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キリスト教について

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「キリスト教理解」の理解について
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#神話

神の五指としてのキリスト教

 キリスト教とは何か。多くの日本人にとって、難しい問いだと思う。質問も答えも、立場によって少しずつ異なる問いかけだ。おそらく一般的には、キリスト教の印象は、まず「結婚式」、次に「エクソシスト」などのオカルト関係になるだろう。または荘厳な礼拝堂や絵画だ。つまりサブカルチャーの背景文化として思いつくものがキリスト教だ。それ以外は「欧州の宗教」だとか「イスラム教と仲悪いの?」とかにとなるだろう。  キリスト教とは何か。多面的な問いだから、答えも複眼的になる。  歴史的には「五大

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アダムとアダパ、アブラハムの宗教

 「ノアの洪水」譚が好きなことは、こちらに書いた。言うまでもなく、ノアの洪水物語はメソポタミアの神話・伝承に基づいている。このあたりはシュメール語の解読史にも関わる話だ。当時、聖書の記述こそが「歴史」そのものだったから、それを覆す古代語とその内容は人々に衝撃を与えた。ある意味、「人類史」が聖書とキリスト教から解放されたドラマティックな瞬間だった。 アダムとアダパ さて「アダムとアダパ」の話である。どうやら「ノアの洪水」のように、「アダム」もまた淵源を遡れるらしい。「ノアの洪

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逆さになる「バベルの塔」

 復活祭がコロナ禍によってイースターっぽくないままに終わった。気がつけば、西方では明日から、東方では6月7日から聖霊降臨日(ペンテコステ)である。ローマとカンタベリーのオンライン礼拝のニュースをみて、今朝ふと思った。  「バベルの塔」の逆転は、どこに位置付けるべきか。答えの一つをプロテスタントの伝統に求めれば「それはペンテコステだ」ともいえる。  これらはセムの子孫であって、その氏族とその言語とにしたがって、その土地と、その国々にいた。これらはノアの子らの氏族であって、血

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