記者会見場荒らしの人たちは、なんであんなにエラそうなのでしょう

記者会見場荒らしの記者の方々、自分の思う通りに行かないと、なんでも報道の自由という言葉を振りかざします。問題なのは、あなた自身なのです。そもそも取材目的のためなら法の逸脱、倫理の逸脱は認められるとでも思っているのでしょうか。

元朝日新聞の尾形聡彦氏が、10月2日に行われた2回目のジャニーズ事務所の会見の際、自分が「不規則発言を繰り返した」とされたことについて、「卑劣で侵害、侮辱」だと仰り、さらに「ジャニーズ事務所が自分たちの気に入らない質問を不規則発言という言い方をするのは、ジャーナリズムの根幹部分に触れることを、ジャニーズ事務所が言及して、介入してきていると感じる」と言を重ねたとか。何でしょうかね、この場合の「ジャーナリズムの根幹部分」とは。また、ご丁寧に、アメリカのバイデン大統領の会見にご自分がご出席なされた時、マイクなしで質問していた様子を紹介したとか。つまり、尾形氏としては自分はバイデン大統領の会見にも出席したことがある、著名なジャーナリストなのに、何故、発言させないのか(私にはこう読めました。これは私の感想です!)、と怒っているとYahooニュースにピックアップされていました。

さて、皆さんは「西山事件」、別名「外務省機密漏洩事件」という出来事、ご存知ですか。
1971年の日米沖縄返還協定調印に際し、日本政府とアメリカとの間に密約があったことを毎日新聞の西山記者が突き止め、報道しました。しかしそれは、外務省の女性事務官にお酒を飲ませて強引に性的関係を結び、その女性に機密文書を持ち出させたので、知ることが出来た情報でした。
裁判になり、報道機関の記者が公務員に秘密漏洩を唆すことの違法性について争われました。西山記者側は、これに対し「報道の自由」による正当な取材であるとして無罪を主張しました。
しかし、男女関係の情を利用して情報を得た行為は法的に許されないとし、「正当な業務行為の範囲ではない」として有罪となったのです。
小説「白い巨塔」、「華麗なる一族」で知られた作家の山崎豊子さんがこの事件を題材に「運命の人」という小説を書きました。また2012年に本木雅弘さん主演でドラマにもなりました。

この西山記者は今年2月に亡くなりました。この時、西山記者の取材手法を肯定する雰囲気の記事があったことに、私は違和感を覚えました。例えば、元共同通信記者の青木理さん(この方の雑誌「サンデー毎日」の連載のタイトルが「抵抗の拠点から」なのですが、私には何十年も昔の組合の機関紙を思い出させます。「拠点」って、組合とか運動家それも交番に貼ってある、若干色が褪せた指名手配されているテロ組織の人たちが使う言葉ですよね)は、「国家の嘘が問われる、西山氏のスクープ内容が注目されるべきだったのに、女性事務官との関係がクローズアップされて、本質がずれてしまった」とも言っていました。もちろん、非難轟々。そうりゃ、そうです。まるで女性事務官との関係は瑣末な事であり、俺たちゃ、国家と相対しているんだから、方法をいちいち省みちゃいられないと言わんばかりですから。

恐ろしい事に、取材目的のためなら法の逸脱、倫理の逸脱は認められるとでも思っているジャーナリストが結構、存在しているのです。私のイメージでは、2022年に刑期満了で出所した女性テロリスト重信房子氏を、今だに反体制の女神のように崇め奉っている世代のジャーナリストたちが該当世代かと思っていました。出所後のインタビュー記事で、彼女の言は重要だとか何とかだとか書いていた人が結構、上の年代の人だったので。でも、どうやらもっと若い世代の記者にも、この傲慢な態度を受け継いている人々がいるようです。

長い長い前置きになってしまいましたが、記者会見場荒らしの人たちはまだまだ逆襲を諦めていません。私には、その居丈高な姿と、ジャニー喜多川氏の所業を大した問題ではないと高を括っていた態度が、同じ根っこを持っているように思えるのです。自分にイニシアチブがあると思った瞬間、周囲は見えなくなります。立場を勘違いしてはいけません。

そうそう、長年の苦労が報われつつあるせいか、ハシャギ過ぎの鈴木エイト氏の「直感ですが」はやはりハズレでした。取材も確認もせずに適当なことをテレビで言うのはやめましょう。大きな問題発言をして、テレビから消えることになりますよ。

また、2回目の記者会見の司会役、元NHKの松本アナウンサーが現役時代、スタジオでAD(ちなみにNHKにはこの職種、呼称は存在しません)が掲げるカンペの脱字に激昂した、とか言う、揚げ足取り記事がありましたが、激怒するのは当たり前です。スタジオ進行の一端を司る者が、内容の間違い(誤字・脱字)のあるカンペを作るのは、弛んでいるとしか思えません。ダウンタウンの浜田雅功氏だったら、その者をドツき回すことでしょう。

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