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パスワーク 14 節制

夢日記 0126「14節制」第一夜

正三角形、正四角形、三角柱。

平面の正三角形がある。
三辺に奥行きができ、それぞれが平面になる。正方形。
三つの正方形が組み合わさって立体になる。
そのまわりには四角く切り取られたフレームがある。
同様の手続きが四角形や五角形、六角形もあったようだが三角形だけが最後まで印象に残っている。

夢日記 0128「14節制」第二夜

正多面体が複数ある。見えるのは少なくとも三つ。
正八面体、正十二面体、正二十面体。

三つの立体はそれぞれ動物が率いている。
正八面体はトリ。正十二面体はウサギ。正二十面体はカエル。
それぞれの立体の表面には鳥獣戯画のような絵がプリントされている。ウサギとカエルとサルなどなど。

プラトン立体だとするとここには正四面体と正六面体が欠けているが、もしかしたら覚えていないだけで、何処かにあったのかもしれない。これまでの夢のなかで平面図形や三角錐、三角柱などの立体が登場したが正多面体が表れるのははじめてだ。
なんらかの進展ととっておこう。カエルの登場もはじめてだ。

ウサギは「7戦車」第十一夜のなかで「うさぎ900」というアプリケーションとして登場した。

カエルくんの今後の活躍が楽しみだ。

眠りから覚めて、まだ起き上がれずに夢を反芻していたとき、唐突に人物像が浮かんできた。
昼間、前世の話をしていたのでそれに関連があるかも知れないと思い、身構えた。

その人物は小柄なおじさん。がっしりした体つき。髪を油でシチサンに撫で付け、小さい細い目をしている。大きな白いマスクをしているので表情はわからない。鼠色の背広に薄茶色のズボン。靴は黒い革靴だったと思う。右手に茶色の中折れ帽を持っていて、いまは右肩のところに下ろしている。挨拶をしようとしているようにも見えるが、無言で突っ立っている。左手にカバンを持っていたかどうか、曖昧だ。

そのおじさんはウチの窓から斜めにリビングルームを覗き込むように立っている。その窓は私の夢の中では特別なアイテムで、黒騎士や大きな黒い狼犬がのぞきこんでいたり、幽体離脱のとき壁抜けをしたりする特別な出入り口なのだ。
私は目があったときギョッとした。まったく見覚えのないおじさんだ。

誰だろう? 
どなた様ですか、と尋ねようとしたがそのまえに消えてしまった。

死神のひとりか?そんな雰囲気もある。そういえば私自身が死神だということもある。前世の一人だとしても、これじゃあさっぱりわからない。
今でも鮮やかにおじさんのイメージが残っている。おじさんは取り敢えず挨拶に出てきただけなのかな?


夢日記 0202「14節制」第三夜

このところ続けて「3」の夢ばかりみる。

三つのモノ、あるいはテキストが平行に並んでいて、そのなかの二つは輪郭を保っているのだが、残りの一つはカタチが定かでない。ずっとそこに囚われていてなかなか抜け出せないでいた。

今日は残りのひとつが分解して四つになりその一つはワンドの1だった。

ワンドの1はどんどん上昇しソードの1に変わって剣そのものになった。

これから誰かを殺しに行かなければならない。誰を殺せばいいのかと考えていたら、それは自分自身だった。私は剣を右手に持って私を殺しに行った。

臨済録の有名なフレーズで、
「仏に逢うては仏を殺し、祖に逢うては祖を殺し、羅漢に逢うては羅漢を殺し、父母に逢うては父母を殺し、親眷に逢うては親眷を殺し、始めて解脱を得ん」
というのがありますね。
私は若い頃、これらの殺す相手の中になぜ自分は入っていないんだろうと思っていましたが、あらためて読み直すと仏も祖も羅漢も父母も親眷も全部自分のことなんですね。

そういう意味で、私はこれまで大量に殺しまくってきたような気がしますが、まだまだ殺し足りないということらしいです。


夢日記 0203「14節制」第四夜

六面体がある。
青と黄色と赤の面があり、それぞれAくん、Bくん、Cくんが受け持っている。
白と黒の柱もあったかもしれない。
そして六面体の内部には卵があり黄身が浮いている。

六面体はその卵を育てるため、あるいは治療するためのものであるらしい。Aくん、Bくん、Cくんは楽しそうに会話しながら仕事をしている。六面体の形がどんどん変わってゆく。
ABCの彼らには人格というものがない。つまり人間態ではない。
若くていたずら好きの、好奇心旺盛な精神のエッセンスようなもの。もしかしたら天使かもしれない。
私はその作業を俯瞰した視点からただ眺めている。

場面が変わって、
私は山の中、深い切り通しの道を車で走っている。
突如大きな揺れを感じた。地震だ。それもかなり大きい。
頭上から落石があればひとたまりもない。私は切り立った崖を見上げる。いまにも岩が落ちてきそうだ。
前方ににトンネルが見えるのだがトンネルも落盤の可能性がある。
どうしよう? 私は躊躇しながらも思い切ってトンネルに突っ込んで行った。

