見出し画像

キツネが登場する欧米インディーゲーム——「EXPを導くキツネたち」より|#1

〖2023年5月9日更新|未完成〗

インディーゲームの海を泳いでいると、心なしかキツネが出てくるゲームが多いなあと思ったことはありませんか? え、そうでもない?

Philosofur編集部編『Philosofur 3』(2022)に収載された拙稿「EXPを導くキツネたち——インディーゲームから見る欧米のキツネ観」は、そんな筆者のぼんやりとした感触に端を発して、《筆者がプレイないし見聞きした欧米のインディーゲームにおいて、ある程度の(物語に一定以上の影響を与える)役割を持ったキャラクターとして登場するキツネたちの立ちどころや役回りを類型化し、分析》を試みたものです。

ただ、拙稿は物語の比較、分析の都合上、ネタバレを多分に含んでいます。そこで当記事では、(「キツネが出てくる/出てこない」というたいへん重大なネタバレを除いて)物語の核心に触れるようなネタバレを避けて、拙稿で取り上げたインディーゲームをごく簡単に紹介していきます。

……いっぺんに書くのがキツいので、前篇(#1:A〜M)と後篇(#2:N〜Z)に分けます。また、事前の告知なしに段階的に更新していきます。日を置いて見てみると、内容が更新されているかもしれません。


AER: Memories of Old

スウェーデンのForgotten Keyが開発・ドイツのDaedelic Entertainmentが発売。「大いなる分裂」によって空に浮かぶ島々となったかつての大地の遺構を、鳥に変身する能力を持つ主人公の女性・Auk が巡礼してゆくアドベンチャーゲームです。

Armello

アルメロ

オーストラリアのLeague of Geeksが開発・発売。ボードゲーム、カードゲーム、ロールプレイングゲームが三位一体となったようなゲームです。

ダウンロードコンテンツ『The Bandit Clan』で、Bandit Clanの英雄の一人としてキツネのScarletが登場します。

Ato

注:拙稿ではリファレンスとして取り上げており、詳しい説明は書いていません。

Tiny Warrior Gamesが開発・発売。(架空の)封建時代の日本を舞台としたメトロイドヴァニアゲームです。

Aviary Attorney

鳥類弁護士の事件簿

イギリスのSketchy Logicが開発・発売した推理アドベンチャーゲーム。19世紀版『逆車云裁半リ』……って、言っちゃダメかな? 「スペイン王国王子」としてキツネのJuan Queridoが登場します。

フランスの諷刺画家、J. J. Grandvilleが描いた擬人化動物のイラストレーションを、コラージュしたり描き足したりして作られています。

Backbone

注:拙稿ではリファレンスとして取り上げており、詳しい説明は書いていません。

カナダのEggNutが開発・スウェーデンのRaw Furyが発売したノワールアドベンチャーゲーム。調査ジャーナリスト(investigative journalist、調査報道を行うジャーナリスト)のRenee Wilsonが登場します。

Dear Esther

注1:ウォーキングシミュレーターというジャンルの説明で紹介した作品です。キツネは登場しません。
注2:現在、Steamでは『Dear Esther: Landmark Edition』が購入できます。

イギリスのThe Chinese Roomが開発・発売。ウォーキングシミュレータージャンルの草分け的作品の一つです。

The First Tree

ファーストツリー/はじまりの樹

注:プラットフォームによって邦題が異なります。

アメリカのDavid Wehleが中心となって開発・発売。Joseph(人間の男性)とその彼の夢の中に登場する母ギツネのダブル主人公で、母ギツネを操作して森を奔走すると同時に人間の方でも物語が進んでいくというアドベンチャーゲームです。

FixFox

注:拙稿ではリファレンスとして取り上げており、詳しい説明は書いていません。

チェコのJaroslav Melounが中心となって開発・アメリカのJoystick Venturesが発売。トップダウンビューのアドベンチャーゲームで、主人公のVixとその(しゃべる)道具箱のTinが便利屋として不思議な惑星に派遣されたところから物語がスタートします。

