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社長呼ばなあかんなあ!

消費者として最小限の怒りの表現

わが家では、買った商品に不備や不満があると、「社長呼ばなあかんなあ」と口走る癖がある。社長というのは当然、その製品を作った会社の社長のことなのだ。と言ってもこれは最近のことで、ちょっと前までは大阪風に「大将呼ばなあかんなあ」というのが一般的だった。具体的には、これまで1000ccのボトルで販売されていた商品が、買ってみると価格がちょっと高くなっていて、内容量が900ccになっていた場合などに使う言葉だった。
ところが最近は、何でもかんでも値上がりしていたり、内容量が少なくなっているケースが圧倒的に増えたし、消費者利益を軽んじる経営者が増えているので、「社長呼ばなあかんなあ」という口癖の回数がどんどん増えてきた。そのこと自体は私的なことだが、「社長呼ばなあかんな」とは言わないまでも、多くの家庭で同じような反応が増えているかも知れない。生活の融通性がどんどん窮屈になってきたので、これはわが家だけの現象だと思ってきたが、どうもそうでもない。スーパーに行けば分かるが、例えば小麦粉を売っているコーナーに行けば、小麦粉といってもいくつものグレードがあって、一番安い小麦粉のスペースにはいつも一つの売れ残りもない。もちろん、小麦粉だけではなくほとんどの商品のコーナーが同じようになっている。

おとなしい消費者の我慢に甘えるのはもう限界

どうもここんところ、日本の経済がはなはだしくダメージを受けているのか、国際的には少しは景気良く見せたいと思ってか、大手企業の社員の給料を上げることを大々的に宣告した。しかし企業がそんなことをしたがらないのは分かっていることで、上げた給料分、商品を値上げさせろと迫られて、世の中のほとんどの商品の大幅値上げを認めたということだと思うのだ。ところが大手企業はモラルや節度を目的に事業をやっているのではないので、商品の値上げを容認されたとなれば、目いっぱい値上げをしてしまうものだ。もちろん、消費者の反撃が少なければ、まだまだ上げたいといったところだと思うけれど。
ところがここまでの値上げて、一般の人の家計がどんどん追いつめられていって、このままではおそらく一般の人は広範囲に節約をするしかなく、商品はどんどん売れなくなっていく。私などは、商品を値上げしたことが裏目に出て、日本の家計破綻という致命傷を招いてしまわないか心配になるのだ。

1万円使って、50円の価値のポイント貰えるだけでいいの?

いまでは、ほとんどの販売店や商店で商品を買えば、貯めればモノが買えるポイントが貰える。くれると言っているのでそれはそれでいいけれど、アメリカなどに比べてその関心の高さは日本特有の現象だという。なぜかと言えば、よその国ではポイントの価値がわずかすぎて、それほどの関心事にならないのだそうだ。私も不思議に思うのは、ポイント制などない時代、店で物を買って「おっちゃん、負けてえや!」と、店のおやじに言えば、「これ以上負けたら、おっちゃん赤字や!」と言いながらも、最低1割は値引きしてくれる。しかしポイントなら買った価格の1%がポイントで、しかも最近では1ポイントが50銭の価値しかないこともある。つまり、昔風に言えば、1万円の商品を買って、戻ってくるポイントは50円にしかならない。はたして、1万円の買い物をして50円だけ負けてくれて、それでいいの? 私ならやっぱり「全国の社長呼ばなあかんなあ!」となるのだが。


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