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ニコンの激安中古レンズを復活させる(その1)Ai AF Zoom Nikkor 70-300mm F4-5.6D

現状把握

AF Nikkorレンズを落札価格500円足らずで入手できた.このレンズの問題点はズームリングが機能しないことである.リングを回してもスカスカでなにも変化しないのだ.とにかく分解して原因を見つけるしかない.比較的新しいレンズということもあって,光学的には曇りやカビなどみあたらないので,復活できれば超ラッキーである.

こちらを参考にさせてもらいました.私のはEDが付かないモデルですが,構造はほとんど同じようです.

バラバラにする

このレンズは,マウント側からアプローチすると,分解できるようである.

<手順1>遮光パーツを外す.ビス3つを外すと簡単に引き抜ける.

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<手順2>接点パーツを外す.サイドからアプローチして小さなビス2つを外すとフレキシブル基板に繋がった接点パーツが宙ぶらりんになる.

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<手順3>マウントを外す.ビス3つを外すと外れる.一緒に,オートフォーカス用の歯車が付いたパーツも外れる.

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<手順4>絞りリングを外す.このとき,クリック感を出すためのスチールボールを無くさないよう注意する.

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<手順5>サイドからビスを3つ外すと鏡筒が外れる.

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<手順6>電気接点のヒンジを外す.このとき,曲げたりしないよう注意する.

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<手順7>リングパーツを外す

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<手順8>ギョギョ!,ビス2つで付いている金属パーツが破損している.このために,ズームリングが機能しなかったのか!

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破損したパーツの製作

レンズを分解して,故障の原因は金属鋳物でできた機構部品の破損だとわかった.当初破断したパーツの修復を考えたのだが,もともと応力のかかるパーツなので,接着剤やハンダで修復してもすぐにまた壊れるだろう.仕方がないので3mm厚のアルミ板から手作業でパーツを削り出すことにした.

まずはハンドニブラを使って粗削りをする.このハンドニブラは1.5mm厚のアルミ板までしか対応してないのだが,何とか粗削りした.

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次に現物と見比べながら,金やすりを使って仕上げていくのだが,立体的な形状でかつ精密部品なので苦労した.

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上が破損したパーツ.下がアルミ板を削り出して製作したパーツ.

削り出したパーツを取り付けてみて,引っかかるところを微調整し,なんとかスムーズに動くようになった.あとは,レンズの清掃をしつつ,逆の手順で組み立てるだけである.

まとめ

はじめてのレンズ分解だったので冷や汗をかきながらの挑戦だったが,案外うまくいって達成感がある.必要な工具も特殊なものはまったく必要なく,実はNo.00のプラスドライバーだけで済んだのが意外だった.苦労して削り出したパーツが使われていると思うと愛着のわくレンズになった.

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望遠側では焦点距離300mmだけあって,大きなレンズになります.カメラに対してレンズの存在感があって,アンバランスなところが良いかも.

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スカイツリーの下から展望台を撮ってみました.300mm(35mm換算で450mm)はさすがです.手持ちでもなんとかなりました.
(1/500 F5.6 ISO400 )

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