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なぜ僕は「極めて貧しい子ども」に日本旅行をさせたいのか?

世界銀行は「1日1.9ドル未満で暮らす人たち」のことを極度の貧困層と定義しています。世界にはいまだに貧困や飢餓で苦しむ人びとがいます。世界に約8億人、世界人口の9人に1人が飢餓の状態にあると言われています(国連報告)。
そして、世界の子どもの6人に1人(3億5600万人)は「極めて貧しい暮らし」をしているという報告があります。
僕はそんな子どもたちに、日本に旅行に来て感動体験し、一生忘れられない思い出を作ってほしいと思っています。

日本のファンを増やす

本来人は誰でも自由に旅行ができるはずです。でも生まれた環境によっては、旅どころか日々を生き延びることに精一杯という人々がたくさんいます。それは悲しいことであり、不公平かつ不平等です。

僕には「世界中に日本ファンを増やしたい」という思いがあります。裕福な人も貧しい人も関係なく、「極めて貧しい子ども」たちでさえ日本にやって来て、いろいろなことを体験し感動し、そしてファンになる。そうなってほしいと願っています。
ではなぜ、「子ども」なのか。そこには僕の原体験が関係しています。

痩せこけた子どもたち

2011年、僕は仕事で初めて海外出張をする機会を得ました。渡航先は南スーダン。渡航前は仕事で海外に行けることにワクワクしていました。ただ現地では悲惨な現状を目の当たりにしました。

木の枝に破れたブルーシートをかけ、その下に多くの大人や子どもたちがいました。ブルーシートを「家」の代わりにして、その下に住んでいたのです。そこにいる人は全員住む家がなかったのです。
みな痩せこけたうえ、うつろな目をしていました。子どもたちはまったく元気がありません。着ている服はボロボロに破れて汚れきっていました。「極度に貧しい暮らし」をする6人に1人の子どもたちが多数そこにいたのです。

当時、デンという現地で雇った運転手がいました。彼は子どもたちを見ながらこう言いました。
「誰も、何も子どもたちにしてくれないんだ」
その後僕は「何かをせねば」とずっと思い続けてきました。デンが心配していた子どもたちのために何かしたい、と。
(詳細は「だれも、何もしてくれない」 南スーダンをご覧ください)

この経験から、今現在はとても貧しい暮らしをしている子どもたちが、将来は日本に旅行に来てかけがえのない思い出を作れるよう、取り組んでいきたいと考えるようになったのです。

人を通じてその国や地域を好きになる

次に、なぜファンを増やすことに旅行が関係しているのかをご説明したいと思います。
ある国や地域のファンになるためにわざわざ旅行をするまでもありません。テレビやインターネット、SNS等で情報を得ることができますし、仮想空間で現地に旅行した気分や感覚を味わうこともできます。仮想旅行では、渡航費や宿泊費などが削減できたり、物理的な移動による疲労などが軽減されたりするメリットがあるでしょう。

ただ僕は旅行は全身を使い、五感で感じるものであり、仮想旅行では得られない体験ができるものだと考えています。ましてや、旅先の国や地域のローカルの人々との触れ合いによって得られる体験はなにものにも代えがたいと考えています。
おいしいご飯を食べたり、きれいな景色を見たりすることも素敵な体験ですが、ローカルの人とのつながりや触れ合いが、より思い出深いものになり、出会いを通じてその国を好きになることがあると僕は信じています。

「世界一おいしい」手料理カレー

ここで再度、僕の体験談を紹介させてください。
以前僕はバックパッカーとしてスリランカへ旅行に行きました。当時は、途上国の人は観光客を『歩くお金』としか見ていない、という偏見を持っていました。しかし、スリランカで出会ったタクシー運転手のサガリという男性は、見返りを求めることなく、現地の人しか知らない情報をくれ、出会ったその日に僕を家に招き「世界一おいしい」という奥さんの手料理カレーを無償でご馳走してくれました。

情報やご飯だけでなく「利他の心」も彼からいただき感動しました。自分の偏ったものの見方を正すとともに、忘れられない旅の記憶となったのです。そしてサガリとの出会いを通じて、僕はスリランカという国が好きになりました。他にもいろいろな国を旅行しましたが、スリランカでの体験はとても強烈で一生忘れることのできない思い出となっています。

(スリランカ旅行記は「リタトリップのはじまり スリランカの旅」をご覧ください)


今すぐは難しいかもしれませんが、「極度の貧困」状態にある子どもたちにも旅行して感動してほしい、僕がスリランカで体験したような感動する旅行を味わってほしいと考えるようになったのです。

貧しい子どもたちが日本文化に魅了される未来

ファンになることにお金持ちも貧困も関係ありません。純粋な気持ちで向き合うだけでよいと思います。貧困層の方々に機会がないのであれば、そういう機会を提供したい。そして、世界中の人々に日本の歴史や文化、自然などを見て感じて強烈なファンになってほしい。僕はそう考えています。

今は貧しく苦しい生活をしている子どもたちが、将来日本に旅行にやって来る日がきます。日本の文化や歴史に興味を持ち、花見に魅了され、紅葉の美しさに感動します。おいしいお寿司に舌鼓をうち、温泉で癒やされ、日本酒に頬を染めます。日本の地元の人のリタ(利他)の行動や思いやりに触れ、笑顔になり、生涯忘れることのできない思い出を作ります。

そういう日が来ると信じています。そういう未来を創ります。

利他の心を生むサービス

そして、そんな未来を実現するための第1弾として、旅行Q&Aサービス(Webアプリ)を開発しています。旅行Q&Aサービスは、日本旅行に興味を持った外国人観光客が旅の悩みや疑問を質問し、日本の各地に住むローカルの方々がサポーター役として回答します。役立つ回答をしたサポーターには、質問者や他のユーザからチップが送られる仕組みです。まずはこの仕組みを確立させます。

その次のステップとして、チップを受け取ったサポーター全員が、開発途上国の子ども支援活動を行うNGO等団体へチップの一部を寄付します。最貧困層の子どもたちを支援し、貧困から抜け出せる手助けをします。

さいごに

旅行Q&Aサービス開発は、クラウドファンディング(外国人旅行者の疑問や不安を解消できるQ&Aアプリを開発したい!)がスタート地点になっています。クラウドファンディングで多くの方に寄付いただき、その資金を一部として開発着手しました。この旅行Q&Aサービスのコアの部分には「利他の心」があります。

このコアを大事にしながら、「あらゆる人がリタの旅で感動する世界」という未来を実現していきたいと思います。

僕は、この未来を共に見たい人や共につくりたい人と仲間になりたいと思っています。共感できる方がいましたらぜひご連絡をいただけると嬉しいです。
ともに、リタ(利他)の旅を世界に広げましょう!


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