古い時代のトンネル。かなり長い。前方に小さな光が見える。出口だ。
私はアクセルをいっぱいに踏み込んで全速力でトンネルのなかを走る。
突然天井が落ちてきた。車の上から土砂が被さってきてもうダメかと思った瞬間、間一髪すり抜けた。

なおも全速力で出口に向かっていると、轟音とともに前方の光が消えた。出口が落石で塞がれたらしい。
しまった、完全に閉じ込められた。後続の車両もない。真っ暗なトンネルのなかに私ひとりだ。

もしかしたらさっき落盤した場所から地上に出られるかもしれない。私は思い立ち、車をUターンさせて落盤した地点に向かう。

ふたたび場面が変わって、私は友人たちと古い田舎家に滞在している。
ふと窓の外を見るとレッカー車が白いアクアを曳いて屋敷の外に出ようとしている。「5」のナンバーに見覚えがある。友人の車だ。

どうしたのだろう? 不可思議に思っていると、当の本人が庭先に出てきた。なにやらギックリ腰になって車が運転できないので車だけ先に帰すことにしたそうだ。自分もこれから電車で帰るという。

この友人は私の幼馴染で初恋の人だった。
私は彼女を駅まで送っていこうと準備していた。その間に彼女はひとり駅に向かったらしい。
私は駅までの道を早足で追いかける。
やっと追いついた時、彼女はすでに電車に乗っていた。
車両の中の彼女と目が合い、お互い微笑んだ。

さて、急いで歩いてきたものだから帰り道がわからなくなった。
端末のGPSもうまく作動しない。
しかたなくうろ覚えの道をあてずっぽうに歩き出した。
一本道だったはずなのだが見覚えのない住宅街に迷い込んでしまった。
民家の庭先を通り抜けるような格好で行きつ戻りつした結果、完全に方向がわからなくなった。

近所の住人が出てきて不審な目で私を見ている。
私はそんな住人のひとり、野良着姿のおばちゃんに声をかけた。これこれしかじかで、道に迷ってしまったのだと。

そのおばちゃんはある家まで私を案内してくれた。
その家では若い女の子たちが共同生活をしているらしく、家の中に入ると香水の匂いが鼻腔をついた。
彼女たちはほとんどが半裸の状態でみな化粧が濃い。どうやらここで娼家を営業しているらしい。こんな田舎の一軒家で? 私は不思議に思いつつも彼女たちに事情を話してしばらく休ませてもらうことにした。

いつのまにか端末が壊れていてGPSが使えない。ありあわせのもので端末を修理しようと試みる。
若い女の子たちはしきりに「遊んでいかないの?もったいない。」と誘ってくるが、私は2時に病院に行く約束があって戻らなければならない、それが終わったら夕方出直してきてもいいよ、と答える。とにかくGPSを修理したいのだと。病院に行く道がわからないから。
私は家の中にあったゴムバンドを見つけて、こわれた端末をくっつける。
完全ではないがGPSが再び使えるようになった。

ところで2時に病院で集まる用事はなんだったか。忘れてしまった。なにか大事な要件でそのためにわざわざこの田舎に私たちは滞在していたのだった。


夢日記 0206「14節制」第五夜

夢そのものは言語化できるものではありませんね。あっち側とこっち側をつなぐ架け橋として言語は有効ですが変換できるのは3割くらいかなと思います。
でも言語化する自分の傾向そのものははっきりと自覚することができて、それをさらに客観化するともう少し深入りできるようです。

その日の夕方、海岸で犬を連れた少女に出会って、「これから散歩に行ってきます、気をつけてお帰りください」と声をかけられた。よく知っている少女だ。めずらしく海岸には若い人たちがキャンプに押しかけていてかなりの人出がある。怪しげな人たちも混じっている。わたしはその少女を送って行くべきだったかなと思い直し、帰路の途中引き返した。

家に戻ってみるとそこの主人が風呂掃除をしていて忙しそうだ。芸者姿の女の人がいて私が戻ってきたことに不信感を抱いている。居心地が悪く、忘れ物をしたのでと言い訳をしながら私は再び外に出る。少女の姿はもう見えなくなっていた。

ずいぶんと長い夢だった。ほとんどおぼえているのだけど言語化できるのはこれだけ。魚の夢。


夢日記 0208「14節制」第六夜

円い大きな競技場のような場所にいる。
私はその中心に立って芋虫のような、ミミズのような立体図形を相手にしている。
図形は生き物のように動いている。
たぶんかれらは生命を持っているのだ。

