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パスワーク 19 太陽

夢日記 0822「19太陽」第一夜

12の玉が円形にならんでいる。私はその12の玉を巡礼している。
一つひとつの玉は人格を持っている。男性人格も女性人格もいるが、どちらかというと女性人格の方がおおいようだ。

それぞれの人格は「玉」とそれを包むカバー(袋)を持っている。
それぞれの玉は一様に透明で、カバーにはそれぞれ異なった奇怪な模様が入っている。
人格がそのカバーをリストバンドのように腕にはめるていることもある。

私は12の人格の一人ひとりに会って、玉とカバーを見せてもらいながら、それぞれのプレゼンテーションを聞く。
評価するのは私ではなく、誰かだ。天の声みたいなもの。
プレゼンテイターはその天の声の評価に一喜一憂する。達成度が高いものもいればそうでないものもいる。
しかしながら、一番低い達成度でも50%は超えているので大丈夫らしい。

私は12の玉をまわり終えて、2巡目に入る。同じことが繰り返されるが、前に見た時よりも洗練されてきた。
玉の透明度が上がっているし、それぞれの人格の輪郭がはっきりしてきた。

いま私は3巡目の巡礼の途中にいる。玉たちの人格はますます洗練されている。
私はそれぞれの人格と短い会話をしている。世間話のようなものだ。

12の玉が配置されたサークルの中心にはもう一つの玉がある。玉というよりも大きな丸石のようなもので、まわりの玉のように透明ではない。それに玉よりもかなり大きい。

場面は変わって、私は自分の部屋の中にいる。
部屋はすでに腰高くらいまで水に浸かっていて、これから荷物をまとめてここを出て行こうとしている。
図面といくつかの資料を円筒形の図面入れに入れて、別の場所に移動して仕事を再開しようとしている。
どうやら何かを作っているようだ。設計図面はほぼ出来上がっている。


夢日記 0824「19太陽」第二夜

いくつかの岩石が地表から浮かび上がって配列をなす。
次々と岩石が浮き上がり、立体文字のようなつらなりが中空に浮かんでいる。
私は東西南北それぞれに向き直って中空に浮かぶ岩石の立体文字を確認する。数はどんどん増えてくる。
東西南北はそれぞれ黄色い砂漠が、草原が、荒地が、そして澄み切った青い空がどこまでもひろがっている。
気がつくと私はあたり一面の青い草原に囲まれている。風がわたる。イギリスの田園風景のようだ。
視界の果てまで岩の連なりが浮いている。まるで中空に浮かぶストーンヘンジだ。
これらはやっぱり文字なんだろう。それを読め、と言われているようだ。なぜか部分的に意味がわかる配列もある。「Y」の文字の下端を跳ね上げた形の5,6個の岩の連なりは「女性性」を意味しているはずだ。私は他にもなにか思い出せないか、懸命に集中する。
さて、これからこの膨大な石文字をどうやって読み解けばいいのだろう。

場面が変わる。そこは駅に連なる巨大なショッピングモール。長大な建物が線路に沿ってV字型に配置されている。
私は今その建物の地階にいる。地下は巨大な病院になっている。
深夜、私はその地下病院を彷徨っている。真っ白い光の空間。私はそこでなにかを探しているようだ。

建物の端まで行き着くと人の気配があった。中二階にカーテンで仕切られた診察室のような一角がある。私は階段を登って診察室にたどり着く。
いくつかの寝台のうえには人が横たわってチューブで繋がれている。
ドクターらしき白髪白衣の、眼鏡をかけた老人が近寄ってくる。彼は私を椅子に座らせスキャナーのようなもので頭部を走査する。ドクターは私の正体を知っているようで、モニターのなかに私の姿を映し出す。
「おまえの正体はわかっているんだ!」
突如、そのドクターが私に襲いかかってくる。鬼のような形相だ。たまらず私は逃げ出す。

床の上には患者がチューブに繋がれて転がっている。
異様に体長の長いもの、手足のないものや切り離された手足が袋詰めにされている。
私はそれらを踏まないように飛び越えながらその場所を脱出する。追いかけてくる気配はない。

ふたたび私は地階の病院を彷徨っている。どこにいるかわからなくなったのでいったん地上に出ようと、階段を登っていく。
すでに夜が明けて、ショッピングモールは大勢の人で賑わっている。
私はもう一度診療所があった場所に戻らなければならない。
地上から目星をつけて、もう一度その場所に向かって移動していく。


