夏草や兵どもが夢の跡
映画『莉の対』
東京・夏の陣。
無事、完遂しました。
このまま丸3日くらいタンドリーにしてチキンにして欲しいくらい寝たいです。
ほろほろのチキンに、わたしはなりたい。
ざっくり分けると、『莉の対』は
2022 冬 雪国
2022 夏 北海道
2022 夏 東京
2022 秋 東京
2022 冬 東京
2023 冬 北海道
とブロックがあり
その、夏パートまでの撮影が終わりました。
まだ全体の5分の1か、8分の1かくらいしか終わってないけど、どのパートも大変だった。
東京夏パートは色んな意味でハードルが高かったんですよ。
メインキャストがクランクインして来て、一気にキャストが増えて、エキストラも増えて。ロケ地とかスタッフワークとか細々した小道具や美術や衣装の準備が全てが整っていない中、撮影まであと3日!とかなっていました。コロナの脅威もありましたしね。
見切り発車なんですよ。いつも。
全てが、走りながら考えるスタイルの僕の映画づくり。
入念に準備して、不安を解消して、改めて考え直しているうちに冷静になって、次第に他の事で思考が埋められて、結局やらないってなる人が8割。
僕はそれが嫌だから、「やる!」という事と、「やり遂げる!」という事だけは決定事項にしています。
とは言え、意志だけですから内情が伴っていない。レベル上げや装備を整えはするけど、旅の初期でバラモスは倒せない。けど、倒すんです。
僕が破産しようがどれだけ傷つこうが大丈夫。だと思っているのですが、それでも痛い傷もあります。
やっぱりキャストを含むクルー達をきっと不安にさせただろう事が一番凹む。
この心傷が僕にとって一番痛いです。
連日の撮影でも笑顔で気持ちよくお芝居をしてくれた主演の鈴木さんには既に感謝しかないです。鈴木さんがロケ車に忘れて帰ったお菓子を俺が何となしに全部食べちゃったことも心の傷です。土下座して謝ります。
そして、クルーのみんなも。汗だくになりながら、走り回ってくれて、サポートしてくれて。このメンバーで最後までやりきれたらどれだけ幸せだろうって思う。
他のキャストの皆さんも、本当にお芝居という側面でも助けて頂きました。短い期間の中でよくキャラクターを作って現場に乗り込んで来てくれたなって感動しました。
「ワンポイントの役」
として公募して役を引き受けてもらいましたが、僕が一人一人に役名とバックボーンを付与したのは、一人の人間として演じて頂きたかったからです。
僕の期待を大きく上回るような熱を感じる素敵なキャラクターを、全員が演じてくださいました。
そして今日。朝早くからクルーのみんなが集まってくれて(オンライン)、夏撮影の反省と、秋冬に向けて何をしていくかのミーティングが行われました。
一人一人が発言の時間を持つことができて良かったです。
例えば、これだけの荷物を背負ってたんだなって感じた夏撮影。
僕と彰夫の背負っているものを、みんなが担いでくれる。
そんな内容でした。僕が背負いすぎると迷惑なんですよね。それも学びました。僕はそんなにスーパーマンじゃなかった。
なのにだ。
タンドリーなチキンのくせに、早く秋撮影が来ないかなと思っている自分がいます。
どんどん良くしたいと思うし、良くなると思う。
楽しみだ。
どんと来い
東京・秋の陣。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?