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【DX入門】しずおかDXコンソーシアム 第1回ワークショップへ参加しました

4月23日に行われた、しずおかDXコンソーシアム第1回イベント(ワークショップ)へ参加しまして、とても多くの学びがあったのでイベントレポート兼振り返りとして書こうと思います!
(写真は公式サイトからお借りしました)

昨年あたりからトレンドとなっている「DX」へ取り組むための第一歩目として、まずはゴールデンサークル(Why、What、Howを明確化すること)を使って"ありたい姿"を描こう、というワークショップでした。

しずおかDXコンソーシアムとは?

過去にキックオフや発足式にも参加しており、イベントレポートを書いているので、詳細はこちらをご覧いただければ幸いです。

しずおかDXコンソーシアムとは、簡単に言うと、イベント・勉強会を通じてDXに関して実践で活かせる知見を得て、自社への取り組みに活かしてもらうことで、静岡でのDXを推進し、静岡の企業を盛り上げていこう、という場です。

カイゼン・ジャーニー」や「正しいものを正しくつくる」などを出版し、政府CIO補佐官の市谷聡啓さんが代表を務める株式会社レッドジャーニーが運営を支援されています。

※詳細は公式サイト

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DXとは?(おさらいを兼ねて)

経済産業省がガイドラインで定めるDXの定義は

企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること

です。

DXに興味のある方であれば、これまでに何十回と聞いたことのある定義だと思います。そこで、僕も含め、誰もが感じることとしては、「で、結局どういうこと?」「何をすればよいの?」だと思います。

そこでまずは経済産業省がこれまでに公表しているDXレポートの内容を見てみます。

経済産業省では、2018年9月に「DXレポート〜ITシステム「2025年の崖」の克服とDXレポートの本格的な展開〜」、2020年12月に「DXレポート2」を通じて、DXを実現するために必要なことなどを発表しています。

詳細は割愛しまして、、、大雑把にそれぞれのレポート内容をまとめます。

■2018年9月のレポート
古くから使っている既存システムを刷新しないと経済的損失が生まれてしまうので既存システムの刷新方針を立てよ、という内容でした。

■2020年12月のレポート
DXへの取り組みがどの程度行われているかをDX推進指標として数値化したところ、レベル0(何もしていない)とレベル1(一部の部門で散発的に実施)の企業がほとんである、という内容でした。

DXに取り組まないとヤバイよ、という警告が2018年に出されたにも関わらず2020年時点ではほとんどの企業が取り組んでいないという実態が分かったんですね。

ではなぜDXが進まないのかというと、DXは2つの変革を起こすためのものであり、2つの変革を起こすために乗り越えるべきハードルが多く、かつ時間を要するからです。

<2つの変革>
・提供価値の変革(企業が顧客に対して提供する価値)
・組織の変革

では2つの変革を起こすために何が必要でしょうか。

それが「ゴールデンサークル」です。

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※出典:人を動かすマーケティング:ゴールデンサークル理論

「DXをやるぞ!」
「経済産業省が定義しているように競争上の優位性を作るのだ!」
と言うだけでは、当然組織は動きません。そもそも事業をやっている人からすると、競争上の優位性を作る(競合と差別化を図る)のは当たり前です。

人は「何を」ではなく「なぜ」で動くと言われています。

つまり、ゴールデンサークルを描き「なぜやるのか」を明確化することで、組織を動かしていくということです。

これまでのゴールデンサークルを描く

ここまでが前置きでして(長くなってしまいましたが…)、実際にワークショップでは「これまでのゴールデンサークル」と「これからのゴールデンサークル」を描きました。

「これまでのゴールデンサークル」というのは、現在のビジネスモデルを表すだけなので、それほど難しくはありません。

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ここで面白かったのは、ゴールデンサークルを見るだけでその会社のビジネスモデルが良く分かる、ということです。農業用の肥料を製造している会社、ガスを提供している会社など、数名の方が発表されたのですが、Why・How・Whatを聞くだけでビジネスモデルの概要を把握することができました。