夢日記 0825「19太陽」第三夜

無数のイメージの断片が浮かび上がっては消え、消えてはあらたに浮かび上がるような夢でした。
それぞれに会話しているような感覚もあったのですが、よく覚えていません。

その無数のイメージのなかで最初から夢の中の向かって右位置にダビデ像のカードが張り付いて、これはいったいなんだろうと思いながら、私はダビデ像のイメージを他の何かに変換しようとしています。カードの左隅には文字が書き付けられているのですが、細かすぎて読めませんでした。

場面が変わって、私は友人夫婦の家に泊まっています。
そのうちには女の子と男の子の兄弟がいて、私はそのふたりと遊んでいます。
男の子の方はとても小さくて、動きがとても敏捷で、あとになって考えるとあの子たちは人間じゃなかったな、と思いました。

友人夫婦の奥さんの方は私の幼馴染で、私がいる前でも全裸になって楽しそうに踊っています。
夫の方もとくに気にしていない様子です。
翌朝目覚めて、私は着替えを済ませ、朝食のテーブルにつきます。
夫の方はこれから出勤しなければなりません。会社まで30分くらいかかるそうです。
幼馴染といっしょに彼を見送って、私は荷造りをしながら出発の準備をしています。

覚えていられたのはこのふたつだけでした。


夢日記 0829「19太陽」第四夜

10の夢がいくつか。
いろいろなシチュエーションで4と6を変換しながら結果的にそれは10のセットになる。
夢の中ではそれぞれが10と認識されるようだ。

あるとき私は逃亡中の犯人で官憲から逃げている。
刑事の一人をバスルームに誘い込んで、そとから鍵を閉める。
時間稼ぎはあっさり潰えて、ついに私は追い込まれる。
刑事に拳銃を突きつけられた。これで終わりだなと覚悟したところ、部屋の外から銃弾が発射された。
刑事は背中に三発の銃弾をあびて即死。けれども同時に刑事の銃から私に向けて一発の銃弾が発射され、その銃弾は私の喉元から侵入し、体の中をえぐって下腹部に達する。不思議と痛くはないのだが、体の中を通った銃弾の違和感を覚えている。
私は救急車で病院に運ばれ、気がついた時にはベッドの上にいた。誰かが私になにか食べさせようとしている。

あるとき私は学校の校長で、二人の来客の相手をしている。
若い女と着物を着た年配の貴婦人だ。
授業が終わって解散ということになったが、教頭がお客さんたちを食事に誘っている。
私は気が進まなかったが、老婦人のことが気になっていたので相手をしようかどうか逡巡している。
窓の外は雨が降っている。

あるとき私はコンピュータに向かって設計の作業をしている。
ファイルを立ち上げるとそれは天使の羽の設計途中の図面だった。
ドキッとした。その設計作業は現実には携わったことのない仕事だったが。たしかに設計したことを覚えている。未来の記憶だ。あるいは別の夢で設計したのか。夢のなかに続く広大な空間が目の前に広がった。設計のディテールもすべて記憶にある。なんという広い世界だろう。私は感動している。

あるとき私は宝くじが当たった。ネットで買えるナンバーズだ。賞金は10億円。目の前のパソコンのモニターにそのことが表示されている。
やっと準備が整ったな。このお金を誰と誰に配ろうか、考えている。

他にもエピソードがあった気がするが思い出せない。
そのすべての夢が10になっている。


夢日記 0831「19太陽」第五夜

人がおおぜい集まって祭りの準備をしている。

ある人はコロボックルのような小人が10人入った小さな船を目の前にして、忙しそうに働いている。小人たちは小船の中でがやがやと騒々しい。
「これから人をたくさんつくらなきゃ」とその人は言っている。

ある女の子が誰かに向かって話している。
「わたしはXXをもっているのよー、OOもあるのよー」と自慢げだ。
私はその女の子に向き直って注意する。
「何かを持っているとか、持っていないとか、人前で話さないほうがいいよ」
まわりのみんなも頷いている。

「イネー クゥイリーヌス」という名前の書物が目の前にある。
夢の中では、それは小さな人(のために)という意味だったのだが、目覚めて調べてみたけれど該当するものはない。
クゥイリーヌスというのはたしかにローマ神話の神様の一人らしいけれど。
その本の色や装丁もはっきり覚えている。表紙には一本の樹が描かれていて、その上下にタイトルがあった。内容は、人の作り方のようなものだった。

