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キリスト教について

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「キリスト教理解」の理解について
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#明治維新

神の五指としてのキリスト教

 キリスト教とは何か。多くの日本人にとって、難しい問いだと思う。質問も答えも、立場によって少しずつ異なる問いかけだ。おそらく一般的には、キリスト教の印象は、まず「結婚式」、次に「エクソシスト」などのオカルト関係になるだろう。または荘厳な礼拝堂や絵画だ。つまりサブカルチャーの背景文化として思いつくものがキリスト教だ。それ以外は「欧州の宗教」だとか「イスラム教と仲悪いの?」とかにとなるだろう。  キリスト教とは何か。多面的な問いだから、答えも複眼的になる。  歴史的には「五大

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近代日本とキリスト教 序の解題

 研究に直接かかわる内容として『近代日本とキリスト教』がある。久山康(1915-1994)は、関西学院大学の優れた宗教学者・教育者だった。1956年、久山の発案・司会のもと、座談会『近代日本とキリスト教』が開催された。  参加者に名を連ねるのは錚々たる面々である。高坂正顕、山谷省吾、亀井勝一郎、小塩力、椎名麟三、隅谷三喜男、猪木正道、北森嘉蔵、武田清子、西谷啓治、武藤一雄、遠藤周作。彼らが明治・大正・昭和・戦後のキリスト教・戦後日本精神史を縦横無尽に語り尽くし、丁寧な補足を

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