ニコンの激安中古レンズを復活させる(その11)NIKKOR-Q Auto 135mm F2.8
おつかれさまです.
今回は,焦点距離135mmの中望遠レンズだ.以前同じ焦点距離のNIKKOR-Q Auto 135mm F3.5をオーバーホールしたが,今回はそれより明るいF2.8となる.送料込み2000円以下でF2.8の明るいレンズが入手できた.かなり大きくて重たいレンズである.
現状把握
古いレンズなので,それなりに汚れやキズがあるが,光学系はカビがあるだけでキズなどはなく,コンディションはそれほど悪くなさそうである.内蔵のレンズフードの内貼りがボロボロになってめくれていているので,ここも修復する.
AI改造
今回は,まずはカメラに取り付けたかったので,AI改造から始めた.マウントを取り付けているネジは通常堅く絞められているのだが,このレンズはいとも簡単にプラスドライバーで外すことができた.製造されてから少なくとも一度は,メンテナンスのために分解されていたものと思われる.
マスキングテープで削る範囲を特定しました.
カニ爪を外してから.写真のように,マスキングテープを貼り,平ヤスリで削っていった.実際にカメラに取り付けてみて,正しい絞り値が表示されるようになるまで,回転方向に慎重に削っていった.このレンズの場合,絞りリングが肉厚なため,カニ爪を元にもどしても,カメラの絞りレバーとは干渉しない.実際にカメラに取り付けてファインダーをのぞくと,比較的明るいレンズであることが実感できて,モチベーションが上がった.
フロント側からのアプローチ
まずは,フードの内貼りを交換する.芋ねじを外すと,フードを外すことができる.接着剤で貼り付けられている古い内貼りをはがし,エタノールで接着剤を剥がしてきれいにし,厚さ1mmのモルトプレーンを29x210mmにカットして貼り付けた.あらかじめ両面テープが貼られているので簡単である.
少し大きめにカットして調整するとうまくいくようです.
ボロボロだった内貼りが新しくなって気持ち良いです.
次にに写真のマイナスネジを外すと,前部の鏡筒が外れる.
前玉がはずれた.レンズの状態は良いので,今回はこれは分解しなかった.
さらに,外していくと,絞りユニットと後ろ玉がセットで外れる.
後ろ玉だけ取り出した.
ここの分厚いレンズは,カビがはえていたので,クリーニングしておいた.
ついでに,フォーカシングリングを外して,ヘリコイドを分解し,グリスアップしておいた.
まとめ
今回は,ほとんど苦労せずにすんなりとオーバーホールが進行した.レンズのクリーニングもできたし,ヘリコイドもグリスアップしてフォーカシングリングは適度なトルクになった.このレンズは重いので持ち歩くのはたいへんだが,中望遠らしい背景のボケを期待したい.さて写りはどうだろうか.
Nikon D600, f/2.8, 1/1250, ISO 800, -1EV
焦点距離135mmだと,被写体と距離をとれるので,絞り開放でも被写体全体にピントが合ってます.背景はしっかりボケて被写体が浮かぶ感じですね.
Nikon D600, f/16, 1/40, ISO 800, -1EV
絞ると,背景のボケがなくなります.
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