いろいろと教えてくれようとしているのはありがたいのだが、いまのところさっぱりわからない。


夢日記 0901「19太陽」第六夜

部屋の中で私を含めて3人の魔物が会話をしている。
私たちの顔は悪鬼そのもので、口が裂け、頭から2本の角が生えている。
私が連れてきた友人は、私の目の前でまわりの若い人たちを吸収して魔物となった。
その友人の魔物は口から三つの肉の塊をはきだした。3人の小鬼(インプ)である。
もうひとりの魔物がまわりにいた若者たちにちょっかいを出そうとしている。
「やめとけよ。そんな若い奴らに手を出すのは」私はその魔物に注意してドアを開けて外に出ていく。
その後また別の魔物があらわれて、竜の首を逆さに抱えてドアのそばに立っている。

この夢も「10」の刻印が記されていた。
このところ執拗に10アピールが続いています。なんなんだろう?
どの夢もいっけん10とは関連がなさそうだが、しっかり10を主張している。
3人の魔物、3人のインプは10運命の輪のようでもある。

場面が変わって、友人の結婚式。これも10だ。
私たちは石造のお城のようなところに集まっている。
新婦の両親が花嫁のために特別に着物デザイナーに頼んで花嫁衣装をデザインしてもらった。
そのお披露目がおこなわれる。

その衣装は着物というよりは、着物を使ってアレンジしたジャケットとパンツの2ピース。いまは年配のモデルが着ている。
全体にビーズをあしらっており、見た目はビーズのガマ口を上下にくっ付けた格好だ。妙に地味だし、カエルのようにもみえる。
当のデザイナーにとっては自信作らしく、彼女は誇らしげな顔をしている。
私も含めそれを見ているものは、まったくピンときていない、むしろ場違いな衣装だと感じている。だが誰もそのことを口に出すものはいない。

私は友人の新郎と話している。
「まだ試作段階とはいえ、すでにかなりのお金もかかってるよなー。やり直しがきくのかな」
「そうだよな。いまさらな。両親は気に入ってるみたいだし」
私は新郎とは共通の友人である元妻のデザイナーに聞く。
「あの服どう思う?忖度のない意見を聞かせてくれ」
「そうそう、正直なところが聞きたい」友人の新郎も言う。
元妻はなにも答えずにいなくなった。

私たちはお城の窓の下を歩いている若い娘に声をかけて同じ質問をした。
「あの服どう思う?」
若い娘は、「あまりピンときませんね」正直に答える。

やっぱりそうだろうな。やれやれ。

私たちはお城の地下にあるバルで食事をしている。
結婚式の関係者がたくさん集まっている。
地下にはそのバルの他に数軒の飲食店が軒を連ねている。その一軒に顔見知りを発見した。
「きみ、どこかで見た顔だねー」私はマスクを付けたその男に声をかける。
「ああ、松岡さん。すぐわかりましたよ。ぼくたちここで実験的に出店させてもらってるんです」その男は言う。彼は私の後輩だ。

私はお城に接続しているショッピングモールを通り抜けて自分のホテルにもどった。私は紺のスーツに赤いネクタイをしている。目の前にボロボロのスリッパがあったが、なんだかそれを履く気がしなくて下駄箱から別のスリッパを取り出して履くと、そのまま階段を登って自室に向かう。


夢日記 0902「19太陽」第七夜

私のまわりに4と6の岩石があり、私をを守るように周回している。
あるとき私たちは同時に目覚めた。私と私のそばにいる二つの衛星。
そのとき「あれっ、太陽はどこだ」3人は思った。

私たちはどの星の周りをまわっていたのかわからなくなっていた。
私はそのとき太陽ではなかったし、私たちが見慣れた目の前の太陽は私たちの周回すべき太陽ではなかった。

私と二つの衛星はお互いを見合って「探さなきゃ」と呟いた。


夢日記 0909「19太陽」第八夜

古い大きな旧家のなかで騒ぎが起こっている。
お父さんの姿が昨日からみえないと、そのうちの娘が心配している。
詳しい事情は私にはわからないが、私とそのうちの娘とはかねてからの知り合いである。
私はその娘と一緒に彼女の父親を探すことになった。

じつは私は最初から嫌な予感がしていた。大きな屋敷の部屋をひとつ一つ確認しながら、ついにその座敷の前に立つ。
私は思い切って襖をあける。目の前に彼女の父親の足がぶら下がっていた。
娘は絶句して顔面が蒼白になっている。
私はひとりその座敷の中に入って行った。

