億万長者になった一流投資家も注目する経済理論を投資に活用できるか調査してみた。

億万長者になった一流投資家も注目する経済理論を投資に活用できるか調査してみた。
 
現代から過去に投資の理論は数多くありますますが実際の所、どれが正解かはわかりません。時代によって違いますし長所と短所がそれぞれあるので正解は無いかもしれません。
しかし知っておくと便利な時や活用することもあると思いますので調査してみました。
 
現在一番幅広く知られている理論としては1952年にハリー・マーコウィッツによって発表された論文[「現代ポートフォリオ理論」です。
 
 
この理論は簡単に言えば、分散投資です。
たまごは同じかごに入れて割れてしまったら損失が大きいので複数のかごに分けるというやつです。
 
現在では一番、主流となっている理論だと個人的に思います。
 
しかしそんな事は誰もが知っている事で面白くない為、今回もジョージソロスの書籍を参考に億万長者ソロスはどのような経済理論に注目していて、ソロスオリジナルの投資理論(再帰性理論)はどうだったのか調査してみようと思います。
 
まずは書籍の中でソロスオリジナルの投資理論(再帰性理論)と比較していたこの二つの経済理論を紹介します。
 
合理的期待論、均衝性理論です。
 
ソロスがライバル視するほどだったので私はとても良い経済理論だと思います。
 
前半ではこの三つの理論をわかりやすく解説し、私ならこんな風に投資の利益に結びつけるかな?という話します。
 
後半ではソロスオリジナルの再帰性理論とはどんなものか?というお話しをします。
 
➀合理的期待形成仮説
1970年代に入ってから,とくにアメリカの諸大学で大きな影響力をもつようになった理論です。
 
政府がどのような経済政策をとったとしても,個々の経済なんの影響をも及ぼさなくなってしまうというものです。
 
たとえば,政府が色々な形でお金をばらまく、そして財政支出をしたとする。そしてばらまいた分だけ増税したとする。
 
このとき各個人は税金により所得は減少し,消費支出もそれに伴って減少する。
 
しかし,バラマキの一部は,公共サービスの供給や社会資本の資金が向かい,各個人が必要とする財・サービスの供給の増加となる。
つまりどんな形であろうと循環することで総量はかわらないということです。
 
したがって,「総需要額にはなんの変化もあらわれず,雇用量,国民所得,物価水準などというマクロ経済的諸変量は一定水準に保たれることになる」。
 
これを一言で表すと、誰かの出費は誰かの損失で総量は変わっていないということです。
 
次は実例で説明します。
 
財政支出の増加を国債の発行によって補うとするとこのような結果を生み出す。
国が借金をして国債を発行する。
国債を購入し、保有する人々は将来支払われる利息を得られますが,国債に対する利息は,増税あるいは財政支出の減少によって補われる為,国債の純資産価値はゼロとなってしまう。
 
したがって国債をいくら発行しても,マクロ経済的諸変量にはなんの影響も及ぼさないという理論になります。
 
この話しだけを見ると現代の政治家はこの理論を信じて金融緩和をやっている気がします。
 
結局、お金を印刷してお金が増えて、インフレになろうとも増税と利上げをすればお金の総量バランスは取れる水準になるということです。
 
個人的意見ですがコロナショックでお金を大量に印刷したにも関わらず、ドルは希薄化せず、通貨としての価値を維持したのでFRBは金融緩和が通じなくなるまでやり続けると思っています。
 
その為、私は2024年~2025年またはそれ以降に米国株が暴落しても、またFRBは金融緩和をすると思っているのでその時に状況関係なしで米国債は買われると思いますのでTMF(長期米国債レバレッジ)に一点集中投資をしています。
 
*合理的期待形成仮説はケイインズなど他の経済学者からも批判されています。
 
■②合理的期待論について
人びとが利用可能なあらゆる情報を用いて合理的に予想するとき,期待値に関しては正しい予想ができるという前提に立つ学説です。
 
全員が正しい意見を予想し出来事は株価に反映されるという元になった理論と思うのですが・・・ソロスは市場参加者が全員、同じ答えに到達できないことから無理があると批判されています。
 
③均衡理論:経済量がバランスを保って変動への傾向をみせなくなる状態を均衡といいます。
つまり経済学でいうと需要と供給がある価格水準において等しくなるような場合です。この均衡状態がどのような条件において成立するか、そこからなんらかの理由で離れたとき、元へ戻ってくるかどうか、その条件はなにか、などを分析する理論を均衡理論といいます。
 
簡単に説明すると需要と供給が一致すれば価格は安定しますがどちらかに傾けば、価格は安定しないと言う事です。私はこの理論を聞いた時、真っ先に鉄鉱石や金属、小麦などの先物市場に使えると思いました。
例をあげるとするならば、EV車の需要が上がれば、バッテリー素材のリチウムの価格が高騰する。
別の例でいうと2021年のロシアとウクライナ戦争が起きた時、ウクライナは小麦の生産力が高かったので小麦の先物がかなり急上昇しました。
後は2008年に鉄鉱石のオーストラリアが災害にあい、鉄鉱石採掘所が停止したことにより鉄鉱石の価格が30ドルから60ドルと2倍上昇しました。
過去の事例はこんな感じになりますが知っていればとても役に立つ理論だと思います。
 
