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昭和のプロ野球とおっちゃん (ごほうびつき)

昭和人の男子(現おっちゃん&じいちゃん)はチームプレーがとても好き … と書きかけて、ちょっと待てよというふうになった。チームプレーってよりカリスマが好きなだけなんじゃないの? そうだ。カリスマが牽引してチームが常勝するという、その図式こそが大好物。
かつての巨人軍にはV9 — 1965年〜73年の9年連続で日本シリーズ制覇 — という時代があったという。中盤までは私の生前の話だ。その場面でのカリスマはON(オーエヌ:さんと長嶋さん)だ。

巨人・大鵬・卵焼きという言葉がある。卵焼きはまあ横へ置いとくとして、巨人も大鵬も常勝を期待された。強いものが当たり前のように勝つのを見て歓喜する図式がなぜか好きな、私の親世代。
カリスマが仕事をしてチームを常勝させる図式が大好物。
そして失敗をディスることも大好物。いまだにそうじゃないか、団塊さんたち。

けんかを売ってるわけではございません  ^^; 

プロ野球ってふつうに好きだったけどなあ


現在の私は、野球はほとんど見ない。

子供のころは、父親のテレビでのナイター観戦にさんざ付き合わされた。最初はこれっぽちも楽しくなかったのだけど、中学3年生あたりからすごく楽しくなってきた。学校の友人が大の阪神ファンだったので、おたがいに前日の戦績を巡っていじり合ったものだ。

父親の好みはONだったり、松井秀喜選手だったり。ただ投手に関しては、果たして誰が好きなのかいまひとつわからなかった。案外この人にとってピッチャーなんかどうでもよくて、ひたすらホームランバッターが大好きだったのではないか。

父親の付き添いで観戦していたから、私が肩入れするチームは巨人の一択だった。
個人的に好きだったのは川相昌弘選手。当時はショートのポジションを岡崎選手や鴻野選手、さらには勝呂選手と争うことになり、最終的には「バントの名手」という称号とともに見事にポジションを勝ち取った。父親はたぶんカリスマが好きだと言って欲しかったのだろうけれど。川相選手が好きと告げたとき「しょーもな」って言われた気がする(すごく失礼な話です)。

伝説の死闘 「10・19」  
近鉄×ロッテ戦を知っているか?


野球熱が最高潮に達したのは、
大学に入って両親のもとを離れたあとに見届けた伝説の「10・19だ。
1988年10月19日の川崎球場で、西武との優勝をかけた近鉄バファローズとロッテとの間でおこなわれたダブルヘッダー。当時の近鉄には、ラルフ・ブライアントというホームランバッターと阿波野秀幸というエース、そして吉井理人という守護神がいた。神がかり的なことが何度かつづいたが、残念ながらバファローズは涙を飲んだ。

いまは消滅してしまった近鉄という球団の面白かったところは、突出したカリスマが…というよりは、巨人と比べると圧倒的に〝全員野球〟という雰囲気があったところかな。大石選手や新井選手の名前はもちろん、巨人からきた淡口選手、梨田捕手・山下捕手、鈴木貴久選手、投手では加藤哲郎投手、高柳投手 … どの方の名前もすごく懐かしく感じた。オグリビーという助っ人もいたよなあ。

オグリビーが自分のミスで試合に敗けて落ち込んでいたところ、金村義明や村上隆行などといったチームメイトに風呂に投げ込まれ、お湯を掛け合うなどしてはしゃぎ、励まされた。「メジャー時代でも白人と黒人が一緒にお風呂に入る事など無かったのに」と言い感激していた。またその際、あまりの嬉しさに浴槽の中で泳いでいたという。

Wikipedia  ベン・オグリビー より引用

昭和のチームメイトっていいなあ。ちょっと胸熱だ。
勝手にこういう「戦士たちの友情」を妄想することも、またプロ野球ファンとしての醍醐味のひとつだ。

あ、これ余談ですけど、金村選手の1軍デビュー戦を日生球場で生で観戦してます。自慢していいですか? たしか一度エラーしてヤジが飛び交ってた(笑)。当時こそ3枚目っぽく見えたけど、みごと一流選手になりましたからして。

