母親の認知症の薬がやばかった
母親は今年80歳の誕生日を迎えました。
晴れて迎えた — と書けないのが寂しい。
というのは母親、すでに脳が萎縮して恍惚の人と化しておりまして。
物忘れの兆候が出はじめたころから、もう数年経つかなあ。それを考えれば、長生きしてくれてよかったとは思う。でも何か複雑ですね。恍惚の人というよりむしろイライラ爆弾って感じですし、この人。
症状が現れはじめたとき、私はあれほど父親と妹に「ストレスを溜めてしまわないように、優しく接してあげてくれ」と言ったのにねえ。
父親と妹が「頭を使わないからこうなったのだから訓練させんといかん」とか言ってイジメ抜いたのです。結果、この有り様ですわ(ぶちぶち)。
残念、海馬の萎縮ってのは老化による経年劣化だ
母親は昔から「がんばって鍛え抜く」タイプではなく、むしろ、私が幼少のころからすぐに泣いてしまう人でした。年老いてから頑張らせるなどという発想は、私にはありませんでした。
母親を引き取って迎え入れれば良かったんじゃないか — その通り。でも私にはできなかったんです。
幼少時から自分の思い通りに私を動かしたい、という人でして。
父親と母親のどちらからも、実家にいたころは少なからぬストレスを受け続けてきました。私をいじめていた2人が仲違いをした、だから片方を引き取るなんて単純な話ではありません。実家から離れて暮らしています。家内はうまくやってくれていましたが、さすがにひとつ屋根の下となると事情はまったうちがうでしょう。
母親のもつ〝老人特有の症状〟
帰省して様子を見に行くとこの人、いまだ50代半ばにもなる私の名を「ちゃん」づけで呼ぶ。実に気恥ずかしいんですけど。一方の父親は私を「オマエ」と呼ぶもので、それもそれでムカつくんですけどね。何なんでしょうね(苦笑)。
私には概してニコニコと接してくれるんですが、それでも年々表情から覇気が失われていくのが手に取るようにわかりました。週末に訪れると父親は競馬に興じる一方、母親はたいてい部屋にひきこもって寝ています。あるいは(痴呆症に典型的な行動なのですが)引き出しを開けては閉め … といった探し物を四六時中やっています。何を探しているんだろう?って思うのですが。
いや、探し物のほうはともかく(まあ四六時中一緒にいる父親にしてみれば、たまったものではないってのも解るのですが)、母親の表情から覇気が失われていくことのほうがどうも気になっておりました。
感情失禁を起こしやすいところがありますので、冒頭にも書いたとおり恍惚の人っていうよりは爆弾。私自身は当初は、物忘れよりも感情失禁のほうがヤバいだろってことに気づいておりました。父親は聞く耳をもたなかったし、いまもそれに関しては「わしにはお前の言うことが分からん」と言って憚らないので諦めています。
なによりDNAのなせるわざで、私の視床下部あたりのパーツは母親譲り。なんとなくではあるんですが、母親の胸の内のザワザワみたいなものが私の頭の中でも共鳴してイライラが流れ込んでくるようなところがある。不思議なものです。
最初のうち母親の不調は、軽度の統合失調症だろうと思っていました。当初は、私がときどきお世話になっていた漢方(市販されている抑肝散という薬)をすすめていました。私自身も少々(?)癇癪持ちだったりしますので。
私があまり知らない白い錠剤を飲んでおりました。で、母親がすごーくそれを服用するのをためらう。すると父親が「飲まんかい!」と怒鳴りつける。で、母親はしぶしぶ薬を父親の目の前で飲む。
母親の薬を試しにのんでみた
ラクになるために薬を飲んでいるはずなのに、そうやって無理やり薬を服用させられたあとに寝込んでしまうことが多いように感じたのです。
これやばくねえか?!
昨年のいつだったかは忘れたのですが、母親の飲み忘れた薬を私はこっそりポケットに入れて持ち帰ってみたのです。
ネットで調べたら、その小さな白い錠剤は統合失調症の薬だとわかりました。1日1錠から数錠ほど服用する薬だといいます。用量は1錠からはじめて症状に応じて徐々に増やしていくと。
気になったんですよね。ためしにこの薬を1錠服用してみたのです。
すると…まあキツイ薬でした。私にこれほどキツイ薬なんだったら、まちがいなく母親にもキツイにちがいありません。いやあ、それにしてもきつかった。元気も気力もなくなって、丸二日ほど床に臥せて過ごさずにいられない薬でした。
最初これを経験したとき、即刻父親に電話してこの薬をやめさせようと思ったものですが … なにか虫の知らせがあったのか思いとどまりました。というか、この薬が切れるまで元気がなくなりすぎて、電話すらできなかったというのが実際のところ。
メンクリで聞いてみた
ちょうどその数日後、私のほうの薬が切れてしまったのでクリニックに行きました。ふだん若干の向精神薬(不安障害やパニック発作などで処方される、ソラナックスというわりと有名な薬)を頓服で飲んでおります。その診療のおり、ふと思い出して先生に尋ねてみたんです。
そのとき衝撃なことを言われまして。
徘徊してしまう人には、そういう薬を意図的に出す
・・・・(絶句)
すごく納得してしまったのですけど、いや恐ろしいフェイズに入ったなあと。
あのとき父親に電話しなくてよかった。というか、父親も(診察のあるときに付き添っている)妹も実は知ってるのかもなとさえ思うのです。
いや実は、あとになってそれとなく父親に訊いてみたのです。
「いまは薬を半分に割って服用させているから心配ない」と。あまり立ち入るなという圧を感じたので、それ以上はやめておきました。ただ、同じ日か別の日だか父親が,ニヤリとしながら服用している糖尿病(父親はインシュリンを自ら注射で打つフェイズ)の薬を差し出して
「おまえも飲んでみないか」と。いわく「わしのツラさがわかるやろ」と。
毒です! この人、毒です!
実家がらみで、私が調子を崩したのとほぼ同じタイミングで次々と奇怪な現象が起こっております。あまりオカルトなことは言いたくないのですが、現在の私のメンタルコンディションってまるで毒母・毒父から電波でコントールされてるかのようでさえあります。毒親問題はともかく、洗脳までは私とは縁遠いことかと思っておりましたが … わりと不思議な物事に巻き込まれます。
父親と母親と私のうち、ひょっとすると私がいちばん最初に死ぬかもしれないというヘンテコな思念がときどき頭をもたげます。今朝も夜が明けるまで眠れなかったのですが、私は自分自身に懸命に「死ぬな、いま死んだらもったいない、元とってから死ね」と言い聞かせておりました(笑)。大丈夫です。ボクは死にましぇん。
お目汚しすみませんm(_ _)m。
ヘンテコな話に、お付き合いくださいましてありがとうございました。
それでは、また。
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