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【1972年レコード】32)Chick Corea : return to forever


■データ

・リリース : 1972/07
・レーベル : ECM/ポリドール
・プロデュース : マンフレッド・アイヒャー
・チャート : N/A
・スタジオ : A&Rスタジオ(N.Y)
・所有ver : MP 2273(JAPAN Polydor)

■トラック・リスト

[SIDE-1]
1. リターン・トゥ・フォー・エヴァー
2. クリスタル・サイエンス
3. ホワット・ゲイム・シャル・ウィ・プレイ・トゥデイ

[SIDE-2]
4. サム・タイム -ラ・フィェスタ-

■メンバー

・チック・コリア (エレクトリックピアノ)
・ジョー・ファレル (ピッコロ/フルート/ソプラノ・サックス)
・スタンリー・クラーク(ベース)
・アイアート・モレイラ (ドラム)
・フローラ・プリム(ボーカル/パーカッション)

■LINK

Discogs
Wikipedia

■メモ

  • ドイツの独立系レーベル ECMからリリースされたアルバム。ECMでは4枚目の作品(配給はポリドール)。

  • プロデュースはECMの創設者 マンフレッド・アイヒャー。

  • チック・コリアのソロ名義でリリースされているが、アルバムタイトルがのちにグループ名となる為、実質リターン・トゥ・フォー・エヴァーのデビューアルバムにあたる。

  • 積極的に電子楽器を取り入れた本作がドイツのECMでリリースされているのは、当時のヨーロッパは前衛的な電子音楽の最前線(72年ならCAN、クラフトワークなど)であった事を考えると興味深い。

  • ECMの音作りのコンセプトとして"The Most Beautiful Sound Next To Silence"(「沈黙の次に美しい音」)が挙げられる。美しいジャケットデザインも評価が高い。

  • ジャケットの鳥はカツオドリ。羽を大きく広げてグライダーの様に水際を滑空する姿は本作のイメージにピッタリと思う。

  • リターン・トゥ・フォーエヴァーは”永遠への回帰”、"自然への回帰"を意味する。二人のブラジル人(モレイラ、プリム夫妻)を配しラテンの要素を加えジョー・ファレルのフルート、ピッコロが中南米の伸びやかな空と山と海を想起させる。

  • トレーンらがフリー・ジャズでJAZZをリビルドした後、70年代はマイルス・デイヴィスが「ビッチェズ・ブリュー」でフュージョンを確立したところから始まる。1972年はJAZZがファンクもロックも取り込んだ年で、どこもかしこも大騒ぎ。アーチー・シェップの「アッティカ・ブルース」はオープニングからそのままファンク/ソウルだし、クルセイダースはグループ名から”ジャズ”の冠を取ってしまった。マイルス・デイヴィスは快作「オン・ザ・コーナー」を発表して物議を醸している中で、70年71年とサークルでどっぷり前衛的な世界に浸かっていたチック・コリアが一転ともすれば「牧歌的」と評される真逆な”とっても優しい”本作を出したのが面白い。しかしながら「リターン・トゥ・フォー・エヴァー」も良く聴いてみると、全曲エレクトリック・ピアノで、時折差し込まれるプリムの透明過ぎる歌声がちょっと不思議な気持ちと言うか、この南米感て綺麗な景色だけじゃなくて、純粋さやピンと張りつめた自然ゆえの狂気‥的な雰囲気も醸し出していると感じる。

  • スタン・ゲッツのアルバム「キャプテン・マーベル」のオープニングは、リターン・トゥ・フォー・エヴァーをバックに「ラ・フィェスタ」が収録されている。

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