【音づくり解説④】歪み編Ⅲ
こんしるべ。
前回に引き続き歪み編Ⅲです。
予告通り、今回は個人的な話多めになります。
暇人以外ブラウザバック!
○所有エフェクター(過去含む)
私がこれまで所有し使ってきた歪みエフェクターを解説します。
既に売却済みのものも含め思い出せる限り書き出してみました。
思い出とともに振り返ります。
これまでの音づくり解説記事の言い回しを多用するのでご覧になってない方は先にそちらをご覧になった方がいいかも。
・Carl Martin "Plexitone"(売却済)
大学二年生の時、初めて買った歪みペダル。
ギタリストの友達が激推ししてたのと、津田沼の楽器店に中古が安く転がってたので勢いで購入。
(ちなみにその友達は現在こちらのバンドで活躍中。すごい。)
今思えば僕の苦手なディストーションペダルの類ですが、これはDriveのツマミを~9時までで制御すれば割といい感じの歪みとして使えます。
それ以降は僕の苦手なディストーション感強め。
でも目が細かい、上質なディストーションだと思います。
"Plexi"の名前の通り、マーシャル系のいい歪みです。
メインの歪みとしてDrive8~9時くらいで使ったり、途中からはDriveを全く上げず歪みゼロのままToneとLevelだけいじってトレブル(高域)ブースターとして使いました。
最終的には気に入っていた8~9時の部分でDriveツマミが故障してしまい、全く歪まないか歪みすぎるかの二択になってしまったため、ジャンク品として泣く泣くメルカリ出品。
正常作動品が安く手に入れば買い戻したいですね。
ローゲインバージョンもあるみたいで、僕にはそっちの方が良いかも。
・Mosky "golden horse"
大学二年生の時、二番目に買ったペダル。
"Plexitone"がディストーションだったので「オーバードライブしたい!もうちょっと弱い歪みが欲しい!」と思い購入。
ケンタウルス系の激安ペダル。
しかし音はきちんとケンタウルス系でいい音がする。
単体でオーバードライブとして使うにはモコモコしすぎな感じで最初はあまり好きじゃなかった。
ただ、途中からGAINゼロでTONE上げてトレブルブースターとして使ったりして徐々に活躍。
後々、エフェクターボードの一番先頭に置いてつけっぱなしにし、クリーンの時の音作りの全権を担わせたりしています。(クリーンの時の①②操作、歪みの時は①の構成要素の一つ)
cabsコピーした時は、
楽器→sobbat DB-1(後述)→コイツ→空間系→アンプ
にしてコイツをつけっぱなしにし、コイツのクリーントーンを前段の歪みでブーストしてデフォルトのサウンドを構成していました。
(クリーンの時は①②操作、歪みの時も①の最後段としてキャラクターを担いつつ②を握りしめる、音作りの核。)
僕のギターの音の要素の15%くらいはコイツでできてるかも知れません。
未だに現役バリバリのペダルです。
2,500円、おそるべし。
・BOSS "Blues Driver"(売却済)
お次は定番ブルースドライバー!
やっぱギター弾くなら持っておきたいよね。
…というのもあるんですが、実は他にも目的が。
ベース歪ませたかったんですよね。
ギターにもベースにも使える歪み欲しいなーと思って購入。
ただ、ベースに使うと1.7~2.5くらいの帯域が削れてバンドサウンド内の存在感が薄くなっちゃうのと、ギターに使っても何となく特徴的なドンシャリだけが出て、他の帯域がショボめになる感じがしちゃったのであんまりハマらなかったんですよね。
ということで購入後2か月くらいで透に格安で売却。
今も彼のもとで元気に活躍中です。
・Donner "tube drive"(売却済)
ブルースドライバー売却直前、「ブルースドライバーって微妙じゃね?」と思っていたところ、「技craft」なるものがあると知り、「試してみたいけどまた微妙だったら出費痛いしな…」と考えていたちょうどその時。
アマゾンの怪しげな青色の小さい中国製エフェクターのレビューにこんな文言が。
「ブルースドライバーっぽいですが、どちらかというと技クラフトの方のコピー品のように感じました。」
おお、これは買うしかない。
ということで買いましたパチモン。tube drive。
名前的にTS系やないん?というツッコミは不要。
実際に鳴らしてみると…
これがびっくり、ブルースドライバーより幅広い帯域が活きてる感じがする…!