「断面を味わえ!」「カタチをしゃぶりつくせ!」と何処からか聞こえてくる。

スタジアムの外に出てタクシーの後部座席にいる。運転手は父親だ。
ふいに女がタクシーに転がり込んでくる。知人の女性建築家、Mさんだ。

「おなかが痛くて、転んじゃって」彼女は言う。

運転手である父親が後ろを振り返って彼女にプリンを勧める。
「大丈夫ですか、これをお食べなさい」「はい、ありがとうございます」

私にもプリンを勧められたが私は断った。

ふたたび私は暗闇の中心にいて複数の図形を相手にしている。

電話がかかってきた。

「あなた宛に荷物が届いています。2021レストランです。荷物を引き取りにいらっしゃいますか?」

電話口で男の声がそう告げる。

私は自転車に乗って暗闇の外に出てゆく。

たどり着いたのは灯りの消えた商店街。アーケイドの十字路に立って周りを見回すと一軒だけ灯りのついた店がある。「2021」と書かれた看板が見えた。四辻に自転車を残して私は迷わずそのレストランに入って行く。

「いらっしゃいませ」

男がでてきて接客する。その男がさっきの電話の主だということが私にはすぐわかった。男は荷物の件には少しも触れずに私をテーブルに案内する。どうやら予約席を取っているらしい。

「お待ち合わせの方はいつごろお見えですか?」

男は私に尋ねる。
6時半くらいかな、私はごくあたりまえに応える。まだ1時間くらいある。

「では先にお料理をお持ちします」

出てきた皿は白身魚のムニエルとバルサミコソース。その他に無造作に白米が山盛りに盛られた何枚かの皿。魚料理はすばらしく美味しかった。白身魚はスズキだろうか。甘く香ばしい白身とバターの味が舌に広がる。バルサミコの酸味が鼻に抜ける。こんな美味しい魚料理は食べたことがない。私は冷えたシャブリを注文して飲みはじめる。

ふと気づくと隣のテーブルに今夜一緒に食事をする約束をした女性がいる。あたまにレミニスカートの帽子をかぶっている。

「あれ、どうしたの? 今晩約束しなかったっけ?」

女を問いただすがまったく要領を得ない。約束したのは夢だったのか。
まあいいや。わたしたち二人はそのまま食事をしながら飲み続けた。

朝になり、前夜のことがよく思い出せない。勘定を支払ったかどうか気になり始めた。

周りの人に尋ねてみると、勘定なら店にいた背の高い白髪の紳士が払って行ったよ。皆がニヤニヤしながらそう応じる。なんだか意味ありげだぞ。

朝がたから街はとても賑やかだ。往来を人々がせわしなく行き来している。
男も女もほとんどの人が着物を着ている。洋服姿の男もたまに見受けられるが、どうやら昨夜とは時代が違っているように思える。たぶん大正時代のどこかの繁華街。

通りで旧知の友人を見かけて声を掛ける。その友人は私を寄り合い場所に連れてゆき、誰彼となく紹介してくれる。ここには遠方から来た親分衆が集まっているらしい。多くは異形の人たちだ。

紹介された男の一人はネコ科の動物の顔をしていた。豹が一番近しいだろうか。大島紬をきちんと着こなして、充血した大きな両のまなこを見開いて壇上の演者の話をじっと聴いている。

他にもあきらかに人間態でない人たちが混じっている。そして誰もそのことを気にする様子もない。

寄り合いはいったん散会して、同じ場所で舞踊がはじまった。観客は部屋の四方を取り囲み、まんなかでダンサーの田中泯が踊りはじめる。
ああ、そうだったのか。昨夜店の勘定を支払ってくれたのはミンさんだったのか。私はその時初めてそのことに思い至る。

ミンさんはゆっくりした動きからだんだんと速度を早めて、周りの観衆の体を触りながらぐるぐると四角の中を走り出した。最初は激しく床を蹴る音が聞こえていたのだが、その音も次第に薄れてゆき、ついにミンさんの姿も見えなくなった。風になってしまったようだ。いまは風圧だけを感じることができる。観衆から静かなどよめきの声が漏れる。

やがて舞踊を終わってミンさんが身繕いをしているところに私は挨拶に行った。

「昨夜は代わりに支払いをして頂いて、ありがとうございました。」

私がミンさんに声をかけると彼は顔を上げて、

「僕はワタナベさんに言われてそうしただけだよ」と言う。

はて、ワタナベさんとは誰のことだろう? 不審に思っていると、私たちのまわりに何人かが集まってきて、コイツをワタナベさんのところに連れて行こう。誰ともなく声が上がった。そのまま私は両脇を抱えられ引きづられるようにして連れて行かれた。

ワタナベさんは数人の子分衆を後ろに従え、着物姿に腕を組んで仁王立ちしている。顔が真っ黒で、皮膚が角質化して仮面のようだった。
いきなり私の鳩尾にパンチが食い込んだ。間髪を入れず左頬に石のような拳が打ち込まれた。本気を出していないことはパンチの重さでわかる。それでも衝撃は物凄い。最後に右頬にパンチを受けて私は吹っ飛んだ。

