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 シューカツ! 著:石田衣良

 主人公は水越千晴、鷲田大学の三年生。同じマスコミ志望の面々とシューカツチームを作り、七人で全員内定を目指すと言うもの。OBOG訪問だったり、エントリーシートの書き方で合宿をしたり、インターンでテレビ局の仕事をしたり、筆記試験、面接の繰り返しでテレビ局と出版社、男子は新聞社などに就職に漕ぎ着けるまでを作品として描いている。

 一般的に名門大学に入ったら、こんなシューカツ戦線が待っているのかとマスコミと言う狭き門に2,000倍を超える倍率を突破する為に仲間と協力してシューカツを進める様を水越千晴を通して描いている。普通に就職する、正規のルートで大人になるってなんて厳しいんだと唸らずにはいられない。

 自分のシューカツと比べてどんなに緻密で難関だった事かと驚きに満ちている。ちなみに私は大学を中退したし、専門学校に入って来た求人に応募しただけ。岩手で縫製工員になり時給630円。繁忙期と閑散期があり、閑散期に金の都合がつかなくなって九ヶ月でリタイヤし、実家に籠ると言う体たらく。テレビの向こうで頑張ってる人ってそんなに凄いんだなって言う感想しか得られなかった。それにちょっとだけ石田衣良さんの著述はキザだとも思う。読み易いし、ハッピーエンド。人が死んだりしない。淡い恋愛や女性を描かせたら右に出る人は居ないだろうと思うのだが、ちょっとキザだなと思う。けど、その軽やかな文体が大勢に人に支持されてるのだし、私も話の世界に没入して追体験をしているような錯覚に陥るのだからやっぱり凄い作家さんなのだなと思うのであった。

 作家になりたいなんてこの年で閃いてももう遅い感があり過ぎる。作家を目指すのも遅いし、読んでる本の量も足りないし、仕事で国語を扱った経験も無い。作家って渋くてカッコいいなぁなんて30過ぎて思っても目指せる高みじゃないのかもしれない。編集や出版社で働くなんてもっと無理な事だと思い知らされた。

 以上

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