その上きちんと特徴としてはBD系の感じだ…!
ということで、こいつ、かなりの回数僕のエフェクターボードで大活躍しました。
個人的にはクランチ(オーバードライブ一歩手前の弾き方によっては歪む、くらいの歪み量)で使うのがハマりました。
エルレの静かめなところ(アルペジオ)とかコイツに頼りきりでしたね。
ただ、一瞬コピーするバンドの兼ね合いでボードから外れた時期がありまして。
その際かざしに貸したら結構気に入ってくれたみたいで、そのまま格安の2,000円で売っちゃいました。
先輩としての見栄ってやつです。
なんだかんだその後壊れちゃったみたいでした。残念。
でもコイツ、3,500円にしてはいい人生を歩んだんじゃないですかね。
機会があればまた手元に欲しいペダルです。
・Donner "blues drive"(売却済)
前述のtube driveを売った3週間後くらいに「やっぱ手元に欲しい!」となってメルカリを漁っていると、同じメーカーでちょうどそれっぽいエフェクターの姿が…!
しかもちょうど前任の売却価格と同じ2,000円!買うしかない!
…と思ったら全然違うエフェクターでした。その名もblues drive。
こっちのサウンドはTS系でした。
多分商品名間違えてると思います。サウンドと名前が逆。ややこしい。
さすが中華クオリティ。
で、TS系苦手民としてはコイツの活躍の場はなかった。
…と言いたいところなんですが、意外な就職先がありました。
エレキバイオリンのボードです。
歪み編Ⅰで話した通り、バイオリンは音の伸びとか太さとか基本的に備わっているので歪ませる必要はないんですが、エレキバイオリンのいるバンドの曲だと歪ませてることがちょいちょいあるんですよね。
なので、それと似たサウンド出したい時とか、そういうバンドのコピーする時に歪みが欲しいわけです。
ただ、音の芯がなくなるのは嫌なので必然的に原音が混ざるTS系がいいなと。
そうして一時活躍の場を与えられたコイツでしたが、結局他に好みのTS系(Plumes。後述します)を手にしてしまったため、メルカリに出品しました。
もちろん、思い出の価格2,000円で、です。
・Levol "navy blue overdrive"
前述のtube driveよくよく調べると廃版?生産終了?みたいで新品が手に入らない状況のようです。
ということでBD系が手元になく悶々としていたところに朗報が。
ブルースドライバーっぽい音のする格安エフェクターがあると。
「これは買うしかない!」と思い即ポチリました。価格4,500円くらい。
新品にしては格安です。
これが弾いてみるとすごかった。
確かにBD系の音はする。ドンシャリのぐしゃっとした感じ。
しかし、中域が全然死んでいない。むしろ旨味成分すら感じる。
このバランス、おそるべし…!
てなわけでコイツは未だ現役です。
米津のコピーする時とかは必須レベル。メイン張ってます。
その他ロキノン系のバンドをコピーする時とかは積極的に使いたいですね。
あとは歪みの①のキャラクター作りで複雑な音にしたい時とか。
クリーンだけど若干歪んだざらざらっとした音が欲しいときとか。
めちゃくちゃ優秀なペダルです。
・ハンドメイド "friedman be-od クローン"(売却済)
※ハンドメイドのため公式画像なし
メルカリで4,500円で購入
僕が暇つぶしに津田沼の楽器ショップに行った時の話。
なんとたまたま同い年のバンドマンでギターボーカルやってる友人がバイトしてました。びっくり。
そんな彼は今は某バンドでギターボーカルをしています。憧れちゃうね。
その時に色々雑談をしたのは結構印象深い思い出です。
前回のイコライザーとtoneのツマミの違いとかその時教わりました。
そしてその時、売れ筋のプリアンプペダルとして紹介されたのがfriedmanのbe-od。
ただ、ちょっと貧乏国立大学生の当時の僕には手が届かなかった。
しかし、このイコライザーの自由度、Tightという不思議なツマミ、内部トリマーで歪みの量を変えられるというカスタマイズ性。
どれをとっても魅力的だった。
うーん、とうなりながらメルカリをサーフィンしていると、なんとbe-odのクローンなるものがあるではないか。
元々上述の通り中華性のパチモンクローンペダルには抵抗のない私。
ここはさらに踏み込んでハンドメイドに手を出してみるか…!