「まあ、こんなところだろう」
ワタナベさんはそう言うと私を連れて歩き出した。

私は何のことかわからなかったが、なにかの制裁を受けたんだなと理解した。そのことについてワタナベさんも誰も何も言わない。

道すがら私はワタナベさんと世間話をしている。私の質問に対して彼はつねにはぐらかそうとするが、どうやらワタナベさんは官憲から追われている挟客らしい。つまり逃亡者だ。この街もすぐに立ち去らなくてはならないらしい。

私はもっとワタナベさんのことを知りたいと思った。
「ワタナベさんの名前を教えてください」
私はあらためて彼に尋ねた。
彼は笑うだけで答えようとしない。

そのうち子分衆がトラックを運転してやってきた。そろそろ経つ時刻らしい。

子分衆のなかには旧知の顔もある。
「やあ、久しぶり」「あれ、憶えてくれていたんですか」「気をつけて」
短いやりとりがあった後、私たちは別れを告げ、ワタナベ一家は街道を南に走り去っていった。


夢日記 0209「14節制」第七夜

円形の地図がある。
ある特定地域の地図を円形に切り取ったものだ。
その地図の中に事件現場だか、遺体の遺棄現場だかが記載されている。
私はその白地図の中に現場への順路を書き込まなければならない。

しかも最短距離でその場所に至るのでなく、独特の作法がありその作法に則って順路を作成する。
詳細は忘れているのだが、一旦は海や川に出てから海岸線や川沿いを歩いて現場に向かう仕組みだったようだ。

たぶん水が関係しているのだな。

その現場地図は何枚もあり、さまざまな事件のさまざまな死体が埋まっている。

同じ円形のなかにABBAのアグネッタが捕らえられている。もしかしたら円の中で庇護されているのかもしれない。

円の中のアグネッタと地図はなにかしら関係するものだと思われるが一連の夢の中ではわからずじまいだった。

目覚めてからいろいろ考えてみると、もしかしたらこれは人質事件で、現場の一つにアグネッタが閉じ込められているのかもしれないな、と考えた。北欧出身の女性アグネッタはすなわち異人である。
水の手順を踏んで救出しろということなのか。

場面がかわって、わたしは江戸時代にいる。

どうやら奉行所勤めをしているようだ。北町奉行所なのか、南町なのか夢では定かではなかったのだが、私のいでたちはほとんど「中村主水」のイメージだったので、南町奉行所だったのかもしれない。「遠山の金さん」ではなく「大岡越前」のほうだ。

私は奉行所の中で靴下泥棒を捜査している。
ここ最近私自身の靴下が盗まれて、とくに黒い靴下がほとんど消えている。

私は同僚に奉行所の中に黒い靴下泥棒がいるらしいことを相談している。
盗むとすれば奉行所内にあるコインランドリーでしかその機会がないからだ。
外部の犯行とは考えられない。

私は奉行所の社内アナウンスで全員に呼びかける。

「おのおのがた、ちかごろ奉行所内で黒い靴下を専門に盗む輩がいる。身に覚えのある者はただちに出頭するべし。三日のうちに出頭すれば罪には問わない。それを過ぎれば必ず厳罰に処する。」

私はランドリーから持ち帰った最後に残ったひと組の黒い靴下を庭先で乾かしている。

夢日記 0210「14節制」第八夜

小高い岩山の頂上付近、その一画にそこだけ竪穴を穿たれたように窪んで外界から遮断された場所がある。
星空の蒼白い光が岩間から差し込んでいる。

そこに黒々とした大きな四角柱がある。表面はどこまでも平滑で肌理が細かい。鈍い光沢があり、星あかりを反射しながら同時にその物体そのものが発光しているようにも見える。

その物体は4つのパターンを持っている。分割して再統合する、その分割の仕方が4つあるということだ。
ゆっくりと形を変えてゆき、またゆっくりと元に戻る。また別のパターンで分解され元に戻る。
そのパターンを私に覚えさせようとしているようだ。

その物体には意志がある。その物体自身が私だったのか、私はその物体の傍にいてその物体と会話していたのか、目覚めてみるとよくわからない。

ーーー
同じ場所にずっと長くいたような気がする。
言葉になるのはこれだけで、パターンの変化そのものは言葉になりません。
むしろ夢の中でその変化のパターンを表現することばをずっと探していたような気がします。

モノリスのようなものですね。
場所はモーセが神から十戒をさずかったシナイ山のようでした。


夢日記 0211「14節制」第九夜

十字を切る夢。
昨日と同じようなシチュエーション。
昨日は4パターンの分割と統合だったが、おなじように十字をつくる方法の解説だった。

これも言葉でうまく表現できないのだが、手指を使って十字を書くなら最初に縦に垂直に切る。どこまでも垂直で天の天から地の地まで通る垂直線。
向かって左上にまわって水平線を切る。どこまでも水平にのびる直線。
そうすると十字の交点を中心に横長の楕円がうっすらと出現する。

