依存の正体
ベンゾジアゼピンは脳を変える
依存の元凶は脳の構造的変化
ベンゾジアゼピン系薬剤を長期連用すると、脳が構造的・機能的変化を起こし、依存・耐性が形成されます。アシュトン・マニュアルによると、2~4週間以上の使用で依存・耐性が形成される可能性があります。
構造的・機能的変化とは、GABA受容体の減少と、それに伴う自律神経系の抑制機能の低下です。脳の自律神経系の機能低下をベンゾジアゼピンが支えているため、薬を止めると自律神経が暴走(過興奮)し、離脱症状を引き起こします。
つまり、ベンゾジアゼピン依存の元凶は「脳の構造的変化」にあり、「薬を体内から抜いたら終わり」ではなく、「脳の変化を元に戻す」ことが依存から抜け出す鍵となります。
月単位・年単位でベンゾジアゼピンを服用した場合、脳の変化の回復も月単位・年単位かかります。「長い時間かけて変化したものを、長い時間かけて元に戻す」という観点から、ゆっくり時間をかけて少しずつ減薬し、受容体への薬の干渉を排除し、受容体の回復つまり「脳の回復」を促していく手法が合理的だと思われます。
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