iPhoneをイケてるWebcamにしてくれるソフトが無償リリースされたよ
とにかくWebカメラが品薄です。家の中にはいろんなレンズのついた機械がゴロゴロ転がってて、どれもこれもUSBは刺さるのに、なぜかWebカメラとして使える(UVC=USB Video Class対応)ものは少ない。CanonがEOSをWebカメラにするソフトを緊急リリースしたり、Amazonで売っている中国製のビデオカメラの中にはUVC対応のものがあったり(というかこれはビデオカメラではなくWebカメラを単体で動くようにしたものなんだろうな)するのですが、いかんせん、オンライン会議に使う程度の用途だと大げさ感が否めません。でも、そこそこの画質にはしたい。
iPhoneをWebカメラにできないのかなーと調べている人はすごく多いと思うのですが、意外にめんどくさい(スマホのカメラの映像を外部に引っ張り出すというのはセキュリティ的に非常に危ういうえに、PC側でも接続機器として見せる必要があるのであんまりそういうソフトがない)。
と思っていたのですが、放送業界ならみんな大好きNDIさんが、ほぼ業務用クオリティのものを無償でリリースしてくれました。これで勝てる。
必要なもの
・iPhoneかiPad (Androidはダメ)
・パソコン(Macも使えるようになったらしい)
・スマホを横向きで固定できる三脚(目線の高さだとgood)
以上。
インストールの手順
(1)NDI HX CameraをiOSデバイスにインストール
なんと6月2日まで無料。10ドルで販売予定らしい。10ドルでも安いぞ。
※NDI HX Captureのほうではありません。そっちは画面をストリーミングするやつです。ゲーム実況する人とか重宝します(これあればスマホゲームがHDMIキャプチャなしでPCに映像ソースとして入れられる)
(2)NDI Toolsをパソコンにインストール
業務用のアレなので150MBぐらいありますが、構わずインストール。
(3)おもむろにiOSデバイスで「NDI HX Camera」を起動
そしてこちらもさすが業務用、UIが地味です。使い方はこちら。インカメラも使えるし、フラッシュもオンにできるし、ズームもできるし、露出の調整もできます。このとき、PCとスマホは同じWi-Fi下に。
(出典)https://www.newtek.com/software/ndi-camera/
(4)パソコンで「NDI Virturl Input」を起動
スタートメニューに「NDI」って増えててやたらいろいろあると思うのですが、こいつです。こういうめちゃくちゃ地味なアイコンが右下に出たらOKです。さすが業務用、地味だ。
起動したら右クリック。自分のスマホの名前がそこに出てくれば成功。そこで自分のスマホ名>NDI HX Cameraを選択。
(5)やおらZOOMなぞ立ち上げる
ビデオの設定を見に行くとあらふしぎ。iOSデバイスのカメラが選べるようになっているはずです。パソコンのカメラより画質いいぞ。音声は別にとるか、iOSデバイスから取るか、ちゃんと選べます。
NDIというのはLANケーブルに映像を通すフォーマットの名前なので、その安定性は納得です。
こうやって選べるようになります。PCの内蔵カメラより
・画角が広い
・設置場所が調整できる
・色味がいい
・顔色よく明るく映る
など、恩恵を感じるはずです。(そりゃぁPCについてるカメラのレンズとは全然違うので…)
ちなみにこれ、ZOOM以外にもGoogle Hangoutsにも、YouTube Liveにも使えるはずです。もともとTricaster作っている会社ですので、ライブ配信全般にも使えます。ちゃんとNDIのツールを使いこなせば、複数ソースのミキシングとか、色合わせなどもできる(というか本来そういうスタジオワークのためのツールの一部)です。
というわけで、前職が放送業なのもあり、オンライン配信について質問されることがおおいので、noteにまとめておきました。
5/6追記:MacはMojave以降はグラフィック周りの仕組みが変わっていて疑似カメラとしては認識できないらしい(NDI Video Monitorという別アプリをかませて画面共有なら…ということらしい)という話を目にしたので追記しました。
5/10追記:音声関係(マイクとデバイス上の音の仮想ミキシングなど)はこちらのnoteがとってもわかりやすい
https://note.com/fladdict/n/n6ecb8faa3d02
5/29追記: Macでのzoom側のサポートが復活した模様。
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1255167.html
自分の仕事(地方自治、防災、AI)について知ってほしい思いで書いているので全部無料にしているのですが、まれに投げ銭してくださる方がいて、支払い下限に達しないのが悲しいので、よかったらコーヒー代おごってください。