【創作】ハグの日2024
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おばあちゃん家(ち)が好きだった。おばあちゃん家から少し離れたところにある畑でおじいちゃんとおばあちゃんが野菜のお世話をしている間、ぼくは畦道を挟んだ向こう側のひまわり畑で遊んでいた。そのひまわり畑は一面、空を覆うように高く、黄色の花を咲かせて道を作っていた。まるで無限に続いているようで、まだ知らない世界へ通じていそうだった。
麦わら帽子からぶら下がる伸びきったゴムを揺らしてぼくは駆け出す。
青かった空はいつのまにか少しずつ曇りはじめて、そのうち太陽を隠した。土