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2019年12月 宮本浩次 / Do you remember?

 一生交わる事が無いと勝手に決めつけていた。というか交わるなんて想像すらしてなかった。自分が心底愛するシンガーとギタリストが、まさか一緒に曲を作ってくれるなんて思ってもみなかった。しかも良さを引き出し合いまくってるときた。お互いリスペクトし合ってるのが手に取るようにわかる。

 エレファントカシマシの宮本浩次と、Hi-Standard/Ken Yokoyamaの横山健がタッグを組んだというニュースを見て、本当に嬉しかった。宮本浩次のメロディーメイクと魂の歌、横山健の疾走感と極上のコーラスワーク。それがもうがっぷり四つで、誤解を恐れずに言うと「もしも、宮本浩次がメロディックパンクをやったら!」の最高の答えがそこにある。

 宮本浩次の作るメロディには、どこか童謡のような懐かしさと、80年代歌謡的な切なさを持っている。きっとNHK東京児童合唱団にいた事で養われた感覚なんだと思うし、テレビやライブで数々の歌謡曲カバーをやっているのを見ても、あの頃の歌謡曲を良く聴いていた事がわかる。余談だが、武道館で観た荒井由実の「翳りゆく部屋」のカバーは衝撃の良さだった。と、まあ、そういった経験から湧き出てくるメロディーセンスなんだと思う。

 そして横山健の編曲である。この人の特質って、メロディックパンクのバンドサウンドの作り方も然る事ながら、実はコーラスの作り方にあると思っている。声を重ねる時のそのハモの作り方というか、主メロに対してどの音をコーラスとして当てに行くかのセンスがすごい、と素人ながらに思う。そしてその特質こそがハイスタ〜Ken Yokoyamaに連綿と続き、しかもメロディックパンクシーンを作り上げた所以でもあると言い切っていいと思う。それとは関係ないが、カップリングのビートルズカバーのコーラス(これはビートルズがすごいんだけど)なんて、すんごい難しい事してます。

 トップミュージシャン同士の共作がこんなにバチっとハマる事って希な事だと思うので(笑)、聴いていない人は絶対に聴いてください。あとPVも生々しさが凄いのでこちらも絶対に見てください。よろしくお願いします。

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