ということで、ハンドメイドのさらにUSEDとして4,500円で購入。
実際使ってみると、確かに音作りの幅はめちゃくちゃ広い!
ただ、ディストーションペダルということで、どんな音作りをしても、歪みを増やすととあんま違いがわからない、というか歪ませたら何がいい音なのかもいまいちピンとこない。
この辺から僕のハイゲイン系ペダルへの苦手意識は強まったように思います。
まあただ単に僕がハイゲイン系使っていい音作れないってだけかもなんですけどね。
そういうわけで、僕のコイツの運用は内部トリマーは一番歪まない設定で、かつGainツマミも10時以降にすることはほとんどありませんでした。
でもそのくらい、オーバードライブくらいのセッティングだとめちゃくちゃ音作りの幅が広い。オーソドックスにいけばこれ以外の歪み要らんくね?ってくらい。
ジャキジャキの高音域系も、ズンズンいう低音域系もこれ一台でおさえられる。最強のコスパです。
大学時代は歪み系の音作りはコイツに一任してました。
コイツがギターのボードから外れることは基本なかったように思います。
ただ、だんだんキャラクターとしてもの足りなくなってきた、というか。
そもそもハイゲイン系として定評のあるペダルで、僕みたいにオーバードライブ、ローゲイン程度の歪み量で使うとあんまり特色や個性が出てこないんですよね。
そんな感じで後々色々なペダルを買って試していった結果、コイツの出番は徐々に少なくなっていき、最終的にメルカリへと放流しました。
・sobbat "DB-1"
エフェクターを個別で買うようになってからちょいちょいメルカリを見るようになっていったのですが、その中でよく出品されている、見た目が気になるエフェクターがあったんです。
それがsobbat DBシリーズ。
ナギナタをもった女の子(?)の平成初期感漂うイラストが特徴的で、見た目だけですが気になっていました。
そしてよくよく見ると、イラストの色が違ったり、ペダルのサイズが違ったり…
どうやらDB-1、DB-2、DB-3とあるみたいだ、と。
そしてサウンドをyoutubeで聴いてみると、第一印象としては「結構ローファイな感じなんだなー、音抜け悪そう」という感想。
あんまりサウンド面には魅かれませんでした。
しかし、月日が流れていくにつれて私の音楽の趣向が変わっていきます。
かつてはハイファイでモダンな音であれば素晴らしい!
ピックアップはP-90のクリアな感じとかハムバッカーの濃い感じがいい!
と思っていたのですが、徐々に趣向がオルタナ少年化していきます。
テレキャスター最強!ジャキジャキ言わせとけ!
ジャズマスター最高!!メインの歪みはram's headだ!!
どんなに扱いにくい音でもかっこよけりゃええのよ
J MASCIS最強!
という段階に至り、ローファイで、ファズとディストーションの中間くらいのサウンドが欲しくなってきたところで、改めてDBシリーズの音を聞くと、
これは素晴らしい…!!
特に、ファズっぽい音に魅力を感じてた時期だったこともあり、DB-1、すばらという感じでした。
で、改めてメルカリを巡回しているとDB-1の文字が!
しかも、イラストの塗装がすべてはがれて無骨な銀色のみの見た目のペダルの画像だけがそこにあり、価格は驚きの4,000円。買うしかない!