当記事を書き終えた後にクリアしましたが、見た目以上に壮大な物語でした。

FOX n FORESTS

キセツのキツネ

ドイツのBonus Level Entertainmentが開発・同国のEuroVideo Medienが発売したアクションプラットフォーマーゲームです。

FoxyLand

注:拙稿ではリファレンスとして取り上げており、詳しい説明は書いていません。

ロシアのBUG-Studioが開発・OraMonkey Studioが発売したプラットフォーマーゲーム。攫われた愛する妻を助けるために、主人公のキツネ・Foxy Foxが冒険します。

Foxyland 2

注:拙稿ではリファレンスとして取り上げており、詳しい説明は書いていません。

ロシアのBUG-Studioが開発・アメリカのCrescent Moon Gamesが発売したプラットフォーマーゲーム。上記の続編です。

Gone Home

注1:ウォーキングシミュレーターというジャンルの説明で紹介した作品です。キツネは登場しません。
注2:拙稿ではリファレンスとして取り上げており、詳しい説明は書いていません。

アメリカのThe Fullbright Companyが開発・発売。ウォーキングシミュレータージャンルの草分け的作品の一つです。

GRIS

注1:ある作品の類型として紹介した作品です。キツネは登場しません。
注2:拙稿ではリファレンスとして取り上げており、詳しい説明は書いていません。

スペインのNomada Studioが開発・アメリカのDevolver Digitalが発売。「声」を喪い、絶望とでも形容すべき心象風景に取り残された女性が、「星」の力を借りながら各地を旅し、「色」を取り戻していくアドベンチャーゲームです。

Inherit the Earth: Quest for the Orb

インヘリット・ジ・アース 嵐のオーブ

注:拙稿ではリファレンスとして取り上げており、詳しい説明は書いていません。

ある日、嵐のオーブが盗まれ、
リフにその疑いがかけられます。
その真相をつかむため、
彼に与えられた時間はごくわずか。
あなたはリフたちとともに、
ワイルドランズを冒険し、
敵地を通過して
最後には伝説めいた
人間の遺跡へと
向かっていきます。

New World Computing開発・スタークラフト発売
『インヘリット・ジ・アース 嵐のオーブ(PC-9821 日本語版)』(1995)パッケージより引用

リストアップした作品が軒並み21世紀に発売されたものであるのに対して、これだけ20世紀(1994年)に発売された作品。今になってもこうしてレトロゲームに触れることができるのは尊いことです。

Lost Ember

ロスト・エンバー

注1:動物が主人公のナラティブアドベンチャー(ウォーキングシミュレーター)ゲームの例として紹介した作品です。キツネは登場しません。
注2:拙稿ではリファレンスとして取り上げており、詳しい説明は書いていません。

ドイツのMooneye Studiosが開発・発売。

Lucky’s Tale

注:拙稿ではリファレンスとして取り上げており、詳しい説明は書いていません。

(紹介文執筆中)

The Mooseman (Мортвӧрмӧс)

注1:少数民族の文化継承や口承民話の「語り部」としての機能を持ったインディーゲームの例として紹介した作品です。キツネは登場しません。
注2:拙稿ではリファレンスとして取り上げており、詳しい説明は書いていません。

(紹介文執筆中)

Mulaka

注1:少数民族の文化継承や口承民話の「語り部」としての機能を持ったインディーゲームの例として紹介した作品です。キツネは登場しません。
注2:拙稿ではリファレンスとして取り上げており、詳しい説明は書いていません。

(紹介文執筆中)

「キツネが登場する欧米インディーゲーム——「EXPを導くキツネたち」より|#2」(L〜Z)に続きます。


『Philosofur 3』は在庫があります(2023年4月時点)ので、将来開催されるイベント(けもケットやJMoFなど)にPhilosofur編集部が出展する運びとなりましたら、(ネタバレを気にされない方は)ぜひお手に取りください。また、アリスブックスでもお買い求めいただけます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?