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SS 猫のかき氷 【#かき氷】シロクマ文芸部参加作品(730文字位)
かき氷は、ちべたい。猫には最適だ、猫舌だもの。ミケは夏に商売する事にした。
「青カエル君、氷はあるかい」
「あるよ、ノコギリで切るよ」
ギザギザのでっかい刃がついたノコギリでギコギコと氷を切り出す。カエルは氷室を持っているので、年中氷を買える。(カエルだけに!)
「ありがとう」
「暑いから体を冷やすのかい?」
「いや食べるんだ」
「それは……めずらしい」
青カエルが不思議そうな顔しながらミケを見送る。ミケは鋭い爪があるから氷を削るのは苦にならない。早速、屋台を借りてえっちらおっちら引っ張って池の前で客を待つ。
「あら、ミケなにしているの」
「店を開いているんだ」
「何を買えるの」
「かき氷」
白猫のタマが椅子座ると作ってと頼んだ。
「まかせとけ」
じゃりじゃりと氷の表面を爪で削るが固すぎてまったく削れない、それどころか爪が猛スピードで短くなる。タマは不満そうに
「だめじゃん」
「おかしいな」
そこにビーバー君、するどい歯を見せて胸を叩く。
「おいらが削るよ」
「それはありがたい」
氷をかかえると歯を立てる、ガリガリガリガリガリガリ、見る間に削れる……無くなった。
「食べちゃだめだよ」
「え? ダメなの?」
ミケはがっくりヒザをついた、「天は我を見放したか!」
ミケはビーバー君の食べ残した氷の塊を怒って池に投げ入れる。
ピカッと光ると湖の女神様、両手に銀の氷と、金の氷をもってあらわれた。
「あなたが落としたのは、金の氷ですか?銀の氷ですか?」
「いや普通の氷です」
「正直者のあなたには、このビーバー型氷砕機をさしあげましょう」
ミケは喜んで、氷かきをもらうと猫の氷屋として成功しましたとさ!
え? 金の氷と?銀の氷は? だって暑いと溶けるじゃん……
あとがき
なんかゆるい話しか出てこない。やばい、夏で頭がゆるゆるです。
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