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新潟県新潟市|学生証がスマホアプリへ、大幅な業務改善、印刷コストはゼロ

新潟県新潟市にある、NSGカレッジリーグ・FSGカレッジリーグ(専門学校33校)が取り組んだ、スマホを利用した学生証改革の事例です。

総務省のICT地域活性化大賞に選出された事例です。


従来のカード型の学生証を廃止

カード型の学生証を使っていると、学校側としては毎年発行をしなければいけませんし、紛失した場合は個人情報が含まれているため回収するために時間を割かなければならず、再発行もする必要があります。とにかく手間がかかります。

一方、生徒にとってもカードを持ち歩くのは不便です。様々な店舗の会員証やポイントカードなど、たくさんのカードを持っている人が多いためです。

そこでNSGカレッジリーグ・FSGカレッジリーグでは、カード型の学生証を廃止して、スマホアプリで代替しました。新潟に本社を置く株式会社ジェイ・エス・エスが提供している『MyiD』というサービスをベースにした、『がプリ!』を使いました。


身分証をスマホアプリで行う『MyiD』

学生証などの身分証の情報を全てスマホアプリで管理し、表示できるようになります。『MyiD』はクラウドサービスのため、サーバー設置も不要で、すぐに導入することができます。

また、アプリ通知をすることで連絡が確実に届きますし、既読確認やメッセージへの返信という機能まで付いているアプリです。

【アプリの主な機能】
デジタル学生証:学生証を表示する基本機能
プッシュ通知:メールよりも確認率の高い連絡手段
学生手帳:校歌、沿革、校則、校訓などをアプリ内で表示・再生
時間割:アプリから授業科目・教室名・講師名を確認
出席登録:出欠登録を自動化(ビーコン* 利用)
安否確認:災害時の速やかな安否確認機能
学校連絡:学校への通話、及び欠席・遅刻連絡機能
通学証明:鉄道等交通機関の窓口で呈示

最近では、アルビレックス新潟レディースでも導入されていました。


カードの廃止による効果「大幅なコスト削減」「利便性向上」「エコ」

◯大幅なコスト削減
導入効果として、印刷コストは全くかからなくなります。コストはゼロです。さらに、発行・紛失・回収の手続きはクラウドサービス上で全て行うことができるようになったため、手間が大幅に削減されました。

◯利便性向上
学生にとっては、普段から常に持ち歩いているスマホの中に学生証を格納することができるので便利になっていますし、学校からの連絡や通知、出席確認までアプリ内で行えるようになったので、かなり利便性が向上しています。

・出席確認
ビーコンを使用することで、手作業や口頭での出欠確認をしなくても、教室内でアプリにアクセスするだけで出席登録が完了できます。
(残念ながら、代わりに出席確認しておいて、と友達に頼むことはできなくなります・・・)

・コミュニケーション機能
LINEのように、アプリ内で双方のコミュニケーションを取ることができ、既読かどうかまで分かります。そのため、一方的に学校が通知するだけでなく、学生とのコミュニケーションまで出来るようになりました。

・安否確認
再該当が発生した際にはすぐに安否確認を行うこともできます。

◯エコ
元々カードの学生証の素材として利用していたプラスチックや紙を利用しなくなるので、経済的かつ温暖化ガスの排出抑止にも繋がります。
1校だけの取り組みであれば効果は低いかもしれませんが、アプリを導入する学校が増えていけば大きな効果に繋がります。


ポイント

多数の使いやすい機能がアプリについている点はもちろん良い点です。それに加えて、アプリであるということ自体が今回のポイントです。

システムを導入した後は、とにかくシステムを利用してもらわなければ意味がありません。例えば、利用者が普段使っているものと同じようなシステムは使いやすい、といったように利用者にとって使いやすいということが重要です。

今回の事例では、利用者は学生です。となると、企業で使うようなWebブラウザベースのシステムよりも、普段使っているようなアプリの方が学生にとっては使いやすいと想像できます。さらに今回のアプリではLINEの画面に近いコミュニケーション機能まで付いています。

利用者が使いやすいシステムを選ぶ、という点が今回のポイントです。

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