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【感想】部長って何だ!

自分も一応肩書は部長なので読んでみた。世の中課長本は多いけど、部長の本ってあまりない気がする。それだけ部長まで出世する人が少ないのか?部長の絶対数が当然課長より少ないから市場が小さいのか。課長までいった人なら部長になってもそのままの勢いで成果が出るから需要がないのか。。

元伊藤忠の社長で中国特命全権大使も務めた丹羽さんの本。テレビとかにもよく出ていたので読んでみた。

が、しかし、めっちゃ昭和な話でビビる。前半は伊藤忠商事の若い時代の武勇伝。昭和のモーレツ社員エピソード。後半は滅私奉公で私頑張りました的な話。

部下を安い焼き鳥屋でもいいから連れて行っておごれとか。田中角栄が周囲の人の家庭事情まで詳細に把握していて、人心掌握してたとか。今時の若者って偉い人と飲みに行かないし、家庭事情まで会社の人が知っていたらプライバシーの侵害だし。。働き方改革やコロナ禍の中でのリモートワーク否定。。

唯一なるほどなーと思ったのは伊藤忠の駐NY時代に大豆を扱っていて、自分でせっせと独自のマーケット情報を発信していた事。インターネット、ブログ、SNSとかもない時代で現地からの生の情報は貴重な情報で重宝され知名度の向上にも役立ったと。今の時代のアウトプット志向にも通ずる所はあるかな。

部長なので責任があるとか、人材育成とか、誠実さとか、長期経営企画に携わるとか、まぁそうだよねと思えるところもあるにはあった。

が、しかし、結局はこの一言に尽きる

生活を重視してできる仕事は所詮その程度だということです。本書のテーマに沿って言えば「仕事か生活か」という発想からは、まともな部長は生まれません。あるいは仕事をする充実感もおもしろさも味わえません。仕事は生活、仕事は人生だからです。

ワークライフバランス全否定です。。あまりにドライで残業全くしません、会社はあくまで生活の糧を得る手段なだけですって姿勢はどうかと思うけど、昭和的な仕事一筋ってのもどうなのかな。。丹羽さんくらいのレベルになるとそれくらい当たり前で、そうでもしないと年収1億超えないのかもしれないけど、そういう人極々一部だし、目指したい人そんなに多くないしね。。

こういう戦前、戦後直後生まれの昭和な情熱を持った人はどんどん減っていくので、今後の日本社会はどうなっていくかですね。

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