なんども繰り返しレクチャーが続く。
今日ははっきりと会話形式だった。相手の姿は見えない。
そしてその声は最後に「これを正岡子規に教えてやってくれ」と言っていた。

老婆になったむすめ。

なにかの集会なのだろう。白い服を着た人たちが広場に集まってくる。
なかには知った顔もあって、ときどき立ち止まっては挨拶をし、しばらく雑談をしている。
そんな人の輪のなかをひとりの女がすり抜けてわたしの前にあらわれた。
まわりの人たちも彼女のことを知っているようだ。

「たいへんご無沙汰しております」彼女は言う。

そのひとは確かにわたしが知っているXXさんだったが、ずいぶん歳をとっているように見えた。
あたまには白い頭巾を被り、口元はマスクで覆われているがまぎれもなく彼女だ。
わたしが知っている彼女は20代の前半だった。いま目の前にいる女性はゆうに70歳を超えている。
ずいぶん痩せて、ぜんたいに小さくなった気がする。
最後にあってから数年しか経っていないはずだ。

「XXさん、ひさぶりだね。どうしてた、元気だった?」
わたしは何事もなかったように挨拶をする。

その夜、わたしは老婆になってしまった彼女と同じ布団に入って彼女を後ろから抱きしめている。
彼女の両掌をにぎるととても冷たい。わたしは彼女を温めなければと思っている。

「ありがとうございます」と彼女は言う。

しばらくそのまま彼女を温めているのだがいっこうに温まる気配がない。
掌は冷たいままで、わたしの掌も感覚がなくなるくらいに冷たくなっている。その冷たさがとてもリアルなのである。

ーーー
十字の夢の印象は鮮やかに記憶しているのですが、どんな十字だったかというと、やはり言葉では説明できないですね。説明しようとすると違ったものになってしまう。それでもキリッとした爽快な夢見で、目覚めた時とても気持ちいいです。これは老婆の夢も同じです。
目覚めたときに力が溢れるというか、なにか受け取った感じがする夢がときどきありますね。

正岡子規という箇所はもしかしたら、夏目漱石だった可能性もあります。子規と漱石の間かもしれません。


夢日記 0212「14節制」第十夜

鶏によく似た生き物がいる。
白と茶と黒とオレンジが混じった羽毛に、赤い小さな鶏冠。それほど大きくはない。
手のひらの中に収まるくらいの大きさで、ずんぐりして丸っこい。
愛嬌のあるすがたをした生き物だ。可愛いと言えなくもない。

その鶏モドキの集団がベルトコンベアーに乗せられている。
この鶏モドキたちは赤ちゃんのようだ。
ベルトコンベアーの上にひしめくように並んで次々と運ばれてゆく無数の赤ちゃん鶏モドキたち。

あちこちでピーピー、ピーピーとかまびすしい。
そしてわたしもまたその赤ちゃん鶏モドキのなかの一羽だ。

ニワトリでないと思うのは赤ちゃんなのにヒヨコの形態をとっていないからだ。
どうやらそのままの形で成長するらしい。

少し間があって、わたしたち鶏モドキはずっとコンベアーに乗ったまま、大きさが2倍くらいに成長している。まるまる太って、そしてお互い会話ができるようになっていた。
まわりからその会話が聞こえてくる。
わたしの近くにいたオバサン鶏たちがわたしに言う。

「あんたの背中、なんか赤くなってるよ、薬を塗ったほうがいいわ。」

近くにいたオンナノコ鶏に向かって、

「着いたら、この子に薬を塗ってあげなさいよ。」とオバサン鶏たち。
オンナノコ鶏もオバサン鶏に対して素直に頷いている。

そうこうしているうちにコンベアーは滝のような地点に差し掛かった。
成長した鶏モドキたちは次々と滝壺めがけて落下してゆく。
落下しながら鶏モドキはフグのように膨らんで無数の個体が折り重なった滝壺で大きくバウンドしている。

とくに危険はないようだ。
そうして、ついにわたしもコンベアーの端を離れて滝壺めがけて落下し始める。

場面が変わって、今日は葬式だ。
わたしが喪主のようだから、父か母の葬式だろうが定かではない。母は既に亡くなっているのでずっと入院していた父の葬式だろうか。

親戚たちが次々と集まってくる。
すでに亡くなって久しい叔母さんたちの顔も見える。

道端で葬儀に向かう叔母さんたちと出会った。ご近所のひとも一緒だ。
「あけましておめでとうございます」お互いに挨拶を交わす。

家の中にもすでに親戚たちが集まっている。
いとこのケイちゃんの姿もあった。
「ケイちゃん、久しぶり! 全然変わらないね。」
わたしは彼に声を掛ける。すでに70歳を超えているはずなのにずいぶんと若く見える。ケイちゃんは親戚の中でもずっと問題児だった。いろいろ事件も起こしているが、わたしは子供の頃からなぜか彼のことが好きだった。
片目に黒いアイパッチをしていて、スーツをかちっと着こなしている。ダンディなケイちゃん。
「ユウキちゃん、久しぶりやな。また後でな」
彼はそう言うと他の親戚と共に奥の座敷に入って行った。
葬式なのだが誰も悲しんでいる様子は見えない。わたし自身もまた悲しそうではない。