2M近い長身痩躯の男の巨体が天井からぶら下がっている。
彼女の父親は外国人だ。長い髪が顔を覆っていて顔は判別できないが間違いないだろう。
天井の一部が取り外されていて、四角い真っ黒な穴が穿たれている。ロープはそこからのびて男の首に巻き付いている。

男はどうやってロープを首にかけたのだろう。見渡したところ踏み台になるようなものはどこにもない。
ふと見ると座敷の反対側に押し入れがあり、その襖が開いていた。どうやら押し入れの天井から天井裏をつたって天井からロープを落としたようだ。だが天井の穴は小さすぎて男が通り抜けることは困難に見える。

とすると、自殺ではないのかもしれない。
私は110番に電話した。すぐに警察がやってくるはずだ。
私が第一発見者ということになるだろう。やっかいなことになりそうだ。

でもなぜだか私はそこに男が吊るされていることをあらかじめ知っていたような気がする。
もしかしたら私が男を殺したのかもしれない。記憶がそこだけ欠落している。
私は玄関を出て警察が来るのを表で待っている。


夢日記 0910「19太陽」第九夜

ここは見渡す限りビルが立ち並ぶ都市である。
街のいたるところから白煙が立ち登り、ところどころに倒壊したビルの姿も見てとれる。
空には暗灰色の雲が重くのしかかり、ときおり雲の中で閃光が弾ける。空の飛行物が次々と爆発し地上に落下してくる。

いま目の前を白いイルカ型の飛行艇がまっすぐ鼻先を地上に向けて垂直に落下してくる。視界のなかでどんどん大きくなる飛行艇を目視で追尾しながら、私たちはかろうじて着地点から身をかわすことができた。
大きな爆音と共に炎が立ち上がり、逃げ遅れた人々はその爆風で吹き飛ばされ粉々になった。

地上では空からの落下物を避けようとする大勢の人々が蜘蛛の子を散らすように逃げ惑う。
何らかの原因で推進力を失ったすべての飛行物や人工衛星が地球の重力に引っ張られて地表に激突している。
私たちに逃げ場はない。

場面が変わって、友人が女の人と一対になってワルツを踊っている。
音はまったく聞こえないのだが、ふたりを見ているとワルツが流れているような気がした。いち、に、さん。いち、に、さん。友人と女の横顔が規則的に現れては消える。
繊維会社のCM映像の撮影だろうか。東レの化学繊維の布を二人はすっぽり被って頭だけを出している。
青紫色の伸縮自在でシースルーの布は二人の体にぴったり張り付いて、くるくるくるくる回っている。
僕の友人は踊りが上手だ。そのことに僕はとても感心している。


夢日記 0911「19太陽」第十夜

今日は私の結婚式。海外からも親戚や友人がおおぜい帰ってくる。
厨房では叔母たちがいそがしそうに料理をしている。どうやらこの家は大家族らしい。
結婚式は自宅で行われる。親戚と友人たちが集まって祝言をあげるらしい。

私も準備のためシャワーを浴びてから、いまはバスタオルを腰に巻いた状態でリビングでビールを飲みながら寛いでいる。するとピンポーン!とチャイムがなった。バスタオルのまま玄関に出ると女学生たちが「先生荷物が届きましたよ」と刺繍入りのレオタードを持ってくる。
私はどうやら教員らしい。彼女たちは皆教え子だ。
私はレオタードを手に取りながら、これはよくおばさんたちがエアロビクスをやるときに着るものだね、女性用だよ、と応える。
私は依然、裸のまま彼女たちに応対しているので、女学生たちにはやくこの場を立ち去って欲しいと感じている。


夢日記 0912「19太陽」第十一夜

正方形を四分割した四つのマス目がある。
最初はそこに吸血鬼ドラキュラが4人入っている。
私も吸血鬼としてその中のひとマスに入っている。
隣り合ったマス越しにその四人は親しげに話している。
外でそれを見ている観察者も私で、ときどきその中の一人と交代してドラキュラとなる。

次の場面では同じマスにナースが入っている。
隣り合ったマス越しにその四人は親しげに話している。
外でそれを見ている観察者も私自身である。

場面が変わって、ある講演会に私は出席している。
ホリエモンが講師に呼ばれていて壇上で講演をしている。
「誰かのために、たとえば恋人のために仕事をすること、経営すること、頑張ることは間違っている。これは絶対に失敗する。ズルズル引きずられて抜け出せず、負債を抱えることはあきらかだ」
と四つのマス目に書き込みながら説明している。
私はちょっとホリエモンを見直した。

