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J3開幕、12年前のあの時のFC岐阜は

いよいよ今日(6/27)明治安田J3が開幕する。当初の予定よりおよそ3か月半遅れ。対戦相手はようやくJリーグに参戦することになったFC今治だ。

 思えば12年前の2008年3月10日。FC岐阜もアウェイ甲府戦がJ初戦だった。その時の甲府も降格組。日程くんは、新参者にいきなり厳しい戦いを強いる傾向があるのかもしれない。

 ある放送局で仕事をしていた私は、試合当日、朝早く局を出発し甲府に向かったのを覚えている。快晴の中央高速はまるでフリーウェイのようで、ドライバーさんがアクセル全開。あっという間にスタジアムに着いた。以来甲府は「普通に日帰り圏内でしょ」と言っている。

 スタジアムに足を踏み入れると、ホーム側のゴール裏はブルー一色に染まっていた。それでも何か緊張感がなくふんわりとした感じがした。記者室で準備を進めていると、甲府側の記者は「何点差で勝つか」という話をしていた。「そんなに簡単にはいかないよ」と思いつつも反論する勇気はない。黙ってサポーターを撮影しに外に出た。

 試合は前半に先制されたものの、後半、交代出場した小島宏美選手が同点弾を決めた。ゴール後の“してやったり”という笑みが忘れられない。「岐阜のJ初ゴールを当然狙っていた」と小島選手。とてもエレガントなプレーをする選手だった。

 1-1で試合を終えた直後。少し上気していた私の前に、サポーターへのあいさつを終えた森山泰行選手がいた。興奮して「歴史的な勝ち点1ですね」と話しかけると、“えっ!”っていう顔をした。それもそのはず、そこはインタビューをしていいエリアじゃないからだ。もちろん私は、ただ感動した気持ちを伝えたかっただけだったのだが、ちょっと笑いながら何も答えず森山さんはロッカールームに引き上げて行った。

 その時、甲府のスタンドからは大きなブーイングが響いた。勝ち点3を取れると踏んでいたFC岐阜から得たのはわずかに「1」だけ。帰途につくサポーターの中には「どんなチームだって甘くみたらいかん!」と自戒している人もいた。

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さて今回、岐阜はその当時と全く逆の立場となる。リモートマッチでサポーターの声援が直に聞こえないのは非常に残念だ。ただ空気は伝わる。ようやくJに入会できた今治を舐めてはいないか。“楽勝でしょ”という雰囲気を出してはいないか。余裕はいいが油断はダメ、ゼッタイ!。12年前を思い出し全力のサポート、全力のプレーをしなければならないし、私もJ3最注目のカードとしてしっかりとした記事を書きたいと思う。

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