わたしはまだ平服のまま、家の外に出て時間を潰している。まだまだ葬儀までには時間がある。
玄関先でお参りの客らしい一団と一緒になった。
彼女たちはみな大きな紙袋を両手に持っている。結婚式の引き出物のようだ。
彼女たちはわたしが喪主だということに気づいていないらしく、小声で身内ばなしをしている。
どうやら看護師さんたちのようだ。病院で見かけた人もいる。

「めんどうくさいわよねー、高飛車な患者は。お葬式も高飛車かしら。」「しようがないわね。」

聞くとはなしにわたしの耳に入ってくる。見覚えのある看護師だ。
彼女たちは身支度を整えて、両手に引き出物の紙袋を下げたままその場を立ち去ろうとした瞬間、その中の一人が側溝に足を踏み入れて、キャーと叫んだ。
近寄ってみると足首が折れ曲がって紫色になっている。足先が失われたようだ。

わたしはその看護師を側溝から助け起こし、
「だれか救急車を呼んでください!」と声をかけてから、もう一人の看護師と怪我をした彼女を見守っている。
ーーー

鶏モドキたちの落下はこの世に生まれ出てくるシーンですね。とても賑やかで、楽しそうです。

誕生と葬式と結婚式とが入り混じった夢でした。


夢日記 0219「14節制」第十一夜

鏡面のように静かな海面がある。風もない、波もない。水面は星あかりを反射してきらきら輝いている。
どこまでも平滑な海面を円形に切り取って、平たい円柱(円盤)が海面に浮かび上がる。
わたしはその切り取られた水の組成をひたすら感じている。

3箇所の海面を同様に切り取って採取する。
そうすると6時45分になる。

場面が変わって、同じような円形の中に人がいる。
海水の組成を調べた時と同じように中にいる人を感じている。
3人を繰り返すのも同じ。

ふたたび場面が変わって、家の中にわたしと、たぶん家に泊まっている娘の友達の女の子がいる。

彼女は自分の名前を名乗る。KKKK、とても変わった名前だ。夢をみているあいだは覚えていたのだけれど忘れてしまった。
家の中には二人だけ。
わたしはすでに寝んでいたのだが、Kは寝付けないのか、起き出してきてわたしの寝室にやってきた。
隣のベッドに潜り込もうとしている。
わたしはいったん起き出していえの中の灯りを消して回る。
ストーブには火がついていて、コタツもつけっぱなしだ。ストーブがふたつ、コタツがふたつ。つけっぱなし。わたしは火を消し、電気を消し、寝室に戻る。

「ストーブもコタツも全部つけっぱなしだったよ」とわたしはKに告げる。
彼女はとくに気にする様子もなく、ベッドに入っている。

わたしは再びベッドに入って、隣のベッドで寝ているKと横になりながら話をしている。


夢日記 0221「14節制」第十二夜

時代も異なり、性格も年齢も異なる二つの人格がある。
ふたりともどうやら私らしい。
時代は異なるが、そもそも属する階層自体が違うようである。うまく説明できないけれど。
それぞれの人格のまわりで戦争があったり、死にそうになったり、いろいろ事件が起こるのだが、いつのまにか転換が起こり、ふたつの人生がつながってさらに進行する。
まったくメビウスの帯のようにいつのまにか表が裏になり、裏が表になる。

おたがいを補い合うような形で二つの人生は危機を脱するし、とても充実するのだが、終わりがない。

夢の中でこのループがずっと続いている。


夢日記 0222「14節制」第十三夜

昨日と同じレミニスカート状の物体がでてきた。
昨日と違ってしっかりした立体で色は金属的なグレー、龍の胴体のようだ。
ずるずると回転しながら空中に浮かんでいる。

超大型船で家ごと遠く離れたもうひとつの家に移動することになった。
朝5時まえに目覚ましで目が覚めた。
私は身支度を整え、最後にコートを着て時計を見るともう7時に近い。

もう家を出なければ。

もう一つの家に着いた。今夜は歓迎の宴があるらしい。
まだまだ時間があるので散歩に出かけた。
河原では娘が友達と一緒に魚釣りをしている。
近寄ってみるとすでに鮎のような川魚が十数匹獲れていて川藻で口先を通して水流に晒されている。

餌がなくなったらしく娘の友達は立ち去る。
私と娘はなおも餌のついてない釣り針で魚を釣ろうとする。
餌がなくても面白いように魚が掛かる。
ビクビクとした振動が釣り糸から伝わってくる。
魚を手繰り寄せようとすると、すんでのところで魚が針から外れて逃げていく。針を確認したら見たこともない奇妙な形の釣り針だ。針先がU字に内側に曲がっている。
これじゃ釣れるわけないな、娘とふたり笑っている。