公演が終わった彼に挨拶に行った。
お互い名刺交換をすると、私の名刺を見て、あ、あの会社ね。彼は私の仕事を知っているようだった。
私も気を良くしてホリエモンと一緒に展示会場を歩きながら事業の問題点を話し合っている。
そして私の会社のブースの前で立ち止まり商品を説明する。

「ほら、豚のお腹の中にシャンペンが入っているでしょ。」と私は豚を手に取りながら彼に説明している。「これトンペリって言うんだよ」


夢日記 0914 非公開「19太陽」第十二夜

人気が消えた深夜の地下街、私と女が争っている。
ふたりとも真っ黒なコールタールにまみれて床を転がっている。
私には争う理由はない。彼女の一方的な怒りを受け止めざるを得ないのだ。
彼女はSの姿形をしている。
なんども私にぶつかってきてはその度に床に倒れる。顔も体も真っ黒だ。

彼女が奇声を発する。自分自身を鼓舞するかのように。
私は彼女の体を横から抱き抱え立たせてやる。
彼女はなにに怒っているのだろう。

ある瞬間、突然わだかまりがとける。
私たちは自室で抱き合う。
するともうひとりの女が彼女の顔に近づいてくる。
もう一人の女は由美かおるの姿をしている。
私たちは3人で抱き合っている。

部屋を片付け始めた。
その時にはもっと人が増えている。女ばかり3、4人。
ベッドをかたずけ、床をあける。
これからそこに皆で寝ようとしているようだ。

Sと由美かおる、そして女たち。


夢日記 0915「19太陽」第十三夜

どこか山奥の仕事場、数人で作業をしている。
そのうちに昼食の時間になったので皆で街に出ることになった。
仕事場の周りにはなにもない。樹々に囲まれた静かな空間。

皆で山を歩いて下っていると小学校のグラウンドらしき、ひらけた空間に人が数人集まっているのが見えた。どうやらTVの撮影のようだ。
グラウンドの真ん中にひとりの男がたっている。
その男は預言者だか、超能力者だか、とにかくなにか特別の能力を持っているらしく、これからそれを実演しようとしている。
私たちはグラウンドのフェンスに齧り付いて、興味津々にことの成り行きを見守っていた。

するとディレクターらしき若い男が私たちのところにやってきて、これからなにかがこっちの方に飛んできますから気をつけてください、と注意して去っていった。
突然、雀の大群が回転しながら私たちを取り囲んだ。まるでヒッチコックの映画のようだ。
雀は私たちの周りを円を描いてくるくる回っている。ときおり私たちの体にぶつかってくる。

私の顔に一羽のスズメが飛んできて頬をかすめた。
そのときの雀の体温がいまでも私の頬に残っている。
雀ってこんなに暖かいんだ、と私は感動している。

私たちのなかの一人がディレクターに掛け合って、助手にしてくれないかと頼んでいる。どうやら彼は採用されるようだ。

場面が変わって、私の自宅。
モニカ・ベルッチが私の父と結婚することになった。
父のどこが気に入ったのか、私はそのとき不思議でしょうがなかったが、きっと父にもいいところがあるのだろう。
それにしても私にとって、あの絶世の美女と一つ屋根の下で暮らすことになったのだからこれはこれで喜ばしいことだ。
しかしモニカは会ってから終始浮かぬ顔をしている。
私は心配になって声をかけた。

「ねえ、ちょっと疲れてない?大丈夫?」

彼女は母と連れ立って出かけようとしているところだ。髪の毛は大半が抜け落ちてほとんど残っていない。
彼女はありがとうと、小さく頷いてそのまま出かけていった。

ふたたび場面が変わって、
私は地球や他の惑星を長い針金のような軸に突き差して、自分の周りを振り回している。
それがほとんどおもちゃのようで、繊細さのかけらもない造りだったので、ちょっと雑すぎるな、と感じている。


夢日記 0920「19太陽」第十四夜

白い円形の、石のような、いやもっと軽くて柔らかなマカロンのようなものを四つあつめて私は自由になった。

私は自転車に乗って坂道を下っている。私は裸足で、冷んやりした金属製ペダルのトゲトゲが足の裏に軽く食い込む感覚がたしかに残っている。まわりは住宅街のようだ。深夜だから窓の灯りも消えてとてもひっそりしている。
何処に向かっていたのかわからないのだが、私はたぶん目的を果たしての帰り道。上り坂を懸命にペダルをこいでいる。
前方左側に車が路上駐車していた。そしてタイヤの下から真っ黒い影がニュルルと出てきたのがみえた。真っ黒いヘビだ。しかもそうとう大きい。10Mをゆうに超える大きさだ。黒蛇はまっすぐ私の自転車めがけて走ってくる。私は黒蛇の大きな頭めがけて前輪から突っ込んだ。ボンッと音がして自転車は弾き返された。最初は怖かったのだけど、ぶつかった瞬間何かが交換された感じがして安心するとともに嬉しくなった。

