屍鬼(06/15) 【幸蔵の旅】
あらすじ:幸蔵の姉の嫁ぎ先で尸鬼が発生していた。
「ならば、俺が退治する」
幸蔵は自分の力を試したかった、尸鬼がどのような化け物かはわからないが、自分で退治できる自信があった。
仙人と名乗る老人は、頭をふると尸鬼は目に見えないと言う。鬼に実態はなく人の体内に宿るため退治は難しい、だから薬を使う。
静は、幸蔵の背負っていた柳行李を調べたいと言う。幸蔵が持ってくると中から袋を取り出す。
「鬼退治の薬と聞きました」
見れば赤い袋に【鬼おろし】と書かれている。静の親が山を越えて幸蔵の姉の所に向かう途中で、山賊に襲われた。仙人はその袋をもらうと中身を確かめてから、幸蔵に渡す。
「これで鬼退治ができる、山の上の泉に薬を入れろ」
仙人が幸蔵の額にツバをつけて何やら文字を書いた。姿が見えなくなる。もう尸鬼からは見えない。
「鬼を退治にいくだ」
仙人に静をまかすと彼は山の上を目指した、尸鬼に取り憑かれた村人は、仲間を増やすために近隣の村人をさらって鬼にしていた。山道を歩くと確かに村人が歩いているが、呪文のせいで誰にも感づかれずに進める。しばらく歩くと道の真ん中に鬼が居る。
「村人ではないな? 呪術を使っているのか? お前は通さん」
鬼は屍鬼だと名乗るとうなり声を上げた。村人が生きている間は、尸鬼で村人が死ねば屍鬼に変化した。バケモノは巨大な金棒を持ち上げて幸蔵に襲いかかる。
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