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飛び降りた日

気づいたらベッドの上
体がくっそ痛いし動けない

到着する両親
私はICUにいた
呆れたような顔をして私を見る母親
私のことを見て泣き出す父親
父親が泣く姿は初めて見た

前の未遂の時は怒ってたのに
今度は泣くんだ


「ごめんなさい」


号泣する父親と何も言わない母親
父親と少し話しをした

父親が少し落ち着くと、母親とも少し話をした

そして病院で必要なものを聞かれ
家に取りに行ってもらう。

その時私には半同棲していたパートナーがいた
私が眠っている間に
彼が両親に土下座をしにきたと。




飛び降りる前日
喧嘩をして、彼氏がおかしくなり
包丁を取り出し自殺しようとした

過去、私と関わることで自殺しようとする人がいた
彼は何人目だっけ
全ては私のメンヘラが原因なのだけど。

包丁を持った彼を無我夢中で止めた。
そして怖くなり、家の刃物をすべて外に投げ捨てた
動揺してパニックになった
だけど今は彼をなんとか落ち着かせなきゃ

彼をなだめ、落ち着かせる

そしたら今度は私がおかしくなった

裏庭に行き、捨てた刃物で胸を刺そうとするも怖くて持つ手が震えた
恐怖と混乱とおかしさの中で
必死にその鋭利な先を突きつけ、そして押し、
人間って結構硬いんだと思って自分の惨めさに泣いた

友達に電話

死にたい死にたい

私が死にたい時いつも助けてくれる友達
今回も助けてほしかった
助けを求めるだけの理性は残っていた

泣きわめいて死にたいと言う私をなだめる友達
話を聞いてもらい少し落ち着いて家に帰ることに。


彼と一緒に寝たのか寝れなかったのか
考え事をしていたのか
私の頭の中にはいつの間にか
「死ななきゃ」

それしか無かった

裏庭に行ったときは
「死にたい」
 けど今は
「死ななきゃ」


家に戻ったあと彼の顔を見て思った
私が生きているとこの人が死ぬ
私が死ななきゃ


もうそれしか頭に無かった
部屋着のまま出ていき
ふらふらと歩いて死ねる場所を探した
頭が朦朧としていながらも
前の失敗は避けようと駅前を通り過ぎる


ある程度の高さの場所にたどり着いた
下を見るとそこまで人が歩いていなかった
ここなら下の人を巻き込まない
一瞬残っていた理性が通り過ぎ、消えていった

そこからは
もうちゃんと死ねるかとか頭になかった

死にたいのに不思議
もう衝動だけで動いていた


自分の身長より少し低い柵を乗り越え
縁に足を下ろす

人が歩いているのが見える
誰かに見られたらやばい、騒ぎになる

早く、早く飛び降りなきゃ
止められる前に行かなきゃ
気づかれる前に飛ばなきゃ
飛び降りなきゃ!!!!!!!!!










一瞬だった
地面に叩きつけられた
近くの人が駆け寄ってきたらしい
何か言っている

視界が真っ暗だった
自分が目をつぶっているのか
目を開けることが出来ないのか
もうよく分からない
とにかく経験したことのない痛みが全身を襲った

痛い 痛い

言葉を発したいのに痛すぎて言葉にならない

私は言葉にならない声で叫んでいた
痛い、痛い
何度も何度も言葉を出そうとしたけど
口が動かない
頭はもう痛みでいっぱいだった
何も考えられなかった


そうやって痛みに耐えて
記憶は途切れた




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