同じ街でわたしは友人のスエノ君と乗り物に乗っている。自動車だか、自転車だかよく覚えていないのだけど、風を切る感覚はおぼえている。車だとしたらオープンカーだったろう。
スエノ君の運転する車はそのまま町外れの林の中に突っ込んでいった。林の中は羊歯が生い茂っていて、そのなかに小さくて灰色の硬い肌をもったミニチュア恐竜がシュルシュル走り回っている。
恐竜は種ごとに集団をつくって木立の間を激走している。ラプトルの集団もあれば、ブラキオサウルスやステゴサウルスの集団もいる。それらが塊になっているところを車はよけながら走っていく。
どうにも立ち行かなくなって二人は林の中で車を降りる。とたんにミニチュア恐竜たちに囲まれる。私は飛びかかってくるそれらを振り払いながら、ふとスエノ君のほうを見るとコアラのような恐竜に抱きつかれて立ちすくんでいる。全身が真っ青になり、赤や青の血管が浮き出ている。目つきもおかしい。どうやら怪物に取り憑かれたようだ。

場面が変わって私は弟とふたりで町外れのドーナツ屋に来た。
かなりの繁盛店らしく店先に人が並んでいる。私たちは注文だけ済ませてそれぞれ時間を潰しに散歩に出かける。
かなり時間が経った後で店を覗いてみると、おおかた客は引けたようだが店主は相変わらず奥の厨房で粉をこねている。
店主は申し訳なさそうに言う。「ごめんなさいねー時間がかかってしまって。急にお友達の注文も入ってきて、もう少しお待ちくださいね」
作業台の上を見るとドーナツとはとても思えないくらい大きな小麦粉の塊とキャベツの千切りが二つのお皿に準備されている。とても美味しそうだ。
「いや、大丈夫ですよ。ゆっくりやってください。待っていますから」私は店主に声をかけてから弟の姿をさがす。


夢日記 0921「19太陽」第十五夜

おおぜいの友人たちと一緒にいます。たぶん友人たちの一人の家でしょう。
部屋の中には誰が捕まえてきたのか、たくさんのクワガタやカブトムシがいます。
特にクワガタは種類も多く、ノコギリクワガタやオオクワガタ、コクワガタなどがそこらじゅうを這い回っています。
ひときわ大きな黒光りするカブトムシが私の足元をごそごそ這い上がってきて、爪が足の皮膚を引っ掻き、私はたまらず手で払い除けます。
誰かがふざけて私の手に小さなクワガタをのせます。クワガタは手のひらの上で右往左往しながら人差し指の先まで登って行って、指の先端の柔らかいところを思いっきり噛みます。イテっと叫びますが、動かすとますます顎が食い込んでくるので、指を噛ませたまま私はしばらくおとなしくしています。友人たちは面白がって次々にクワガタを私の手のひらに乗せてきます。クワガタたちは人差し指に集まってきて指の先端を集中的に噛んできます。3匹までは我慢できたのですが、4匹目に噛まれた時に、イタタタっ、あまりの痛さに耐えきれずにウワッと飛び起きます。

