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【読書】わたしの本棚

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好きな本のことならつい早口になって語ってしまう私が、「わたしの本棚」と題し、好きな本やこれまでに読んだ本の感想をまとめています。
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わたしの本棚|#3 一杯のおみそ汁が日々に与えてくれるもの「一汁一菜でよいという提案」

今回紹介するのは、料理研究家の土井善晴先生が書かれた「一汁一菜でよいという提案」。 一汁一菜のスタイルを提案するとともに、日本の食文化の変遷や家庭料理の役割、食の大切さについて説かれています。 本との出会いずっと読みたいと思っていた本書。私がこの本に出合えたのは、家族で愛媛県の内子町へ旅行に行ったときでした。 町の小さなお店が立ち並ぶ中で、可愛いと思って入ったお店が古本屋さんだったんですね。そこで土井先生のこの本を見つけて、「読みたかったやつだ!!」とすぐに購入しました(笑

わたしの本棚|#2「文章を書く」ことで自分を守ってきたのかもしれない

最近、嬉しいことがあった。 それは、本を読むのが大好きで、自分で小説を書いているという人に出会ったことだった。 お互いに好きな作家の話で盛り上がったり、これまでに読んでおもしろかった本の話を歩きながらたくさんした。 共通の趣味がラジオと読書で、ラジオの話もたくさんできた。 小説や物語に救われてきた私にとって、同じように本を読んでいる人と同じテンションで語り合えることの喜びは、この上なかった。 その人は自分が物語を書いていることを堂々と周りに言える人で、すごいなと思った。

わたしの本棚 |#1 対立を生きていく、平等性と個性を追う苦しさ

ー”生きがい”ではなく、”死にがい”。ー タイトルに強く惹かれ手に取り、気がつくとあっという間に読み終えていました。 一年ほど前、多様性をテーマに描き、その物語の持つ力に圧倒された朝井リョウさんの作品、「正欲(2021年)」の前身となるような言葉が散りばめられた本作品は、8人の作家がリレーした「螺旋プロジェクト」において平成の時代を描いた小説です。 朝井さんが考える平成の時代において、物語のキーワードとなる「対立」をどのように描くのか、とても気になっていた作品でした。