キノロン系以外の抗生物質の調査結果
キノロン系及びそれ以外でベンゾジアゼピンの結合を外して離脱症状を悪化させる可能性のある抗生物質
アシュトン・マニュアルより
■キノロン系の抗生物質
ツイッターで2名の方が、実際に体調が悪化した抗生物質
■マクロライド系 クラリスロマイシン
ブログの常連さんが低体温・呼吸困難・目眩などを起こした抗生物質
■セフェム系 フロモックス
伝聞情報を確かめるために更に調べました。
ニューキノロン『ウィキペディア(Wikipedia)』
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%AD%E3%83%8E%E3%83%AD%E3%83%B3
上記、ウィキペディアを見ると、キノロン系については副作用に
「GABA受容体拮抗作用」
の記述があります。
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GABAA受容体結合阻害作用が示唆される。
50%阻害濃度(IC50)は、ノルフロキサシンが14µMで、インドメタシン(10mM)との併用時は0.19µMである[5]。
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今まで、アシュトン・マニュアルしか見たことのない情報が
ウィキペディアにも掲載されている一般的な情報だったと知って驚きました。
キノロン系接種による害はこの作用が原因であると思われます。
更に調べると
、
日本化学療法学会雑誌
http://www.chemotherapy.or.jp/journal/jjc/05206/052060293.pdf
に重要な情報がありました。
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1.β ―ラクタム系薬と痙攣
β ―ラクタム系薬投与に関連する痙攣誘発作用は古くから認められており,penicillin G,cefazolin,cephaloridine などの投与時の痙攣がすでに報告されている22~26)。その他のペニシリン系薬,セフェム系薬でも痙攣誘発作用を有する可能性が示されている。β ―ラクタム系薬による痙攣誘発作用は,実験的にも認められている。これらの薬物を脳室内に投与することにより,マウスに投与量依存的に痙攣を誘発することができる(Fig. 1 A and C)28)。これらの痙攣誘発作用は,中枢神経系における抑制性神経伝達物質である γ ―アミノ酪酸(GABA)の受容体結合との関連で検討されている。これらの β ―ラクタム系薬は,GABA の受容体への結合を阻害することが見出されており(Fig. 1 B and D)28,29),この阻害作用が β ―ラクタム系薬による痙攣誘発の機序と考えられている。この図より,セフェム系薬,また,カルバペネム系薬に属する薬物でも,痙攣誘発作用に差のあることが示唆されている。
2.キノロン系薬と痙攣
キノロン系薬投与に関連した痙攣が,enoxacin,ciprofloxacin,norfloxacin,ofloxacin,lomefloxacinなどについて臨床的に報告されている。また,キノロン系薬をマウス脳室内35)に,また腹腔内36)に投与することにより痙攣を誘発できることが報告されており,キノロン系薬による痙攣は,実験的にも再現可能であること
が示されている。キノロン系薬をマウス脳室内に投与した際には,Fig. 2 に示すように,投与量依存的に痙攣が誘発される37)。さらに,キノロン系薬は濃度依存的にGABA 受容体結合を阻害することが示されている(Fig.
3.キノロン系薬による痙攣誘発作用と薬物相互作用
前述のように,キノロン系薬に潜在的に痙攣誘発作用のあることが示されている。1986 年,enoxacin と非ステロイド薬の fenbufen との併用時に痙攣が誘発されたとの報告40)があり,キノロン系薬・非ステロイド薬の併用は,禁忌ないし注意となっているものが多い。キノロン系薬として enoxacin を用い,各種非ステロイド薬のenoxacin 誘発痙攣に及ぼす影響が検討されている。enoxacin をマウス脳室内に投与することにより,投与量依存的に痙攣を誘発することができる。biphenylaceticacid(fenbufen の活性代謝産物),flurbiprofen などをenoxacin と同時にマウス脳室内に投与すると,enoxacinの痙攣誘発作用が増強されることが明らかとなった。さらに,非ステロイド薬によって,痙攣誘発作用増強の程度の異なることが明らかとなった(Fig. 4)(堀ら,unpublished data)。
この痙攣誘発作用の機序が,GABA 受容体結合との関連で検討されている。GABA は,中枢神経系で抑制性に作用する伝達物質である。神経終末から放出された GABAは,シナプス後膜の GABAA 受容体と結合すると,クロールチャンネルを開きクロールイオンを細胞内に流入させる。その結果,細胞内が過分極となり,抑制性に作用するものと考えられる。何らかの作用により,この GABA作動性神経伝達(抑制性)が阻害された際には,過分極の低下→抑制性の低下→興奮性の増大→痙攣の一連の変化が生じるものと考えられる。enoxacin は,単独でGABA 受容体結合を濃度依存的に阻害するが,非ステロイド薬の共存により,その阻害作用は増強されている(Fig. 5()unpublished data)。非ステロイド薬を同時に投与した際の enoxacin の痙攣誘発作用(指標として ED50の log)と非ステロイド薬共存下における enoxacin のGABA 受容体阻害作用(指標として IC50 の log)の相関を検討すると,Fig. 6 に示すようにきわめてよい相関が得られている。このことから,キノロン系薬・非ステロイド薬併用による痙攣の発現には,これらの薬物によるGABA 受容体結合阻害が強く関連していることが考えられる(Fig. 7)(堀ら,unpublished data)。また,最近,キノロン系薬による痙攣誘発作用および薬物相互作用の強さは,キノロン系薬により異なることが示されている37,41)。さらに,同一系統に属する非ステロイド薬でも,キノロン系薬との薬物相互作用に差のあることが明らかとなっている(Table 10)37
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ちなみに
βラクタム系 という言葉が出てきたので調べると
●抗生物質(βラクタム系)
βラクタム系抗生物質には,ペニシリン系,セフェム系,カルバペネム系,モノバクタム系,ペネム系があり,いずれもβラクタム環を有している。
とのことです。
この学会雑誌の内容をまとめると
■βラクタム環を有している抗生物質を「βラクタム系」といい、ペニシリン系,セフェム系,カルバペネム系,モノバクタム系,ペネム系がある。
■上記、βラクタム系抗生物質は、古くから痙攣の副作用があり、その原因がGABA受容体結合阻害作用である。
■penicillin G(ペニシリン系),cefazolin(セフェム系),cephaloridine(セフェム系) などの投与時の痙攣がすでに報告されている。その他のペニシリン系薬,セフェム系薬でも痙攣誘発作用を有する可能性がある。
上記3つから ペニシリン系,セフェム系 は気を付けた方が良いと思われます。
以上を整理すると
GABA受容体の結合を阻害して、体調を悪化させるリスクのある抗生物質は
①キノロン系
②マクロライド系
③ペニシリン系
④セフェム系
のようです。
一応、ググって見て出てきた情報ですが、抜けがあるかもしれません。
他の抗生物質でも可能性はあります。
ペニシリン系と セフェム系に痙攣の副作用があり、
その原因がGABA受容体への結合阻害作用であることを知ったのは収穫でした。
キノロン系だけじゃないということですね。
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