あみもの短歌十四号 感想です

こんばんは!あみもの短歌十四号の感想を書かせていただきます。
一首評の前に、気になったもの、目に止まったものを書き出させてもらいます。

雪が降る 止む 雪が降る ひとときの切れ間に眩むほどの雪原(天田銀河/冬源郷)

あたたかな妖精を呼ぶ旋律は台所から聴こえるみたい(柏原十/春を呼ぶ)

弔へば肌着のごとくしつくりと寒さをひと重着込んで帰る(抹茶金魚/春を待つて)

パステルのコートに光はふくらんで来るというより訪れるきみ(巴川かもと/スプリングストレンジャー)

にんげんのこころの深いとこに棲む拭いても拭いても拭いても黴だ(大橋春人/黴の生態)

春雨にアスファルトさへにほひたち浮き足だつた雑踏けぶる(若枝あらう/春の聲)

一首評

ゆきふむん、たのしい、なんさいでもって、いいきれるほど、もっといきたい!(多賀盛剛/冬)

多賀さんの連作は素直な読み方をされていて思わず見入ってしまう歌が多くありました。「ゆきふむんたのしい」から「もっといきたい!」へつながることは少し驚きがありましたが、破調していること、方言、句読点の使い方ではじめて触れたものや自然の大きさに触れた時の気持ちが伝わって来ました。ああ本当によかったね!ってこちらも言いたくなる。不思議な短歌ですよね。なかなか、感じたことや自分の中にある気持ちに沿っててらいなくしかも素直に詠むのって難しいなとわたしは感じています。

抜き出させていただいた歌はすべて音や詠み方、情景が独特の目線で、綺麗な歌だと感じました。それと、こういう角度から自分はもの見てないなあ、という驚きのある歌(「黴の生態」なんかは短歌でこういう描き方もあるんだなあという驚き)沢山あり、とても面白かったです。

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ポエム、詩、短歌などを作ります。 最近歴史に興味があります。