ということで購入。
運用としてはメインの歪みというより、前段の方に配置して後段の歪みをブースト+歪み量をプラスして深い歪み化するような運用が多いです。
ハイがあんまり出せないので歪み系の最後段には向かない感じがしています。ギターっぽく浮いてこない感じ。
逆に、3.2~5.5くらいの帯域はかなり特徴的に出るので、これを踏んで「ミドルの厚みが足りない」という事態はほぼないです。
キャラクターとしてもかなり独自性が強い感じで、ファズの潰れた感じが30%くらい感じられるのでオルタナキッズ大満足です。
cabsやエルレのコピーの際は後段の歪み量強化として使い、米津コピーの際はミッドブースターとして使いました。
個人的にはめちゃくちゃ気に入ってます。
DB-2やDB-3も試したいなあ。
・VOX "valvenergy copperhead drive"
やっぱエフェクター沼にハマると当然youtubeとかでもその関連の動画を漁ることになるわけですが…
僕も例に漏れず音作りの動画を色々見てました。
その時出会ったのがこの動画。
そこで純情な僕は、彼の言うことを真に受け、
「歪みペダルは原則ショボいんだ!」
「アンプのペダルが最高なんだ!」
と信じ込んでしまったんですね。
今考えると、ぶっちゃけ僕はアンプの歪みそんなに好きじゃないし、ペダルの歪みの方が好きなので、この方とは全然意見が合わないわけなんですが…
(この人が自分のギターで音出してる動画ありましたが、僕的には全然好みの音じゃなかったです。マジで趣味趣向ってあるんですね。)
しかし、彼の信者になりかけてた僕は、この動画を真に受け、真空管っぽい音がすると話題のNu:tubeという機構を搭載しているVOXのvalvenergyというシリーズに注目。
20,000円くらいで購入でき、音も良い、とのこと。
そして中でも歪みの定番マーシャルをモデリングしたとされるcopperhead driveを選んで購入した、というわけです。
マーシャルの歪みは間違いない。ジャンルも選びませんからね。
同シリーズの他モデルは若干ジャンルを選ぶ感じがあったので、消去法でこちらを選択しました。
現在、コイツは僕の歪みの最後段で音の真空管化をしてくれつつ、常につけっぱなしにして、クリーンの全権を握っていたり、歪みの最後段で前段の歪みを受け入れたりするペダルとして大活躍中です。
しかしぶっちゃけ、最前段にgolden horseをつけっぱなしで置いていた時とあまり音は変わらない感じはします。
が、やはりtoneツマミのみだったgolden horseよりも、bass、middle、treble、tightスイッチなど選択肢が多いため、その点は優位があるかなと思ます。
あとマーシャルのモデルということで、ハイが出がちなのでmiddleをめっっっちゃ上げ目にして使うことがおおいです。2時より前にすることはほぼないですね。
今後もこいつは常につけっぱなしで順当に活躍するものと思われます。
・earth quaker devices "plumes"
エフェクターについて興味を持ち色々調べていく中で、ひときわ興味をそそられたペダルメーカーがありました。
その名はearth quaker devices。
公式の販促動画の音源とかデモ演奏がめちゃくちゃ好みなんですよね。
基本的にエフェクターの試奏動画って、ブルース系か速弾き系か王道J-ROCK系かネオソウル系とか多くて。
僕みたいなオルタナティブ・シューゲイザー・ポストロック・エレクトロニカ・フォークトロニカ・マスロックとかが好きな層にあんまり刺さらないのが多い感じがする。
それなので試奏動画でいい感じに聞こえても、実際自分のジャンル的に相性が微妙だったりとかするわけです。
ただ、earth quaker devices、通称eqdはその点、かなり好みの演奏で使用されていることが多く、それだけでも「使ってみたい!」という気持ちにさせてくれる。
また、デザインも他のエフェクターにあまりないポップさ・かわいさとスタイリッシュさが両立していて所有欲求をくすぐる感じがします。
現に、僕は現在eqdのペダルを4個所有しています。
これは僕の所有してるメーカーとしては、BOSSとならんで同率1位です。
そしてこのplumes、歪みとして異常なほど汎用性が高いです。
モードが3つ選択でき、1つは扱いやすいTS系、もう1つはさらっとしたトランスペアレント系、最後が若干ファズ系のつぶれた感じのする歪み、ということで自由に選択できます。
また、eqdの特徴でもあるのですが、こちらベースやシンセサイザーなど他の電子楽器にも利用できます。
コイツをベースに使うと絶妙にパワーとエッジのある歪みになってくれてとてもかっこいい雰囲気が出ます。
現在は、僕のギターペダルのブースターとして使用しています。
さっきのvalvenergyより前段につけて、歪みや音量を強調したい際に踏んだりしています。
めっちゃいい音するので今後の活躍に期待が持てますね。
次回予告
本来はこの後、私が所有している(していた)ファズ部門とベース用の歪み部門で同じようにくたくたと書こうと思ったのですが、今回もかなりボリューミーになってしまいましたので、また別の機会にまとめようかと思います。
よろしくお願いいたします。
次回はついに空間系編です
ではでは。おつしるべ~~~
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