スニーカーとロレックスー2つの転売市場の終焉の意味すること

ここ数年、ネットニュースを賑わした2つの市場が終焉を迎えているらしい。市場といっても、アメリカの全米証券業協会が開設・運営している電子株式市場「NASDAQ」や「東京都中央卸市場豊洲市場」レベルの市場ではない。一つは、スイスの高級時計「ロレックス」の転売市場、もう一つはスニーカーの転売市場である。

2022年の朝日新聞Globeの記事には、こうあった。「アメリカの調査会社コーウェン・リサーチによると、北米のスニーカー転売市場はストリートウェアなども合わせて20億ドル(約2570億円)を超え、30年までには世界で300億ドル(約3兆8600億円)に拡大する見込みだ。」また「スニーカーなどの転売を仲介するアメリカの大手サイト「ストックX」では、スニーカーを中心に15万点以上が出品されている。種類ごとに販売価格や買い取り価格、値動きが表示してあり、株式のように取引されている。」

そう、実は筆者もちょくちょくStockXを眺めて、自分の持っているちょっと珍しいヴァージョンのアディダスの値段を見て、取らぬ狸の皮算用を楽しんでいた。しかし、ちょっと離れていたうちに、その値段が1/10になっていた。

「ロレックス」市場の値崩れは、元値が元値だけに、もっと大きい。在庫を求めてショップに日参する「(ロレックス)マラソン」という隠語が存在した程の「ロレックス」市場は暴落の果てに到達している。これまた自分の持っている、ちょっと古いロレックスの値段の上下に一喜一憂していたのも事実である。

もちろんスニーカーにしてもロレックスにしても、供給元が転売を防ぐための努力をしたことも一因だろう。

しかし、これは恐らく主な買い手であった中国人が金を使わなくなったことが主因なのではないか。何にしても余ったお金の投機場所であり、一種の経済指標とも言えた2つの市場が崩れ去ったのは事実である。履くためにスニーカーを買うのではなく、時間を確認するためではなく時計を買う人々が属する階層はメンバーの入れ替え時になったようだ。

何かがやって来る兆しのように感じるがいかがでしょうか。

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