かうのである。


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