見出し画像

ブラッドボーンの親と子

ブラッドボーンに出てくる上位者は子供を失って、求めている。ところが、上位者はお腹を膨らませて子供を産まないし、卵を作ったりしない。上位者は上位者同士で交配して子供を残せばいいのにわざわざ別の種族に対して養子めいて「子供」にしてくる。
私はどうしてもこれを「親と子供」とするのが変なのでこれに着目した。

親すなわち子

上位者は専用の世界に暮らしていて普通の人間は関わることができない。そこで考えたのが上位者は「子」がいないと人の生きる世界に関われないという案だ。上位者は子を介して現世に対して色々できるようになるわけだ。この案の下だと色々考えることができた。


上位者がわざわざ子を欲しがるのは現世と関われなくなるからだ。すると姿なきオドンの姿が見えないのは子がいないからと考える。前提として、すべての上位者は子を失っているのだ。オドンの場合はへその緒のような物理的な接触手段がなにもなくなっちゃったんだろう。カレル文字だけが手がかりだ。また、再誕者は子なしで現世に降り立った稀な例なのだ。ただし、その姿はメンシスの悪夢のおかしな生き物のように奇妙な姿になっている。

再誕者「人間になって現世に降りたい!」→現世「人間て?」→再誕者「腕があって胴があって足がある!」→異常肉塊で再誕
ミコラーシュ「脳に瞳がほしい!」→ミコラーシュ「ウワーッ!そうじゃないぞ!」(鍵を掛ける)


また、子となった生き物は上位者との性質を持つようになる。白痴のロマの子はでかい蜘蛛であり、頭に該当する部分がロマっぽくなる。月の魔物を親にする子は異常な速度で行動できて範囲攻撃が強い。また、月の魔物の子は車椅子にのる、つまり移動に不自由な状態になる。子が親の特徴を持つとすると親の月の魔物も月で不自由しているんだろう。プレイヤーは直接的な子ではないから月の香りがする程度だし、自由に動ける。トゥメルの女王は腹の中身が親であり、その子は無限に湧き出る血を得る。尋常ならざる量の血が「血の岩」となるから、トゥメルの「石」とはその無尽蔵で膨大な量の血の表現なんだろう
 そして親が死ぬと子も死ぬ。これを常に正しいとすると、アリアンナの腹から出てきたのはアリアンナの体を媒介に現世に誕生した「別の再誕者」だったんだろう。アリアンナも時間が経てば親の特徴を色濃く持つようになったかもしれないが、ブラッドボーンでの時間経過はプレイヤーのゲーム進行度によってのみ進むからあれ以上は見られない。

すでに子になっていると子になれない

プレイヤーは月の香りがする程度でまだ子ではない。しかし、唯一の子であるゲールマンをやっつけると明確に月の子になって月の魔物のように移動に不自由になる。そこで、3本目のへその緒を使いまくると何らかの上位者の子となる十分な濃さの「接触」を得る。すると月の魔物が自分の子にしたいのにプレイヤーはすでに他の子なので異常が発生する。違う親の子だが、しかし月の香がする状態で月の魔物をやっつけるとバグっておかしなことになる。プレイヤーは誰の子になったのか?あのヌメヌメした特徴を持つのが親に違いない。でも誰だったかはみんな忘れてしまった。

悪夢はスラム

上位者の住まいをゲーム中だと夢と呼ぶ。ところが、一部の住まいは悪夢と呼ばれていて、だいたい人間の形をした奴らがたくさんいる。夢は上位者の住まいであって人間が土足で踏み荒らす場所ではない。
また、上位者が現世と関わりを持つ手段は月の魔物のように遠隔でつながるものと、再誕者やロマのように現世に穴をあける者がいる。あるいは人間が開けたのか?
「なんかたまたま開けちゃった」であってもあの世界の人達は好奇心旺盛なので隅から隅まで調べ尽くす。その結果メンシス学派が団体で乗り込んでめちゃくちゃにしたのが「メンシスの悪夢」で、狩人が破壊し尽くしたのが「狩人の悪夢」だ。
メンシスの悪夢の元主はメルゴーだ。メルゴーの乳母は急遽メルゴーの子となって戦ったのだろう。別に赤子っぽいのが子である必要はない。
狩人の悪夢の主はゴースだ。上位者は今までの例だとお腹を膨らませて子を産むことはないから、ゴースの遺子は人間の考える親子の関係を押し付けられて誕生した異常存在なんだろう。生まれた瞬間泣きたくもなる。「子は親のお腹から出るもの」という呪いがプレイヤーによって払われたのかもしれない。

ルドウィークの光る剣

狩人は香りがする程度だけど月の魔物だ(親すなわち子なので)。正確には子じゃないけど、これはゲールマンやルドウィークが研究の末見出した発明なんだろう。ゲールマンを媒介に子っぽいけど子じゃない状態を維持する。上位者が子を欲しがっているのをいい事に好き放題する誠に血に酔った狩人らしい発想だ。
そして狩人の悪夢にいたルドウィークは色んなものが混ざった醜い獣になっていた。研究と称して色々体に流し込んだに違いない。しかし、プレイヤーがルドウィークを半殺しにすると遅れてルドウィークの背負った剣が輝く。月明かりを受けて輝くはずの月光の聖剣が月もなしに輝くのはどういうことか?つまり、プレイヤーが原因で光り始めたのだ。プレイヤーが撫でると月光の聖剣は直ちに輝くから、近くにいるだけでも輝き出すんだろう。

さらなる啓蒙…

親はほとんど子。その考え方のおかげで面白い考察、或いは二次創作ができた。しかし、カインハーストと獣血の主の資料が少ない。一番情報を持っていそうなカインハーストの女王は顔を隠しているので仮面を外してもらわないと親の上位者の考察ができない。アリアンナから出てきた生き物のように目が4つあるのだろうか?アルフレートに「女王はどんな顔だったの?」と聞いておけばよかった。不滅という特徴があるが女王がプレイヤーに殴りかかってこないのでとにかく情報が少ない。
獣血の主は上位者なのだろうか?それとも獣血の主は子で、親が夢にいるのだろうか?それとも今までの文脈を全部無視して単なる寄生虫の勢力だろうか?
エーブリエタースは子なんだろうか?現世に興味がないのに親から離れて現世に落ちちゃったら泣いちゃうかもしれない。


プレイヤーは禁域の森を境に獣の血を離れ、メンシス学派が荒らした領域の可哀想なメルゴーを寝かしつけると役目を終えて夜明けを迎える。デュラやアイリーンもメルゴーを寝かしつけたんだろうか?