まだ書いたことのない方は一度書いてみていただくとよいかもしれません。

これからのゴールデンサークルを描く

難しいのはここからです。
なぜなら「これからのゴールデンサークル」に正解はないからです。

これからどういう姿を目指したいのかを記載します。

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ポイントは、これまでの延長線上で考えるのではなく「当事者の思い=ありたい姿」を反映するということです。

イベント当日は、いくつか実例の紹介もありました。

・エアコンメーカー
空気の状態をデータ化して一次利用・二次利用して新しいビジネスを展開

・水栓金具メーカー
水栓金具の提供に留まらず、部屋全体をリフォームするコンシェルジェのビジネスを展開

・カメラメーカー
カメラから派生して、会議の様子をカメラでおさめて、会議のやり方を改善するコンサルティングのビジネスを展開

このように、過去やってきたことに捉われることなく、ありたい姿を想像します。(上記3つの例は実際に実現した例です)

重要なことは「自分たちは何者なのか」を再定義することです。先の例で言うと、水栓金具メーカーは水栓金具を提供するのはあくまでも手段であり、目的は「居住する人が快適に暮らすこと」です。自分たちは快適に暮らすためのサポートをしているのだ、と再定義することで、リフォームのコンシェルジェという新たなビジネスが生まれています。

自分たちは何者なのかを再定義することで、顧客の定義も変わってきます。水栓金具メーカーの例で言うと、元々は水栓金具を取り替えたいという人が顧客でしたが、リフォームのコンシェルジェでは部屋をリフォームしたいという人が顧客になります。

このように、これまでやってきたことの延長で考えるのではなく、「自分たちは何者で何のために存在するのか(Why)」を中心に考えていきます。

DXにおいて「デジタル」は前提ではない

これからのゴールデンサークルを描き、こちらも数名の方が発表されました。そこで面白いと感じたのは「デジタル」の話しが出てこないことです。

例えば、ある方は「地域住民の方たちがより快適に生活できるように、人同士の繋がりを増やすことをやっていきたい」と発表されていました。ここにはAIやIoTを使う、最新技術を駆使する、といったデジタルの話しは一切登場しません。

「DXへの取り組みなのにデジタルの話しが出てこないなんておかしくないか?」と思われるかもしれません。しかし、これで良いのです。

Whyから考えると「デジタル」の話しは出てこなくて当然です。なぜなら「デジタル」は前提ではなく、人力で出来ないことを乗り越えるための手段だからです。

例えば、人同士の繋がりを増やすためには、どういう家族構成の人が住んでいて、どういう場所に集まりやすいのか、という情報を把握するために人力だけで対応するのは難しいです。そこで、デジタルの力を使えば、IoTセンサーを使って時間帯別に公園にいる人数を自動で把握するといったことが容易にできます。

現状のリソースを考慮すべきか?

このようにデジタルのことは考えず、まずは「これからのゴールデンサークル」を描くというのが、DXへの取り組みの第一歩目です。

ただ、過去の延長線上で考えないとは言え、リソース(人やお金)のことが気になってしまう・・・という方もいると思いますが、リソースについても一旦外して考えることをオススメされていました。

現状のリソースを考えてしまうと、今出来ることに縛られてしまうからです。

ありたい姿の内容にもよりますが、今後「これからのゴールデンサークル」を具体的に落とし込んでいく際に、おのずとリソースの話しに立ち戻らなければいけないタイミングが来るので、今の段階では考えなくてOKです。

このように、現状のリソースも一旦考えず、まずは純粋に「これからのゴールデンサークル」を描いていきます。今回のワークショップではここまで行いました。

次回は具体的な事例を聞きながら、「これからのゴールデンサークル」の内容を落とし込んでいきます。

今後も参加しながら情報発信していきます

しずおかDXコンソーシアムでは、約1年かけて実践できる学びを習得できる勉強会などを行っていきます。

僕も引き続き、学んだことをアウトプットしながら参加していこうと思います!

気になる方はこちらからぜひご参加ください!zoomでも参加できるので、静岡県外の方でも参加できます。


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