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贈り物に向いたウイスキーは?

ワシじゃ!

今回はウイスキーを贈答品にする場合の手引きじゃ。

この記事があれば、ウイスキーの知識がなくとも、贈答用のウイスキーを選ぶことができるんじゃ。貴殿が何もウイスキーを知らない状態で、「あの人は確かウイスキー好きだったな、何か贈りたいけど、何にしたらいいか、全くわからないな……」的に迷っているシチュエーションを、今回は特に想定しておる。


ウイスキーは贈答品に向いている

酒を嗜む人間にはウイスキーは贈り物として非常にバッチリじゃ。ワインや日本酒も確かに嬉しい贈り物じゃが、開けたらその日のうちに飲みきってしまわなければいかんじゃろ。その点、ウイスキーは開栓後も正しく保管すれば何年でも持つ(ワシ調べ)ので、長い時間、その人のもとで、人生の悲喜こもごもを共に過ごす友となるじゃろう。そんな素晴らしい体験をプレゼントできるとすれば爆アドじゃ。

というわけで今回は、プレゼントに送るならどんなウイスキーが良いか、なるべくツボを押さえるようにしながら網羅してみようと思ったんじゃ。


選ぶポイント

贈答品としてのウイスキーは家飲みや趣味で集めるのとは違った観点が必要となるじゃろう。単に美味いウイスキーを選んでも、うまくいくかどうかわからんものじゃ。


・ルックスの良さ

言うまでもなく、プレゼントでテンションをブチ上げる為にはカッコいい化粧箱・カッコいいボトルデザインは何物にも替えがたいポイントじゃ。豪華な化粧箱は飲む前からボトルの世界観を提示してくれる。見栄を張りたいじゃろう!

・知名度

もらって嬉しいのはやはり有名な銘柄という事になるじゃろう。あまりにマイナーな蒸留所のシングルモルトを贈っても、相手はちょっと困惑するかもしれん。同様の理由で、ボトラーズウイスキーも避けたほうが無難じゃ。

・愛好家に贈っても一応外さないもの

ウイスキーを贈られる側が、「なるほど、わかってるな」「これは家に一本あっても困らないな」「シブいところ来たな」とほっこりするようなアイテムであれば、なお良いじゃろう。ウイスキー好きといっても色々な段階があるので、基本的には、ある程度わかりやすい銘柄がよい。

・ピートは大丈夫か?

事前に「アイラモルトが好き」というような情報が無い相手に、いきなりアードベッグとかをプレゼントするのはやめておくことじゃ。

・年配者にはブレンデッドウイスキー

昔は今と違って、花形のウイスキーといえばブレンデッドウイスキーだったんじゃ。だから、送る相手が年配の人間ならば、ブレンデッドウイスキーの有名なやつから探してみるのが良いじゃろう。

それからシングルモルトは昨今急激に需給のバランスが崩れて入手困難になってきておる。ブレンデットはとりあえずまだマシで、入手しやすいんじゃ。


注意すべきポイントはこのあたりじゃな。ではワシが選んだ「贈り物に向いているウイスキーと、その理由」を並べていくとしよう。


約2万円:ジョニーウォーカーブルーラベル

やはりジョニーウォーカーは外せないものじゃ。キングジョージやゴーストレア等の特別な品を除けば、このブルーラベルは一番上のランクであり、異様にうまい水を飲んでいるようなスムースな口当たりと上質至極な味わいが素晴らしいんじゃ。

ボトルや化粧箱がカッコいい、味が美味い、高級感がある。そして実際「ジョニーウォーカーには赤とか黒とか緑があるけど、一番上のランクは金やプラチナじゃなくて青なんだよ! 青は高貴の色なんだ! スーパーに売ってるやつと違うんだよね!」と言えば、なんか凄さが伝わるんじゃ。

ジョニーウォーカー青は完全な安全牌じゃ。詳しい人間相手にも安心じゃ。これのアンチとか居るとすれば、それはちょっとどうかしとる。

値段的には、どうかの? そもそもの価格がちょっと高めのレンジではあるが、2万円弱ぐらいの予算を考えるならば、ジョニーウォーカー青をオススメしていきたい。


約1万円:バランタイン21年

バランタイン21年は完全に美味いブレンデッドウイスキーなので味的には申し分ない。そして正規品と並行輸入品で値段が3倍ぐらい違うんじゃ。味のスペックは同じなので並行輸入でも問題なしじゃ。

1万円ちょっとで買えるウイスキーとしては完成度は相当なものじゃ。そしてバランタインといえばジョニーウォーカー同様、年配にはなかなか憧れのウイスキーとしての重みもあるものじゃ。バランタインは21年からは箱が蓋付きの化粧箱になり、テンションが高まるんじゃ。


約1万円:マッカラン12年

やはり棚に置いてパワーがあるウイスキー銘柄といえばマッカランじゃろう。12年には、シェリーオーク、ダブルカスク、トリプルカスクがあるが、まあどれでもよい。個人的にはその3種のなかではダブルカスクが一番好きじゃ。

現行のマッカランはオタク受けが悪いウイスキーじゃ。ネットではブログ等でめちゃくちゃ叩かれておるし、実際、好みのわかれるところがあるんじゃ。しかし所詮それはオタクの意見に過ぎないので、こと贈答品においては完全無視でよい。重量感あふれる豪華なボトル、無着色で濃い赤茶色の酒色には、ありがたみと説得力がある。強いんじゃ。