そこにヒエラルキーが透けて見えるとシラけるが


もちろん監督の指揮のもと、選手のひとりひとりはさまざまな役割を背負う。ヒーローもいて、縁の下の力持ちもいて、脚光を浴びる者もおれば埋もれてしまう者もいる。ヒーローインタビューのお立ち台に呼ばれた選手が、私が思っていた選手ではなく、華のある別の選手だったというケースをいくらでも見た。

数字がすべてってふうに言われると、有無を言わせてもらえないところがある。
ひとりひとりの年棒もまったく異なるわけだ。全員野球に見えたとしても、実際には本当の〝全員〟野球なんかではない。先輩後輩、あるいは成績や年棒もろもろの複雑なヒエラルキーが存在する。

思えば、プロ野球こそが社会の縮図ではあった。
だからこそ私も含めた世の男たるもの、プロ野球に夢中になったのではないか。

社会に出て、野球の話が酒のいい肴(さかな)になった場面はあったはずだけど、名古屋住みの私がいまのドラゴンズの話をほとんど披露できそうにもないのはちょっと勿体ないかも。

お気に入りの球団・選手を「アバター」にする楽しみ方

アバターとは、デジタル空間におけるユーザーの代理となるキャラクターやアイコンのことである。インターネット上のコミュニケーションやゲーム、仮想現実(VR)などで使用され、ユーザー自身の存在を象徴し、他のユーザーとの交流を可能にする。アバターは、ユーザーの性格や好み、アイデンティティを表現する手段ともなり、自由にカスタマイズできるものが多い。

実用日本語表現辞典 https://www.weblio.jp/content/アバター  より引用


プロ野球の楽しみ方というのはどういうものか。

もちろん球種とかのウンチクをお持ちの方もいるだろう。むかし野球少年だったという人であれば、私のようなシロウトがまったく知らない視点でナイター観戦をしていたりするのかもしれない。あるいは球場に足を運び、臨場感を楽しむことが好きな人もいるだろう。私は…スタンドで観戦しながらビール飲むのは好きなのだけど、ファウルをよける自信がないので実は球場観戦はちょっと苦手なのだ。

純粋にプレーを鑑賞するというよりは、おそらく前述したような感じで、ひいきのチームの勝敗をめぐって、友人同士でおたがいいじり合うような楽しみ方がいまなお主流なのではないだろうか。コミュニケーションが潤う。親睦のきっかけにもなる。こういう楽しみ方は、昭和からのいい知恵なのだと思っている。

いってみれば、ひいきの球団というのは、その人その人の個性・出身地などを反映したアバターなのだ。そういうコミュニケーションを楽しむ人は、昭和世代を中心としていまなお多いと思う。


ほら、この方たちだってそうじゃないですか 



ヘッドフォンを使用して聴かれますことをおすすめします。
パフォーマーたちもすごいし、音響技術者のお仕事(ミキシング)もすごい。
これぞ耳へのごほうび🎵

リストラーズ公式HP( https://restrers.com/activity-indicator/  )より

いやあ … 今回は付録ってふうにして本当にごめんなさいですぅ。

ナウでヤングでイケイケな、昭和歌謡アカペラグループ・リストラーズさん。
彼らの活動指標は、なぜか洗練された歌とは関係のないプロ野球優勝チーム予想。この予想を的中させたメンバーに、YouTube上で披露する昭和アカペラソングの選択権が与えられることになっているらしい(間違えていたらごめんなさい)。

で、彼らが何者か諸々に関しては、私の過去記事などでも取り上げております。今回はそちらのリンクのほうに投げてしまいます。もしお時間がよろしければ覗いてみてください。

もしご存知ないというおっしゃる方は、とにかく YouTube 上に置かれている洗練されたアカペラ動画をご覧いただきたい。初見でこそ笑いが出ますが、そのうち彼らのプロフェッショナルすぎるパフォーマンスに取り憑かれます。


役所のおじさん方が美声で歌ってくれそうな錯覚に襲われたり、おじさんが突然に
乙女に見えてしまったり — などといった奇怪な症状が現れたら、そんな貴方はもはやカタギの人なんかではありません。ようこそ(笑)。

ハマの番長、守護神佐々木、ギャオス内藤、パンチ佐藤
篠塚中畑、怪物江川西本聖亀山努  … (敬称略すみません)
これらの方々の名を知る世代の音楽好きであれば、きっと気に入っていただけるものと確信いたしております。

ありがとうございました。それでは、また。

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