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オフィスという空間があることで、ものづくりの質とスピードが高まった/ICC KYOTO 2022のスタートアップカタパルトに出場!株式会社ABEL

私たちは、WSDBのオフィスをご利用いただいている企業様に、事業内容や、オフィスの魅力、今後の展望など各企業のオリジナルストーリーをお伺いしています!

【 INTERVIEW vo.5 】
💡
株式会社ABEL
💡in
LIT

今回は、2022年9月6日に実施した、Industry Co-Creation(以下 ICC)サミット KYOTO 2022 のピッチイベント「STARTUP CATAPULT(スタートアップ・カタパルト)」に出場された、株式会社ABEL 代表取締役CEO 大島氏とCTO 大平氏に、お話を伺いしました!

左:大島 秀顕 氏(CEO)、右:大平 哲也 氏(CTO)

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まず初めに、事業内容について教えてください

大島氏:競走馬の運動情報を可視化するツール「EQUTUM(エクタム)」を開発し、運営しています。今まで競走馬のトレーニングは、調教師の経験と感覚だけが頼りでした。獣医師は視診と触診以外の方法がなく、怪我の予防、病気の早期発見は非常に困難です。しかし、EQUTUMを使えば、馬の体調や疲労度、脚の動きなどをデータで可視化することができます。結果的にそれぞれの競走馬ごとに最適化されたトレーニングを実現できたり、怪我の予防ができたり、トータルでサポートすることができます。

画期的ですね!馬の状態をデータで見れることで、具体的にはどんなことが解消されていくのですか?

大島氏:例えば、前もってその馬の得意なコースを知ることができます。
馬には右回りコースが得意な馬や、左回りコースが得意な馬がいるのですが、これには「手前」が関係していると言われています。
左脚を先に着け、右脚を後に着ける走り方であれば「右手前」、右脚を先に着け、左脚を後に着ける走り方であれば「左手前」になります。
右手前なのか左手前なのかで得意なコースをあらかじめ把握しておくことができるのです。
今までは、馬が走っているところを双眼鏡で見て「この馬は、左手前が得意だな」と予想するなど、とてもアナログな方法で判断していました。
さらに、競馬は血統がものをいうブラッドスポーツであるため、親馬が左手前なら、子どもも左手前だろうと判断されてきていました。
このように曖昧だった判断基準ですが、EQUTUMを使うことで、右手前か左手前かが確実に分かるようになり、そのデータをもとに得意なコースを予測することができます。
他にも長距離向き、短距離向きなどもデータから読み取ることもできるんです。

競走馬の次世代トレーニングですね。データを見ることで怪我の予防もできるのですか?

大島氏:はい。その通りです。そもそも、競走馬の世界では馬が体に無理を重ねて勝利を掴んでいるのが現状です。有名なダービーで優勝するような馬でも、レース中に脚を骨折したり、故障したりして、競争を中止することもあります。
体重500キロほどある馬は、脚1本だけでも骨折をすると、残りの3本脚で体重を支えることとなり、健康な脚にも大きな負荷が掛かってしまいます。やがて他の脚も故障し始め、しまいには立てなくなります。
寝たきり状態だと、お腹周りの皮膚が臓器や骨の重さに耐えられず、長い間痛みと闘うことになるため、現場の人たちは辛い思いをさせる前に、怪我した馬の安楽死を選択せざるを得ない状況になります。
僕たちはそんな現状を変えるために、EQUTUMを使い、「世界一早い馬が、世界一健康」という未来を実現したいと考えています。
競走馬のトレーニングや健康もデータ管理することで、この業界のニュースタンダードを作っていきたいと思っています。

それは素晴らしいですね。とても感動しました。
LITに入居のキッカケとなった「賃料、夢払い。」プロジェクトについて教えてください

大平氏:元々僕たちは別の会社で働きながら、土日に集まってプロダクトを作っているような状態だったのですが、偶然僕の妻がABEMAで「賃料、夢払い。」プロジェクトを見つけたんです。
「夢一つでオフィスを1年間無料で借りられる」というLITのオープンニングキャンペーンがあることを知り、その内容を大島に話したところ、挑戦することになりました。