マッカラン12年は半年前まで7700円で買えたが、今は当然そんなことはない。7700円の時ですら「この味では値段に見合わない」と言われがちだった現行のマッカランじゃが、今はさらに高くなっとる。しかしブランドパワーは凄いんじゃ。誰でも「マッカラン」という単語を耳にしたことがある。それがウイスキーの蒸留所名だと知らん人間も、マッカランという高級な酒があるという事は知っとる。

贈られる側が仮にウイスキー・オタクであったとしても、普段ネットとかで「今のマッカランは味がスカスカだ」とか吠えていても、いざ実際にマッカランが贈られたら「ンンッ……ンフーン、マッカランね……」という表情になり、結局抗えず、ありがたがられるじゃろう。贈り物に込めた気持ち、真心は理解してもらえるはずじゃ。

ちなみに、ワシが現行のマッカランのオフィシャルボトルの味をどう思っているかというと……。「味が薄い」という感じじゃ。積極的には選ばないウイスキーじゃ。

ともあれ、メリハリのある香りは、華があって、結構好きじゃよ。他のシェリー系ウイスキーでは結局マッカランの代わりにはなれんのじゃ。


約1万円:グレンモーレンジ18年

グレンモーレンジ18年。常々ワシは、ウイスキーを「ちょっといいもの飲みたい」と思った初心者の人には、このグレンモーレンジ18年を勧めたいと思っておる。

これは確かな美味さの銘柄じゃ。それゆえ贈答品としても外さないと考えてよかろう。味の方向性はエレガントで華やか、飲みやすく万人に好まれるじゃろう。化粧箱もちゃんとついておるぞ。なお、中身は同じだが見た目が豪華な限定ラベルもある。


約15,000円:タムデュー15年

タムデューはシェリー系の美味いウイスキーじゃ。黒糖を思わせるニュアンスの強い甘さと飲みごたえが素晴らしいんじゃよ。他の蒸留所が枯渇してきたので相対的に注目度が上がってきた格好じゃな。オールドスクールな雰囲気を醸し出す多面体のボトルと化粧箱がとても良いルックスをしとる。味も見た目も贈答品として申し分なしじゃ。


約6000円:バルヴェニー12年

これは単にワシが推しているから入れた。お値段も1万円を切って、お手頃と言えるじゃろう。バルヴェニーの12年は非常に完成度が高い。蜂蜜系の、甘くてよく伸びる味わいで、アルコール辛さは全然なく、大変飲みやすく、なおかつ、深みがあり、上質じゃ。どっしりしたダンピーボトルも、質実剛健な良いデザインをしておる。特にネック部分がセクシーじゃ。

ルックスの豪華さ・華やかさという点には欠けているものの、化粧箱は円柱形だし、ちゃんとしていそうな雰囲気はしっかりしとる。弱小蒸留所のマイナー銘柄とかでもない(グレンフィディックの兄弟じゃ)。

ウイスキー好きに贈った時、「シブいの選んだな」と喜んでくれるじゃろう。あまり高額なものを送るのがはばかられる場合や、味で選びたい御仁には、このバルヴェニー12年でどうじゃろうか。


アイラモルト好きな人へ:ポートシャーロット

アイラ島のスモーキーなウイスキーを飲んどる人間は、ピートにやられすぎて、ピートが効いていないウイスキーを受け付けなくなっている場合もあるんじゃ。恐ろしいんじゃ。そんな時は、アイラ島で21世紀になってから活動を再開した蒸留所、ブルックラディ蒸留所の看板銘柄「ポートシャーロット」を贈るのも一つの手じゃろう。

ポートシャーロットは丁寧に作られた、非常に美味いピーテッド・ウイスキーじゃ。見た目がモダンでカッコよく、環境やトレーサビリティにも気を使った、ミレニアル世代っぽい感じがあるんじゃ。

ブルックラディのウイスキーは、飲んでいない人は意外と飲んでいないので、贈り物として贈られたら嬉しい事もあるじゃろ。「気になっていたが飲んでみたかった」と喜んでくれるかもしれん。

ちょっと気になる点としては、化粧箱がついてくるかどうかよくわからん事じゃ。最近この蒸留所は環境配慮の観点から化粧箱を採用しない銘柄を増やしておる。オンラインで買って届いて化粧箱が無いパターンもありうるので、そこはまあ、化粧箱が届かなければ、そういうものとして贈るべしじゃ。


ワシがほしい

ロイヤルサルートは、カッコいい陶器ボトルに収められた高級ブレンデッドウイスキーじゃ。21年でだいたい1万円ちょっとで購入できる。味も安牌じゃ。しかしさらに上のレンジがあって、すなわち、この25年じゃ……!

この25年は、見ての通り化粧箱がすごすぎる。こんなものを贈られたらテンションがブチ上がり、贈られた人間は毎日「家にはブチ上がりテンション化粧箱のウイスキーがあるから頑張ろう」という気持ちで生きていく事ができるじゃろう。というか、ワシがほしい。誰か贈ってほしい。


今日はここまでじゃ

あまり大量に並べても困ってしまうであろうから、本数を絞って紹介してみた。こんな感じで、まあどうにかなるじゃろう。それにしても、年末やクリスマスのプレゼントとするには、記事のアップ日がギリギリすぎるのう。まあいいんじゃ。

贈り物を選ぶ過程で、あんた自身もぜひ、なにかウイスキーを飲んでみてほしいものじゃ。文中で紹介したバルヴェニー12年や、あるいはスーパーでも購入できるジョニーウォーカー黒あたりから始めてみんか?

またの!


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