では後半の再帰理論についてお話しします。私はソロスの書籍2冊読んでいる為、誰よりも詳しくわかりやすく説明できると思うので楽しみに読んで下さい^^
 
■再帰性理論について
この理論をわかりやすく言うとバブルやブームが起こった時に空売りする時に役に立つと思います。では内容を紹介していきたいと思います。
 
紹介した均衝理論は市場参加者が完全な情報を持っており、需要と供給で市場価格を決めるというものに対してソロスの再帰性理論は参加者の思惑で市場価格が決まるというものです。
 
例えば一つのニュース記事に対して市場参加者の情報の理解と思惑、予測は全て一致することはなく、それが現実を変化させます。
理解、思惑、予測と現実の変化の情報は双方を行ったり、来たりすることで影響を与え、現実にズレが生じ、現実と乖離してきます。
 
また別の言い方をすると人間は不確実な生き物の為、常に全員が同じ方向を向いていないのでズレが生じ、現実が変わるという話です。
 
結果
 
ソロスは
 
市場は常に誤っていると述べています。
 
ソロスは市場参加者の思想と現実のズレを活かしイングランド銀行を破綻に追い込み膨大な利益を出しました。イングランド銀行破綻について詳細はここでは説明しないので一度、調べて見て下さい^^
 
その他に再帰性理論が当てはまる出来事についての例を紹介します。
 
■1960年代コングロマリットブーム
1960年後半にベトナム戦争で株高になったハイテク軍事企業が地味な企業を繰り返し買収し大きな企業になっていきました。(コングロマリット企業)
この結果、軍事企業の一株当たりの収益が加速し、株価収益も大きくなりはじめました。その結果、色々な会社が真似をするようになり、買収=株高という認識がうまれ投機ブームが起こりました。そのうち、コングロマリット企業は買収をすることにより自社の株価を自社の収益ぐらい上手にコントロールするようになりました。その結果、正のフィードバックが始まり、買収した企業の投資先に人々は群がるようになりました。企業価値とはその企業の一株あたりの収益の成長率で判断されるべきものが判断されなくなってきました。
人々のコングロマリット企業への期待感は積み上がり、ブームは誤解の上に築かれました。
 
■コングロマリットブームの終焉
最初のきっかけはスタインバーグがケミカル銀行を買収しようとしましたが失敗したことです。買収失敗により株価が下がった事により負のループが起こり、コングロマリット企業の株価評価は崩れ去っていった。そして株価が下がった頃、コングロマリット企業の内部事情が公になり問題が発生したことにより下落波及したことでブームは終了となりました。
 
コングロマリットブームは買収した企業の利益も買収先に、上乗せされるので企業利益が上がる為、株価も上がるという間違った思想から起きたブームになります。
 
その後すぐにREITに有利な税制が成立したことでREITブームが起きたがソロスは再帰性理論を使用し、空売りをすることで利益を得た。
 
以上が今回ソロスは警告するに記載されている経済理論になります。経済理論はそれぞれ弱点もありますが知るだけで有利な状態に立つ事もできますし、損失を回避することもできると感じました。
 
次は再帰性理論が使えそうな最近の出来事を私が紹介します。
 
2020年~2021年に起きたハイパーグロース株ブームです。
これはコロナショックが起きた事によりFRBが大規模な金融緩和を行い低金利にした事が原因です。
 
投資家は赤字の糞株に将来性とストーリー性を付け加える事で、将来、糞株の株価が上昇する幻想を見せました。
実際にAI分野、宇宙開発分野、ドローン株、ブロックチェーンやバイオ株、ビットコイン株などの株は大きく上昇し、価格は2倍~10倍になった株も多数ありました。
 
ようは赤字ですが新技術の株は将来性があり投資家はその将来性のみに注目し、資金が小型株に向かいました。
2020後半には大麻銘柄、クリーンエネルギー、EVバッテリー会社、カジノ株など小型株にもテーマが産まれ、波及しました。
 
しかし2021年2月頃に長期金利が1.25に急上昇し、テーパリング予想や今後の金利上昇を見込むと急落しました。
 
金利の上昇予想でバリエーションが低下したからです。
 
価格は徐々に下落し2022年の半ばにはインフレが原因で長期金利が3%程になり、業績相場に完全に移行した頃にはハイパーグロース株は50%~80%暴落しました。
 
中国EV会社のNIO、大型ドローン企業のイーハンやズームビデオなど色々暴落しましたが懐かしいですね^^
 
今回のレポートは以上になります。ご視聴ありがとうございました。
 
読者様も一度経済理論に触れてみると新しい発見があると思いますし投資を今以上にと楽しめると思います。
 
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