大島氏:審査では書類選考の後に、面接選考がありました。投資家向けには何度かプレゼンしたことはあったのですが、資金調達以外でのプレゼンは初めてだったので、当時はかなり緊張しました。2021年の8月に最終審査があり、見事通過し、翌月の9月に入居しました。そしてLITへの入居を機に、2人とも前職を退職し、株式会社ABELとして本格的に始動しました。

入居されてからの働き方について教えてください

大島氏:週3回出社、週3回リモートで働いています。あれ、計算合わないですね(笑)
僕たちはハードウェアを取り扱っているため、集まってコミュニケーションを取ることがとても重要です。ものづくりをするときは、Face to Faceでのコミュニケーションが大切ですからね。オフィスという空間があることで、ものづくりの質もスピードも高まったと思います。
LITには、1日に数回コーヒータイムがあり、バリスタの資格をもったコミュニティマネージャーが本格的なコーヒーをサーブしてくれます。その時間があることで、毎日しっかりブレイクタイムがとれています。
朝も10時からコーヒータイムがあるので、淹れたてのコーヒーを片手に仕事を開始しています。これが僕たちのLITでの働き方です。

ここのコーヒー、美味しいですよね。私も来る度にいただいています。(笑)入居から1年、企業としての成長はいかがでしたか?

大島氏:入居時は、まだ起業をしていなかったのですが、2021年12月に起業し資金調達を実施しました。そこからNorthern Farmなど競走馬業界における日本のトップランナーとともにPoCを重ね、現在ではβ版をローンチしました。さらに、スタートアップ企業の登竜門である、ICCサミットのイベントにも声を掛けてもらい、入居前に描いていた1年後の目標は達成できたと思います。

プロダクトもさることながら、お二人の人柄が魅力的ですよね。今後のビジョンについてもお伺いさせてください。

大島氏:EQUTUMを使った競走馬のトレーニングをニュースタンダードにしたいです。そのためにも、まずは日本国内で1位を獲得し、ゆくゆくは、EQUTUMを使った日本馬で凱旋門賞を勝利したいです。凱旋門賞は、フランスのパリロンシャン競馬場で行われるヨーロッパ最大の競走の一つですが、日本馬は今まで一度も勝ったことがないんです。そういった意味では、日本馬が凱旋門賞で勝利するというのは、日本競馬界の悲願でもあります。
データで競走馬の状態を管理したり、トレーニングを最適化していくことで、日本競馬が強くなったと感じてもらえたら嬉しいです。

最後に、大島さん、大平さんにとってオフィスとは何ですか?

大島氏:僕にとって、オフィスはチームの一員です。ものづくりをしている僕たちにとって、みんなが集まれる場所は重要ですからね。

大平氏:先に良いこと言われちゃったな〜。(笑)
やはり、対面で会える場所は大切ですよね。オフィスは余白を作り出し、その余白から価値を生む場所だと思います。

お二人らしい、素敵な回答ですね!本日は貴重なお時間、ありがとうございました!

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Interview & Photo by AQUARIUS Inc.

終わりに...

大島さん、大平さん、貴重なお話ありがとうございました!
会社名である「ABEL(アベル)」は、大島さんが飼っているワンちゃんのお名前ということでしたが、お二人とも動物に対して愛を持ち、動物たちが健康に活躍していける世の中を真剣に考えているのだなと感じました。
競走馬たちが無理することなく、長い間生き生きと活躍していける、そんな世界が広がればこれ以上に嬉しいことはありません。
LITのオープニングキャンペーンである「賃料、夢払い。」プロジェクトに応募していただいてから、たった1年間で、スタートアップの登竜門であるICCのピッチイベント「スタートアップ・カタパルト」に出場された姿は、起業家たちの良きお手本であり、スタートアップ企業としてのこれからの活躍に期待しています。
そして、「EQUTUMを使用した競走馬が、世界一早く、世界一健康である」という未来の実現もとても楽しみにしています!
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