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SS たぬき好き 【創作民話】

昔々たぬきが好きな少女が居ました。もちろん動物は大体好きなのですがたぬきの愛嬌のある顔が好きなのです。もちろんそんな少女が好きな動物も居ます。きつねです。年老いた狐は少女がかわいくて仕方がありません。

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「きつねさん こんにちは」
少女が狐を見つけると挨拶をします。狐は恥ずかしそうに少女を見るばかりで近寄れません。自分はもう歳を取り過ぎました。

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「たしか少女は たぬきが好きと聞いたな」
狐はたぬきに化けますが、どうも尻尾が難しい。隠せないのです。仕方がありません。狐は邪魔な尻尾を切ってしまう。

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「あー痛い でもこれで狸に化けられる」
たぬきに化けた狐は少女と仲良くなりたいですが、やはりなにか違います。少女を騙して姿を変えて近づく事の罪悪感が消えません。

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「自分を狐として好きになってもらえないなら意味がない」
たぬきは山から下りる事にしました。もう狐には戻れません。尻尾を切った狐は仲間と会うのが恥ずかしいからです。

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「たぬきさんも狐さんも最近は見ない さみしい」
少女は大人になり、昔を懐かしみます。姿形よりも一緒に居られる知り合いが欲しかったのです。

終わり

Midjourneyのベータ版パラメータで絵本風の作画ができてます。

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