近代日本とキリスト教 序の解題
研究に直接かかわる内容として『近代日本とキリスト教』がある。久山康(1915-1994)は、関西学院大学の優れた宗教学者・教育者だった。1956年、久山の発案・司会のもと、座談会『近代日本とキリスト教』が開催された。
参加者に名を連ねるのは錚々たる面々である。高坂正顕、山谷省吾、亀井勝一郎、小塩力、椎名麟三、隅谷三喜男、猪木正道、北森嘉蔵、武田清子、西谷啓治、武藤一雄、遠藤周作。彼らが明治・大正・昭和・戦後のキリスト教・戦後日本精神史を縦横無尽に語り尽くし、丁寧な補足を