【突発創作】アジフライサンド
見切り発車創作【アナタもいない場所でただ息をしていくだけ】
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季節もあるのだろう。日が暮れるのが早いために電飾が映える。瀟洒(しょうしゃ)な街の繁華街から少し逸れた洒落たデパートの傍には白い巨大クリスマスツリーが輝いている。正方形の植え込みの縁(へり)には、黒いコートの男性が腰を下ろしてスマートフォンを操作していた。待ち合わせしているのだろうか。
霞(かすみ)翠(あきら)は手袋を擦り合わせた。マスクから白い吐息が漏れる。それそのものがまるで飾りのようなデパートの明