場面が変わって、いまは工事中の建物のなかにいます。
原発関連の建物のようです。先に来ていたセーラー服姿の女子高生たちのグループが写真を撮りながらレポートを作成しています。
「原発関連の施設ができるなんて聞いてた?」「聞いてないよねー」女子高生たちは非難のこもった口調でそれぞれに呟いています。
ここは工事中の建物なのでところどころに穴が開いたままで柵もまだ取り付けられていません。
危ないなー、と私は思いながら彼女たちの足元を注意して見守っています。
コンクリート造の躯体は柱も梁も骨太で、いちめん灰色の空間です。見上げると未完成のトップライトから陽が差し混んできていて、建物内部に舞い上がったコンクリートの粉塵を透過して白い光の幾筋をつくっています。工事現場なのに不思議と荘厳な雰囲気です。まるで教会のような。
今私たちは二階のフロアにいますが、片隅には黄色いヘルメットを被った数人の作業員がまだ現場作業を続けています。突然の侵入者たちを注意する気配もありません。そもそも工事中なのに仮囲いもなく、出入り自由のようです。
ひととおり内部を見学した後で私は二階のエントランスから外に出ました。建物は一階に大きな階段がついており、そこを登って二階が正面玄関になっています。
まだ床が貼られていない梁の上を綱渡りのように渡っていくと、誰かが正面階段を登ってくる姿が見えました。
ボロをまとったホームレスのおじさんのようですが、なにやら不穏な雰囲気です。
私は咄嗟に梁の下にかくれました。おじさんは私の頭上を軽々と飛び越えます。そして振り返って私の顔を凝視しています。たぶんこの施設の関係者だと勘違いしたのでしょう。
おじさんは傍にあったコンクリートブロックを手に取って頭上に大きく振りかぶります。私は梁の隙間に挟まって身動きが取れません。
ブロックが振り下ろされ私の頭に直撃しようとする瞬間、ウワッと飛び起きました。


夢日記 0922「19太陽」第十六夜

この日は格闘技会場のような場所にいます。
目のまえに数字が描かれた石がならべられており、1から30くらいまでありました。
3とか5とか8とか、ところどころ数字が枝分かれしているところがあり、意味はわからないのですがそこが重要であるらしいことはわかりました。
いずれ強者揃いの参加者たちはそれぞれ勝ち上がってゆき、最後に私と三山さんという選手が決勝を戦うことになりました。三山さんは3とか5とか8とか、重要な数字に該当するらしいです。
三山さんは短髪で目の上に傷があり、舌が恐ろしく長いのが特徴です。ベロベローっと舌を出して見せてくれました。体格は私と同じくらいで案外にひとのよさそうな好人物でした。
決勝戦のルールはそれまでとまったく異なって、お互いの両手に鎌のような刃物を手にし、向かい合って左右の刃をかみ合わせます。ダンスのポジションのようなその状態で足元に転がる石でできた六つのボールをドリブルするというものです。
私と三山さんはぴったり息を合わせて六つのボールを高速でドリブルしながらグラウンドを疾走します。特にゴールがあるわけでもなく、二人は戦車のように人や草木を薙ぎ倒しながら進んでゆきます。まわりの観客もそれを見てたいへん盛り上がっています。

休憩時間に私は会場の周辺を葉っぱを噛みながら散歩しています。
見知った顔が忙しそうに仕事をしています。刈った草をせっせと集めて小山を作っています。これから乾燥させて燃やすのでしょう。私以外はみな働いています。

いつのまにか雪景色になっていて、どこからか2匹のマルチーズが飛び出してきました。私に向かってキャンキャンと盛んに吠えています。小さいけれど凶暴そうな2匹の犬から逃れるために私は家畜小屋に逃げ込みます。そこには大型犬や狼がたくさん休んでいて、ここまではマルチーズも入ってこないだろうと考えたからです。
その家畜小屋には最近入ってきたホッキョクグマがおり、おとなしいのは私も知っていたのですが、鼻を付き合わした瞬間、私は急に怖くなり家畜小屋を逃げ出します。
背後でクマが私を追ってのっそりと動き出す気配を感じて、私は懸命に走るのですが積もった雪に足を取られなかなか前に進みません。私は2匹のマルチーズの足を捕まえて両手で振り回します。背後からクマがのしかかろうとする瞬間、ウワッと飛び起きました。

場面が変わって、その年の最後のゼミが行われています。竹山先生を含む12人が輪になって今年一年の感想を一言づつ述べています。私の右隣のひとから始まったので私は最後の発表になります。結局時間切れで私は話すことができず残念に思っていたのですが、その後友人との雑談で私はこう話しています。ヨーロッパで核戦争が始まったからこれから街の治安がいっそう悪くなる、強盗も増えるだろう。強盗防止協会をつくらなければならない。
店の玄関に銃のイラストが描かれたステッカーを貼って、この店は武装しているよ、ということを自ら宣言するのです。強盗防止協会はこのステッカーを各店舗に販売するらしいです。友人もその話にたいそう乗ってきて、これからの詳しい手順を二人で話し合います。