夢日記 0225「14節制」第十四夜

8列4行のカードでできたマトリクスがある。
カードの一枚一枚は私自身の写真である。いろんなカットがある。
ときどきそれが賞状や感謝状に変わっている時もある。

一枚一枚を確認しながら、自分の腰のところに重点をおいてキュッキュッと引き締める。できるだけ角の部分に直角が出るようにキュッキュッと腰を入れる。

よくわからないがキュッキュッと整理をしているようだ。


夢日記 0226「14節制」第十五夜

そこら中に人がいて、なにかに吸い寄せられているように皆一定の方向に流されていく。
そして人々は流されながら自分の肉を食べている。
食べ尽くすとフッと存在が消える。

なかには血まみれになって自分の肉を食っている者たちもいる。
苦痛に満ちている表情だ。それでも自分の体をちぎりとって口にはこぶ。

ウロボロスの蛇のように尻尾から自分をパクパク食べ尽くしてしまうものもいる。

私自身もあっさりと自分を丸呑みにして肉体がポンっと消えた。
肉体は消えたけれども意識はどこかにあるみたいだ。


夢日記 0308「14節制」第十六夜

目の前に若い女性が腰掛けている。
ひとりでいる女、ふたりでいる女たち、三人でいる女たち、四人でいる女たち。皆同じ女の人だ。
それぞれに違った意味を持っているらしく、それぞれが私に語りかけてくる。

たとえば四人組の女たちはこう言う。

「早く行って、早く帰る」
「早く行って、遅く帰る」
「遅く行って、早く帰る」
「遅く行って、遅く帰る」

なにかを私に伝えたがっているのはよく分かる。
たぶんこの子はガイドらしい。
ガイドだと感じるのは初めて会う子だけど、懐かしいと感じているからだ。
ニコニコしながら、しかしとても真剣な眼差しである。

1、2、3、4組とそれぞれ会話しているのだが、最後の四人組と私はかなり長い間向かい合っていた。


夢日記 0309「14節制」第十七夜

私は建築家の後輩と一緒にある街に来ている。建築物を見るためだ。
その建物は美術館なのか、集合住宅なのか、用途ははっきりしない。
同じ形の建物が敷地の中に数棟建っている。
正面は全面ガラス張りで内部が見通せる。そして屋根の形が特徴的である。「W」のかたちに立体的に折り畳まれていて、そのバランスがとても美しい。
私はどういう仕組みで折り畳まれているのだろうかと考えながら、手近にあった紙を折り曲げてその形を再現しようとしている。
建物の内部は同じ物質でできているようだ。
おそらくFRP(ガラス繊維)だろう。内部空間全体が乳白色の素材で覆われている。
壁面ではその素材は硬化してリブを形成しており、壁から連続した床ではその素材が柔らかくなりふかふかした絨毯になっている。床も壁も天井も素材がシームレスに繋がっている。見たこともない様式だ。

どこのだれが設計したのかわからないが「やられたな」というように後輩に目配せする。

すばらしい空間だ。そしてW型の屋根の上にはおおきなダイヤモンド型の立体が中空に浮いている。

場面が変わって、図形を前にしている。
たぶん六角形だったと思う。
その左上の一辺が図形から離れる。それがキングだ。
それが7つに分割された。それがクィーンだ。
なぜだかわからないが、それがキングとクィーンであることはわかっている。


夢日記 0310「14節制」第十八夜

ある晴れた日、わたしはひとり山を下って街に向かっている。
何かをさがしていたのか、買い物に行こうとしたのか、はっきり覚えていない。木立を抜け、畑を横切り、草むらをかき分け、わたしは野山を小走りに駆け下っている。草と土の水の匂いがする。柔らかい陽射しが道を照らしている。

やがて砂利道に出る。右に曲がってまっすぐ進むと辻に娘の住んでいる家がある。
玄関が開いて、娘が出てくる。
わたしと娘はハイタッチをする。
わたしは家の中に上がり込んで、本を探している。
最近面白い本がなかったか?とわたしは娘にたずねる。

場面が変わって、わたしは一本の棒になっている。
棒が次々と連なってゆく。
それぞれの棒はそのときどきのわたしの人生で、なんども生まれ変わって連なってきたようだ。

それぞれ異なる人生が、認識できる限り十数世代はあったような気がする。
どれもなかなか楽しそうな人生のようだ。
異なっていても、やはりどこか一定のトーンが感じられる。命懸けというほどのものではないけれど、どの人生もなにものかと戦っている。ひとつひとつが完結している。

それぞれの人生で楽しくやってほしいものだ、といまの自分が感じている。


夢日記 0311「14節制」第十九夜

一昨日は六角形の一片が離れて棒になり、
昨日は棒が連なって、たくさんの人生になり。
そして今日はその棒がドラム缶ほどの大きさのチューブになって背骨から頭を突き上げるような感覚がありました。

