蜜柑の滴…学生大会号より

自分が想像できる「多様性」だけ礼賛して、秩序整えた気になって。そりゃ気持ちいいよな。 (朝井リョウ『正欲』新潮社より)

 多様性・マイノリティーに理解があるとする女子大生に男子大生がかけた言葉。 

 女性やマイノリティーに関する失言をした人への人格否定を伴う批判。異性から容姿で判断されることを嫌う一方で自らは異性を容姿で判断するアンバランス。 そんな状況を目にするたびに疑問を抱いた。

 一方で疑問を抱く自分を「多様性への理解」が足りないと責める気持ちもあった。 しかし、「多様性」とは自らの理解を超えるものの存在を思い知らされる言葉であって、そんな都合の良いものでは無いのではないか。

  「マイノリティーへの理解があります。」「ダイバーシティーある社会を目指します。」 その時のダイバーシティーとは何を受容して何を排除しているのか。そんなことをふと思う。

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