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ナレッジを受け取るために

前半部分は以前、北陸先端科学技術大学院大学の先生に教えていただいたお話。
野性的な感性で語る長嶋監督。「う~ん振り遅れだったんだね。グッと遅れてパッと出したら、ポーンと飛んでいったんだ」
ID野球の野村監督。「練習を見て何か気になればメモし、宿舎で本を読んでいても気になる文章を書きとめる。得意の故事成語も考えを有効に伝えるもの。」
そして星野監督の中日。ひとつのチームをずっと見ているスコアラーをそのチームとの試合にベンチに入れる。「体中に巨人のデータを詰め込み、生のアドバイスをする」
長嶋監督は自分にしかわからない言葉で語り、野村監督はいかに文字に落として相手に伝えるかを考えている。
前者を「暗黙知」、後者を「形式知」とも言いかえることができる。
中日のスコアラーは「形式知」で伝えるだけでなく、その場に身を置くことで「暗黙知を即座に形式知にすることが可能となる」
組織としてより多くの知識を伝えて共有し、全体の底上げをしていくには「形式知」でないと伝わりません。

ただし、これは教える側と教えられる側の話。
企業とお客様との関係ではこうは行きません。
お客様にある知識、いわば「顧客知」をいかに伝えていただくか。使い方とか、工夫の仕方、購買までのプロセスとか、どこを評価しているとか、そこにはいろいろな知識が。企業側には想像もできないものがそこにはあります。
場合によっては長嶋監督の現役時代のようにお客様の語っていることが理解できないときも。それにはその場に身を置き、徹底的な観察とヒアリングしかありません。
または野村監督のように言葉にしたくなるような「場」の設定、まわりに刺激されてついつい言葉にしたくなるような仕掛け。
中日のスコアラーのようにまずは言葉にして表現していただいて、そのあとに現場でその都度思い出して話してもらうことも。
「お客様がわからない」、そんなことは言わずにいろんな手をためしてみましょう。
「お客様のことなんてわかってるよ」そう言う方も、そう言わないで謙虚にお客様の知識をいただきましょう。
長嶋型でも野村型でも星野型でもどれでも対応できれば、お客様精通度NO.1は間違いなし。そして自分たちの知識は競合会社に比べて格段にアップし、それが競争優位をもたらすに違いありません。

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