なんとも説明のしようがない感覚です。

道の左手に丸い葉っぱの大きな樹がある。
幹はつるりとしていて、とても姿がよろしい。
たぶんずっとそこにあって、あまり気にかけてもいなかったのだが
今日はふと思い出して、そういえばあの樹はいつからそこにあったのだろうと気になりました。


夢日記 0314「14節制」第二十夜

農園のような場所に私はいる。ぽかぽかした小春日和で、畑をわたる風が香ばしい。
私はこれから港に向かい、船に乗って帰らなければならないのだが、約束の時刻までにまだ時間がある。
農園の柵に若い雌馬が繋ぎ止められていた。
馬は鞍もついていない裸馬であるが彼女はとてもおとなしい。
私は馬の背にまたがり、ゆっくり歩みを始める。

農園のまわりを散歩していると、畑を歩く一羽の雷鳥に出会う。雪のような白さ。とても美しい鳥だ。
白い防護服を着た若い女性がその雷鳥を保護しようとしている。
私は馬の背からその様子を見下ろしている。

前方に農園の鉄柵があり門が閉ざされている。
「すまないけど、その鉄柵の戸を開けてくれませんか」
と私は馬上から防護服の女性に声をかけた。
その女性はだまって戸を開けてくれた。シールドを被っているので表情がよく見えない。
私は礼を言って、その鉄柵をくぐりぬけ農園に出る。

同時に雷鳥も鉄柵の隙間をすり抜けて農園に逃げて行った。

葡萄畑で作業していた農夫が雷鳥を見つける。
おや、珍しい。雷鳥じゃありゃあせんか。
農夫たちは作業の手を止めて、その美しい雷鳥に注目している。


夢日記 0315「14節制」第二十一夜

友人と一緒に街を歩いている。
アーケードの入り口にカレー屋を見つけた。
ちょうど昼時だったので入ってみようということになった。
店の入り口にインターフォンがある。呼び出しを鳴らすと婦人の声で返答があった。

「すみません。いつもは私が出迎えにいくのですが、今日は体調が悪くて。代わりに息子がお迎えに参りますのでしばらくお待ちください。」

店の前で待っていると、地階から見覚えのある男が上がってきた。
「あれっ、マツオカさん。いらっしゃい」
むこうも私を知っているようだが、私はどうしてもその男の名前が思い出せない。
さあ、どうぞ。ご案内します。男は私たちを先導して階段を降りていく。
そして再び上階に上がる。階段を登ったのか、エレベーターを使ったのか覚えてないのだが、長い通路を経て私たちは屋上に出た。
そして屋上つたいに隣のビルに飛び移る。

たしかに案内がないとたどり着かない店のようだ。

屋上には水槽があって2種類の作品が設置されている。どちらもこの案内人がつくったものだ。
ひとつは噴水のような作品で勢いよく水が噴き出して抽象的な図形をかたちづくる。
もうひとつはホログラムのようなもので黒光りする人の顔が浮かんでは消える。なかには悪魔のようなもの、ビリケンのような顔も見える。

私たちはその作品の説明を男から聞きながら感心して見ている。
屋上にはペントハウスがあってどうやらそこでお母さんがカレーを食べさせてくれるらしい。


夢日記 0316「14節制」第二十二夜

お腹の中に北斗七星があった。
最初は夢とも思えずに、ただ寝返りをうっているのだと思っていた。
間隔を置いて寝返りを何度も何度も繰り返す。胸が熱くなり、汗をかいている。香ばしい匂いがする。
繰り返すうちになにか現実的な違和感があることに気づき、夢であることを知った。

いつも感じないものが身体の中にある。お腹の中に星座らしきものがある。腸のあたり。どうやら北斗七星のようだ。
なぜ北斗七星だと思ったのかわからないが、つまり北斗七星として言語化されたというわけだ。


夢日記 0320「14節制」第二十三夜

赤ん坊がいる。
生まれたばかりだが言葉を解する。
そしてその赤ん坊は円盤のようなものに乗っていて自由に移動できる。

赤ん坊はその円盤に乗って私に近寄ってくる。
私は赤ん坊となにやら話をしている。

たぶんその赤ん坊は私自身で、私の原型だ。
私は赤ん坊と話しながらとても安心している。私はその赤ん坊と一緒に帰ることになるらしい。それがわかっている。

帰るまでの間、その赤ん坊は私と一緒にいてくれるらしい。心強いな。


夢日記 0321「14節制」第二十四夜

わたしは小柄な女性の剣士であった。金色の髪をとても短く刈り込んでいる。
わたしはこれまでいろいろな戦いを戦い抜いてきたが、ついに剣をおくことにした。
つかの部分に綺麗な宝石が散りばめられた2本の剣を返上した。
一つの剣は刀身が半分に折れている。

たくさん持っていた剣の中でこの二振りだけが残った。
とても愛着があるものだったが、未練はなかった。
気持ちはすっきりしている。



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