夢日記 0923「19太陽」第十七夜

大きなホールにいます。
私と連れの女の子はいま会場についたばかり。
入社式なのか、入学式なのか、とにかくなにかの式典が始まろうとしています。
「キリンさん、一番キリンさん、キリン」と壇上から出席をとっています。
私の名前です。
予定より早く始まったのか、わたしたちが着いたときには式典が始まっていました。
私たちは席について、呼びかけに「はいっ!」と応えました。
壇上にいた主催者と思しき人は気づいていながらそれを無視します。
私はまた大きな声で「はいっ!」と応えます。反応があるまで「はいっ!」と繰り返します。
進行役の壇上の男には明らかに悪意が読み取れたし、私たちは時間に遅れたわけではないので、臆することなく存在を主張します。
まわりもそんな様子を見てどよめきます。
ついに壇上の男も折れて私たちに反応します。
「キリンさんは後で呼びますから」男は言います。
「いいえ、最初にやってください。私たちの順番ですから」私は男と対峙します。

キリン?という名前がどこから出てきたのか、ずっと考えています。


夢日記 0924「19太陽」第十八夜

最近の夢はポジティブな印象の夢が多いような気がします。
今日の夢は三桁の循環する数字があらわれ、最後に元の数字に戻ります。
それが何度も繰り返され、最終的には「J10」という公式が残ります。この数式を開くと「110」という数字になります。少し見方をかえればそれが「810」になります。
私は夢の中で「あ、これ重要」と思い、枕元のノートに「J10」と書きつけます。それもわざわざイラストレイテッドな字体で描きます。
一旦目覚めてからノートに書き込んで、また眠ったのかと思っていたのですが、それ自体が夢の中でした。目覚めたらノートにはなにもありません。
わすれるなよ、ということでしょう。

せっかく念入りに教えてくれて、あるいは思い出させてくれ、記憶させようとしているようですが、意味はまだわかりません。
昨日の「キリン」の呼びかけといい、念入りなのが特徴です。
本体にしてみたら、「いい加減わかってくれよ」という感じなのでしょう。


夢日記 0925「19太陽」第十九夜

四つの透明なキューブが正方形に配置されています。
キューブのなかには水が入っていて、そのまわりも水で満たされているようです。

まわりの水からキューブのなかに水を採取します。私はその分量をいろいろと試しています。
実験室のなかで目の前の試験管の中にスポイトで雫をたらすような感覚です。
どうやら分量は問題ではなく、水そのものに意味があったようです。
一つのキューブに水の一滴をたらした瞬間に四つのキューブはつながり、すべてを共有するようになります。
すべての感情と過去から未来におよぶ記憶や「意」そのものが繋がっていきます。

あーそうなのか、と夢の中で納得します。
水が媒介してるんだねー、というか感情や記憶は水そのものなんだねー、と最初は幸せな気持ちになり満足しますが、次にこのことをどうやって言葉で表現すればいいのだろうと思考しています。

ただ雫が水面に接して全体に広がる幸福な感覚だけが後に残っています。

「キリン」「J10」「水の記憶」ときていますが、もっともっとわかりたいという欲望が芽生えてきます。はてしないです。


夢日記 0926「19太陽」第二十夜

飛行機の機内のなかにいます。
上空で問題が発生したらしく、機体に大きな穴が開いています。
ただ一人の女性の乗務員が穴に吸い込まれ外に放り出されようとしています。
彼女はかろうじて機体のふちにつかまりながら叫んでいます。

「パスポートを!パスポートを!」

私は近くの座席に引っかかっていたブルーの紐付きのパスポートを手にして乗務員に近寄ろうとするのですが、時すでに遅く女性乗務員はついに空に消えてゆきます。

このパスポートは通常のものとは違うようです。なにかのKEYになるようです。
機内には私ともう一人の女性の乗客しか残っていません。操縦士はいるのでしょうが、私たちからはその姿が見えません。私はそのパスポートを預かることになります。

飛行機はいつのまにか無事に着陸したようです。
場面が変わって私は部屋のなかで機内に最後に残った女性と一緒にいます。
私は何度聞いても彼女の名前を発音することができません。
「ヨ・ア・ニ!」何度も彼女は自分の名前を繰り返します。少しいらついているようです。
一緒にいるのは「ヨアニ」というインド人の女性のようです。彼女はきらびやかなサリーを着ています。
「普段は何をしているの?」私は床に横たわる彼女の隣に寝転がって尋ねます。
不思議なことに床いちめんに水が貼られています。横たわると顔だけが水面に出ます。
私たち二人は暖かい水に半身浸かって並んで横たわりながら、私の左手の指と彼女の右手の指をからませます。細くてすらっとした長い指のなめらかな感触が残っています。
そして、これからどうしようか、私たちは思案しています。

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