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#23 ロゴス、パトス、エトスっ!【書評】武器になる哲学

◾️要約

哲学者の言葉や功績はアウトプットそのものではなく、そのプロセスを理解することで、ビジネスに活かす事ができる。
例えば大地は水によって支えられていると考えられていた時代にそれを疑問に思うことからゼロ発想で物事を考える大切さを気づくといったように。
そうした視点の取り方、考え方などこそが大切。本書はそういった事例をいくつも紹介してくれている。

◾️感想

哲学って難しいイメージがありますが、
読みやすかったです。
考え方やプロセスにおいて「へぇ」が隠されており、
本質を学んで行動につなげていきたいなと思いました。
山口周先生の本、素敵だなぁ。

◾️オススメ

いろんなことが嫌になる、不満が溜まった時とかに?
(過去の人だってそれと同じ悩みしてますよ、に気づくという意味で)

◾️要約(詳細)

◆プロローグ
 ビジネスパーソンが哲学を学ぶことは”状況を正確に洞察する”、”批判的思考のツボを学ぶ”、”アジェンダを定める”、”二度と悲劇を起こさない”
 ため、やった方がいい

※日本も哲学を中学生とかからでも教えればいいんじゃないかな。受け止められない?ノンノン。きっと響く人には響く。それでいいと思う。

◆第一部 哲学ほど有用な道具はない
◆◆本書といわゆる哲学入門の違い
 違いは次の三点
1. 目次に時間軸を用いてない
2. 個人的な有用性に基づいている
3. 哲学以外の領域もカバー

◆◆なぜ、哲学に挫折するのか
哲学者の残したアウトプットを短兵急に学ぼうとするものの、アウトプットがあまりにも陳腐であったり誤っていたりするために学ぶ意味を実感できないから

※哲学を話すときに、だいたい全部を知らないと口にできないわけじゃない。1つのことでも知ってたら使っていけばいい。ことわざみたいなもの?ではないが使って身近にしていけばいいと思う。(この辺は英語と同じで完璧でないと「話せます」、って言わないのは日本人だからかな)


◆第二部 知的戦闘力を最大化する50のキーコンセプト
(ここからはいくつかピックアップして)
◆◆第一章 人に関するキーコンセプト なぜこのひとはこんなことをするのかを考えるために
◆◆◆01 ロゴス・エトス・パトス 論理だけでは人は動かない
アリストテレスは
ロゴス=ロジック:論理
エトス=エシックス:倫理
パトス=パッション:情熱
が必要と説いた

リーダーシップにおける言葉の重要性に歴史上はじめて気づいたのがアリストテレス。
アリストテレスが重要視したのはレトリック(弁論)に対置されているのはダイアローグ(対話)
師匠のソクラテスはレトリックはまやかし、人心を誤らせるものだと言った。
リーダーとしてフォロワーを酔わす舞い上がらせることは必要だがレトリックの怖さをしっておくべき。

※歴史的に見てもリーダによって変に扇動されている人いますよね。

◆◆第二章 組織に関するキーコンセプト なぜこの組織は変わらないのかを考えるために
◆◆◆24 反脆弱性 工務店の大工さんと大手ゼネコンの総合職はどちらが生き延びるか
反脆弱性とは外乱や圧力によって帰ってパフォーマンスが高まる性質をいう。
そのままズバリの言葉が日本語にない。つまり概念として新しいことを示唆している。
例えば 炎上マーケ はストレスだが売上あがる
雑誌でこき下ろされる が 認知度が上がり応募が殺到
そういうようなこと。

システムが正常に動いている状態であればそのまま頑強な方がいい。
ママチャリとベンツでママチャリの方が強くなるのは東日本大震災の時などである。

>組織論への展開
 意図的な失敗を織り込んでおく 崩壊しない程度のストレスが重要

>キャリアへの展開
 会社を離れた際の人脈など 色々な組織やコミュニティへの参加

その意味でタレブの反脆弱性という概念は私たちの成功モデル、成功イメージの書き換えを迫るもの

なるべく頑強にしようそれが実は大変脆弱だった、それが明らかになってきている
→いかに反脆弱性を盛り込むかは大きな論点になってくる

※頑強だけど脆いってことありますよね。100%完璧を維持しないと1つのエラーから全て崩壊してしまう、みたいな。

◆◆第三章 社会に関するキーコンセプト いま、何が起きているのかを理解するために
◆◆◆29 自然淘汰 適応力の差は突然変異によって偶発的に生み出される
一、生物の個体には同じ種に属していても様々な変異が見られる。突然変異
二、そのような変異の中には、親から子へ伝えられるものがある。遺伝
三、変異の中には、自身の生存や繁殖に有利な差を与えるものがある。自然選択

変異のうち、たとえば敵に捕食されやすい変異は次世代へと遺伝されない。
有利は残り不利は減る、つまり篩い分けが行われる。
このコンセプトが”適応力の差は突然変異によって偶発的に生み出される”という示唆を与えてくれる。
偶発的なエラーによって進化が駆動されるので、ポジティブな偶然を生み出す仕組みを作るのも必要。

※一定割合が環境を変えて急に成長するのであればそれ(ローテーション)を仕組み化してしまうか

◆◆第四章 思考に関するキーコンセプト よくある思考の落とし穴に落ちないために
◆◆◆49 未来予測 未来を予測する一番の方法はそれを創り出すことだ
こういうものがあったらいいな、からコンセプトを絵にして生み出されるように運動した人、アランケイ。
予測と実現の逆転。予想ではなくどうしたいかが大切。

◾️アクション


プレゼンで、ロゴス、エトス、パトスを意識して伝える。

◾️読みやすさ


★★

◾️ハッシュタグ


#武器になる哲学
#山口周

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