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裸婦

初めて裸婦らしい裸婦を油彩にしている。
5月20日 AM9:30〜PM4:30まで

固定のポーズだ。F20号は、その後2枚、後に3枚のキャンバスで毎日描いた。毎晩だ。

初めてなので、自分ながら対象にとらわれすぎている事はわかっていたが、徹底して見る事につとめようとした。

自分の絵を描くのは、その後何度もチャンスがあるはずである。

少し残念だったのは、当日ボディーのラインと色彩の関係は良く見ていたが、顔までは至らず。
ただ、イメージは残っている。
それを頼りに毎晩毎晩苦労したのは、顔の目鼻立ちである。ボディーは良く見ていたせいかスムーズに行くが、顔はどうしてもイメージだけでは写実はできない。
私が描きたい方法であれば、イメージで十分であるが、今はまだ、その時ではない。

本当によく描いた。
5月20日〜6月6日の17日間。
最初の経験だ。仕方がない。
次には見る方法も違ってくる。
合理的な見方というものがあるはず。

その辺のあたり、すなわち見方がわかったように思う。見るだけ見たら、対象に背を向けるのが私の方法だ。
今度は大丈夫と思う。

あまり自信はないが
最後の一枚は8:30〜11:00PM

               6.Jun.1984

※ 『軌跡』〜父の日記より〜

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