心をあたために。
長編映画
『莉の対』
シナリオの1文字目を書いた日から、間も無く1年が経とうとしています。
そんな僕は今、そのシナリオを具現化するために北海道に撮影に来ています。
早いもので、もう10日経ちました。
10日間で回収した分量は、ページ数にして約7ページ。
その間に経験できた事はゆうに7ページ分を超えるものがありました。
函館から始まり、青森に渡り、占冠村を経由し、東川町にようやく腰を落ち着けました。
東川町には多大なるご支援を頂きました。宿舎も人数分、とても素敵な部屋を無償でご提供下さいました。室内には、東川町の有名な家具が設えてあり、備品に至るまでオシャレが行きと届いていてこの町の魅力をふんだんに感じる事ができました。
こんなオシャレな部屋で
コーヒー飲みながらMac Book Proをぽちぽちと。
そんなおしゃライフ送ってみたかったよ。
すみません。ふざけました。
北海道に来て感動したことの一つが、ずっと暖炉のストーブがつけっぱなしで、部屋に帰ってきたら部屋が暖かいという事です。壁からのびているダクトも雪国っぽい風情があって好きです。
改めまして。
春に初めてこの町に来た時から町の魅力に取り憑かれていましたが、改めてもっと深く関わってみたいなと感じました。自然との調和がとてもバランスよく保たれた町だなと思うんです。人も、素敵な方ばかりでした。
東川町では、東川町立診療所様にもロケ地のご協力を頂きまして、とても説得力のあるシーンを撮影することができました。
東川近郊でも撮影が行われましたが
旭川空港様
Air Do様
ちどりハイヤー様
そして
JR北海道様
にご協力を頂きました。
そこ許可取れてるんだ?と驚かれるロケ地が多いですが、僕も正直驚いています。
こんなにご協力して頂けるなんて。
僕はいつもそこに感動してしまいます。
そして、東川町での主現場は旭岳。
頂上への登山は2日。
中腹での撮影1日。
たった3日間しかいなかったのかと思うくらい、自分が山に溶け込んでいる感覚がありました。寒さも痛さも暖かさも感動も。色んな記憶が残っています。
今日の中腹での撮影はもう完全に真っ白の世界の中で行われました。
暴風雪ふき荒れる中、重い機材を持って隊列を組んで歩いているクルー達の姿を見てふと
「映画やん」
と呟いてしまいました。
こういう景色、ドキュメンタリーで見たことあるなって。
もうそれ自体がドラマ以上に画になる。
みんなは何を信じてここまでついて来てくれたんだろうって思うんです。
こんなところまで引き摺り回しやがって田中コノヤロー!と思っているかもしれませんね。
皆んなの心は分かりませんが
それでも、こんな経験滅多にできない。と僕は思っているんです。
そんな機会を作れた事が僕は少しだけ誇らしいです。
みんなで映画を作りたい。
そう思っていました。
みんなで撮ってきた素材を宿舎で観ながら酒を飲んでわいわいする。
控え目に言って最高です。
いよいよ東川町を出発します。
この映画の終着点。
最後のロケ地に向けて。
まだ大切なシーン達が残っています。
だからまだまだ感慨に耽っている場合ではないのですが
既に少しだけ、寂しい気持ちがあります。
芯から。
心をあたために
行ってきます!!
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